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読書と弓道が趣味。日々の記録を徒然なるままに。

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  • 弓道のこと

    高校以来に再開した社会人弓道を続ける様子と、弓道について勉強したことを残しています。

  • 本のこと

    読んだ本のことや感想など

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1年生が渡ってはいけない渡り廊下 -問いと破壊-

永井玲衣さん著、『水中の哲学者たち』を読んでの感想です。 著者の永井玲衣さんが、日常の中や哲学対話の活動をされる中、またご自身の過去の中で生まれた問いについて思いを綴る哲学エッセイ集。 哲学とは、世界の存在について難しく考えることだけではなく、「なぜこの人は約束を守らないのか」といった、日常の葛藤、疑問、不快、あるいは(著者の言葉を借りると)ツッコミから生じる。 哲学とは、自分の周りの世界について、問い直す学問である。 本書を読む中で、子どものころに抱いていた、世界に

    • 弓道再開 ーやってきた昇段試験ー

      高校時代、部活で弓道をしていた私が、社会人になってもう一度弓道を始めるお話です。 前の記事はこちら。 うん年ぶりの昇段試験!変わらず週に一回のペースで道場に通うこと数ヶ月。そろそろ昇段試験が視野に入ってくる。 初段は高校の時に取得していたから、次は弍段だ。 同じ市内で地方審査がある時を狙って申し込む。審査は学科審査と実技審査に分かれていて、学科審査の方は申込書と一緒にレポートを提出する。 コロナ以前は、学科審査も会場で実施されていて、昔受けたときは道場の控室に机が並

      • この不確かな世界を心穏やかに生きる、ための弓道 『弓と禅』

        わたしが弓道を始めた理由。 その一つには、仏教や禅でいう「悟り」がどのようなものかを、弓道を通して感得したかったというのがある。 スティーブ・ジョブズも愛読していたという、オイゲン・ヘリゲル著『弓と禅』を読んで、ぼやっと抱いていたその気持ちが輪郭を確かにしてきたので、ちょっと言語化してみようと思う。 マインドフルネスと瞑想数年前にマインドフルネスを知ってから、ときどき瞑想をするようになった。その成果として「いま、ここ」に集中する感覚を養えつつある。 自分の感情の動き、

        • 彼に誕プレの要望をスルーされ腹を立てた話

          とんちきな彼氏 わたしの彼は気が利かない。 どのくらい気が利かないかというと、誕生日プレゼントは劇団四季のアラジンがいいと言っていたにも関わらず、誕生日直前になってもチケットを取らないぐらい気が利かない。 そういう人だとわかっていたので、数ヶ月前から要望を伝え、どうせしばらくしたら忘れるからと事あるごとに伝えてきた。 劇団四季のチケットはその日に取ろうと思って取れるものではないから、十分期間を持って伝えてきた。 で、あるのにこれだ。「誕プレは劇団四季のアラジン」とい

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          【台湾旅行#3】食い倒れに勤しむも、トラブル再び

          初海外おひとり様旅in台湾の記録です。前回の記事はこちら。 二日目 台北食い倒れ1食目 九份から台北に戻り、今日は台北市内で食べ歩きをします。 前日、ふと豚足が食べたくなり、台北で豚足のお店を探したところ、ありました。その名も『富覇王猪脚』。 豚足といえば蹄付近をイメージしますが、このお店では太もも部分もメニューとしてあります。一番人気らしい霸王腿扣(太もも骨なし)は売り切れだったので、覇王腿節(太もも骨あり)と魯肉飯を注文。 覇王腿節はとろっとろに煮込まれていてと

          【台湾旅行#3】食い倒れに勤しむも、トラブル再び

          【台湾旅行#2】九份は夜もいいけど朝もよかった

          初海外おひとり様旅in台湾の記録です。前回の記事はこちら。 一日目 九份いざ、九份へ! 十分を満喫した後は、瑞芳駅に戻って九份行きのバスに乗ります。 まずは宿に向かうため、九份駅よりひとつ手前のバス停で下車。Google Mapを頼りに宿へ向かいますが え、本当にこの道……?? 山肌沿いに街が造られている九份は、いたるところ階段だらけ。その階段も民家の間を縫うように造られていて、まさに路地裏。進むのは少し勇気がいります。子供の頃、家が密集している友達の家の周りを冒険

          【台湾旅行#2】九份は夜もいいけど朝もよかった

          【台湾旅行#1】海外おひとり様デビューは前途多難

          台湾に1泊2日の一人旅に行ってきました。 国内は一人で自由気ままに動き回るわたしですが、海外に一人で行くのは初めて。それもツアーではなく完全な個人旅行。 海外にいくこと自体が8年ぶり。その時も人にあれこれ手配してもらったので、今回もツアーにするか迷いました。ただせっかくの機会です。台湾なら日本人観光客も多いし一人旅デビューにはピッタリと思い、個人手配で行くことに。 結果的には、個人手配にして良かったと思います。今回、私が宿泊したのは、『千と千尋の神隠し』的な雰囲気で大人

          【台湾旅行#1】海外おひとり様デビューは前途多難

          弓道再開 ー人間関係と初めての競射会ー

          高校時代、部活で弓道をしていた私が、社会人になってもう一度弓道を始めるお話です。 前の記事はこちら。 道場の人間関係週に一回のペースで道場に通い始めてはや1ヶ月。道場のルールにもだいぶ慣れて、この前は初めての中りもあった。 弓道会の中では意外にも、わたしのように直接道場に連絡して入会する人というのは少ないないみたいだった。昔に引いていたという人でも、自治体が開催する弓道教室を通して再開したという人が多かった。(ここは地域によって差はあるだろうけど) 同じ年の弓道教室の

          弓道再開 ー人間関係と初めての競射会ー

          退屈な人生に幸あれ! 『暇と退屈の倫理学』

          國分功一郎先生著、『暇と退屈の倫理学』に出会ったのは、今から3年前だった。現在、書店に平積みされている新潮文庫の版が出る前のこと。 たとえ一般向けでも哲学書なんて読んだことなかったが、帯の文章に惹かれ、気づくとAmazonの購入ボタンをポチッと押していた。 平易で短いセンテンスにも関わらず、心に深く突き刺さる。いい文章ってきっとそういうものだ。 本が家に届くと同時に夢中で読んだ。「暇と退屈の」原理論、系譜学、経済史、疎外論、哲学、人間学、そして倫理学。 様々な角度から

          退屈な人生に幸あれ! 『暇と退屈の倫理学』

          「ピンとくる人」の正体

          辻村深月さん著、『傲慢と善良』を読んでの感想です。 マッチングアプリで知り合った真実(まみ)と架(かける)。ストーカー事件の後、姿を消した真実の行方を追いながら、架は真実の心の内に近づいていく。 婚活と恋愛を通した人間模様を切り口に、人間の傲慢さを丸裸にしていく恐ろしい小説だ。 辻村さんによる子細で丁寧な心理描写が、自分の過去と一つ一つ重なる。 まるで過去の自分の思考をトレースされているようで、気持ち悪い。 具体を突き詰め、多くの人に当てはまる一般的なケースに抽象化

          「ピンとくる人」の正体

          弓道再開 -初日の風景-

          高校時代、部活で弓道をしていた私が、社会人になってもう一度弓道を始めるお話です。 前回の記事はこちら。 今回は、再開して初めて弓を引いたときのことについて。 弽の付け方はどうだっけ?購入した道具を持って、道場に向かう。見学したときより人が多い。 見学時に対応してくれた先生が迎えてくれて、入会届を提出した。 道着に着替えて、早速巻き藁の前で引いてみることに。 弽(ゆがけ)をつけようとして、これでいいんだっけ?と思いながら適当に紐をぐるぐる巻いていたら、先生が正しいつ

          弓道再開 -初日の風景-

          弓道再開 -道場見学-

          高校時代、部活で弓道をしていた私が、社会人になってもう一度弓道を始めるお話です。 今回は、道場見学と、そこに至るまでの葛藤についてです。弓道をやってみたい!または再開したいけど悩んでいるという人に向けて、参考になったら嬉しいです。 道場見学に至るまでの不安道場は近くにあるか まず、肝心の弓道場が通える範囲にあるかが大事。高校の頃は、学校に行けば弓道場があったのに(当たり前だが)、社会人の場合は私営や市営の道場を探して通うしかない。 私の場合、運よく自宅から自転車で通え

          弓道再開 -道場見学-

          12年ぶりに弓道を再開して弐段を取るまでの話

          高校時代、部活で弓道をしていました。 強豪校でもなんでもない普通の高校だったけど、弓を引くのが楽しかった。 高校を卒業して弓から遠ざかっていたものの、また再開したいと思う気持ちは心の端っこにずっとあって、2年ぐらいの周期で「引きたい欲」が湧いてくる状態。 そんな状態が12年続いた果て、やっと今年の1月に地域の弓道会に所属し、弓を再開しました。 12年ぶりでどうかなと思っていましたが、素引きをして巻藁を引いて、としていると昔の感覚を思い出してきて、その日のうちに的前に立

          12年ぶりに弓道を再開して弐段を取るまでの話