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業務フローについて考えてみた#2

仕事柄、企業の業務フローを見直すお仕事をしています。
今回は先日行ったWeb面談のお話

企業概要:中古車販売の企業様 地域密着型のカーサービスを展開

今回は事前にある程度企業様の状況を教えていただけたので、具体的にイメージしつつお話をすることが出来ました。
中古車販売業のお客様ですが、売り上げの柱としては新車販売、整備、保険。そして別企業でロードサービスをされている企業様です。
社長はおひとりで、二つの企業のオーナーをされているという状況でした。
中小企業診断士様を顧問にされており、様々な経営改善の助言や、補助金の申請を受けられているとのことでした。
ですが、なかなか事業がうまくいかず、経営が苦しい状況とのことで今回お話を伺いました。

利益率の高いお仕事はなに?

複数の売り上げ項目がありますので、もっとも利益率の高いお仕事は何かと伺うと、流石中小企業診断士様が顧問されているので、明確に「整備」とロードサービス」だとお答えいただきました。
日々の経営数値を細かく出すことで、自社の採算部門と戦略がはっきりしている状況を作られていました。
こちらの企業様では、地域の消費者の方とのご縁を大切にし、車の販売を通した付随するサービスを行い生計を立てていることがよくわかりました。

何が問題なの?

要は、経営数値を出すまでに非常に時間と手間がかかっているということです。スピーディーに今の数値を把握することがなかなか困難だということが分かりました。
社長が非常にこだわっているのが原価率です。
一つ一つの売り上げに対する原価を細かく確認することで採算を確認されているという状況で、非常に経営意識の高い、素晴らしいことだと思いますが、それを補足するまでのステップが少し煩雑でした。

旧ステップ

システム担当者の入力するフローとしてはこのような状況で、当企業様の最大の業績管理のかなめになっているのが弥生販売様でした。

弥生販売様では、売り上げを取引先別に入力することができるだけでなく、商品ごとに入力もできますし、その商品の仕入れ原価も入力ができます。つまり、商品ごとの原価率がわかるということです。
この部分を精緻に入力することで、会社内での採算を見える化しているというわけですね。
ただですね・・・。これ経理の方の能力が非常に高いからできているという話でして。なかなか細かく入力するのは至難の業です。
それだけでなく、もっと細かくフローを確認するとこのようになっています。

旧フロー 詳細分析

やはり、弥生販売ではかなりの細かい情報が入っています。部門別管理もしているので、中古車、新車、整備ごとの売り上げが把握でき、かつ何の商品がいくら売れたのかもわかり、原価率が判るのです。
ただ、弥生販売のデータを弥生会計に入力することが、もうできない。人間業では到底できない。という状況なんですね。
会計側では制度会計に対応させるのに精いっぱいなので、真に経営に役立つ情報を取得しようとすると、別添エクセルの作成が必要になりますが、会計システム側にそのデータがないので、販売管理のデータを人間が覗きに行って、確認しながら経営資料を作成するという非効率な業務フローになっており、スピーディーな経営管理を阻害していました。
それでも、経理の方はすごいです。

どうしたか

会計システムに入力されたデータの粒度を細かいまま持ってこれれば、経営に役立つ情報が取れます。部門ごとの、日々の売上高を連携するように会計システムを変更しました
弥生販売はすでにこの会社の生命線になっています。ここの入力の工夫は非常に大事ですが、なかなか一朝一夕に変えられません。(せめて、請求書発行システムと販売管理システムを統合出来たら・・・。とは思います)
図解するとこうなります。

将来的には独自キャッシュフローエクセルもやめてしまえるように新会計システムの機能を拡張できれば良いですが、このフローに変更することで、経理業務の工数が半分以下になり、経営数字を算出するスピードが大幅改善されました。

地域密着型のサービスですので、TwitterやFacebook更新も戦略的にされており、そちらの時間を経理の方が着手できそうだという話もでております。

会計システムへ細かいデータを受け渡す重要性を再認識することができたご面談でした。

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