見出し画像

【俳句】夏の成長3句


   新緑の写真の君や白きかな

 子どもが初夏に行った学校行事の写真の閲覧・注文がインターネット上で開始された。昔は校内に張り出していたのだが、閲覧用の写真を準備していたのは先生だったのだろうか。それともPTAの役員か。閲覧期間終了後には、関係者に配ったのだろうか。今の写真注文のシステムでは、そのようなやり取りはもう存在しない。

   人肌に触れずに夏も終はるかな

 幼い頃は、お隣さんが不在なので渡しておいてくださいと宅配便のお兄さんからときどき荷物を預かっていたが、便利になるとあらゆる面で人との繋がりが減る。とは言え、

   夏の波果敢に越ゆる恋ごころ

 恋をすると、触れたい、繋がりたいと思うのは、いつの時代も変わらない真実だと思うが、このご時世、ヴァーチャルな繋がりだけで満足する"大人な"恋人たちがどこかに存在するかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?