見出し画像

流行りにのるのがなんとなく好きじゃない、少しだけみんなとずれてたい


昔から、流行にのったり、みんながやっていることを自分もやることがなんとなく嫌いです。


もちろん、羨ましいし、楽しそうだし、本当はやりたくてハマりたくて仕方ないのだけど。でも、なんとなく自分の中にある小さなくだらないプライドがそれを否定し続けています。


音楽もそう。みんなが聞いている音楽を聞くことは聞いたけど、自分はそれが好きだというのがなんだか恥ずかしくて。(あの一応言っときますけど、これは恥ずかしいことでもなんでもない)


なんか自分しか聴いてないような音楽はないのかなって、いつの間にか探していたら、なんだかしらないけれど、いつの間にか1つの音楽にたどり着いてました。


EGO-WRAPPIN'


いや、もちろん多くの人がEGO-WRAPPIN'を聴いていて、ファンがたくさんいるバンドなのは知っているけど。当時中学生だった僕の周りには、EGO-WRAPPIN'を聴いている人は、少なくとも僕の知っている限りはいなかった。


「くちばしにチェリー」で衝撃を受けて


そこからアルバムを辿ってみたら

「Night Food」に出会って、部屋で聴きふける毎日。


当時流行っていたMDコンポで(なんや、流行りにのっかとるやないか)、なんどもなんどもリピートしながら聞く、そのメロディ達。


日常とは違う、どこか憧れるそれぞれのシーン。例えば、ほら。なんだろう。うまく言えない。でも、いざそんなシーンに出くわしたときにそれを彩ってくれるような響きがEGO-WRAPPIN'の曲にはあった。


母は、EGO-WRAPPIN'を聴いて「退廃的」だと言った。僕は退廃に憧れていたのだ。決してキラキラしているものじゃない。決して流行の最先端じゃない。でも、どこかでかっこいい。



月日が流れるのは、本当に早いもので。EGO-WRAPPIN'ばかりを聴いていたあの頃から10年以上。しばらく聴いてなかったのは、なぜだろう?あんなに好きだったはずなのに。あんなに毎日聴いていたはずなのに。


僕は、初めてEGO-WRAPPIN'を生で聴いた。


人生で初めてのライブで(正確にはフェスだけど)聴いたのは、人生で初めて大好きになったEGO-WRAPPIN'の生演奏。よっちゃん(Vo中納良恵)の歌声は、伸びやかで、でも妖艶で。


それから、また、EGO-WRAPPIN'が大好きになった。ライブに行った。

20周年を記念する武道館でのライブ。よっちゃんが「色彩のブルース」をアカペラで歌うのを聴いて、泣いた。

まだ聴けていない曲もある。「BYRD」はぜひ聴きたい。武道館のアンコールは、神戸に帰る新幹線の時間があって、聞き逃した。


結婚式の日と夏の風物詩「Dance Dance Dance」の日程が重なって、結婚式の2次会をするか真剣に悩んだ。次の年に初めての「Dance Dance Dance」に妻と訪れた。ちなみに、妻が結婚式の入場曲に選んだのは「Love scene」だ。


EGO-WRAPPIN'の年末の風物詩「ミッドナイトデジャヴ」にはほぼ毎年行っている。


よっちゃんは、卑弥呼だって、妻は言っている。きっと卑弥呼もあれくらい周りにいる誰かを虜にしてたんだって。よっちゃんの歌を聴いて、僕らは呪術にかかるのだ。魔法じゃない。あれは呪術だろう。


年末の風物詩となったミッドナイトデジャヴでは、いつものように年末を迎える僕が、今年は何があったのか、なかったのかを振り返る。

結局、今年何を成し遂げたのかはよくわからない。また、ここに戻ってきたなとしか思えない。

でも、そこには確かに彩がある。いつもと違うシーン。どこか妖艶でセクシーとしか言いようのない世界感の味園ユニバース。


もうどうでもよくなる。ビールのせいだろうか。立ち見で踊り狂ったせいだろうか。こんな風に迎える年末が愛おしい。

それもこれも、あの頃、人と違う何かを探して、EGO-WRAPPIN'と出会ったからだろう。


退廃的じゃない。でも、退廃的なのも格好良い。



ライトが暗くなり、ギターの森ラッピンとTHE GOSSIP OF JAXXのメンバーが登場する。今年はよっちゃんはどこからどんな衣装で出てくるのだろう?どんな曲が聞けるのだろう?


今年もあと少し。あぁ、なんか成し遂げたのか?でも、もうなんでもいい。また聴ける。

EGO-WRAPPIN'を聴きまくっていたあの頃と、何か大きく変わったのかな。大人になっても好きなものは好き。やりたいことはやりたい。人と少しだけ違うことをしていたい。

相変わらず、僕は「くちばしにチェリー」が最高に似合う非日常を探してる。


でも、日常も愛してる。今年もチケット取れるかな?



#いまから推しのアーティスト語らせて

サポートしていただいたお金は、旅の資金に回し、世界のどこかであなたのことを勝手に想像してニヤニヤしたりなどします。嫌なときは言ってください。