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タイのアユタヤで夫婦喧嘩をうまく回避したが結局妻がブランカになりかけた話

今回は、炎天下のしたの夫婦喧嘩がいかにやってはいけないことかと、妻がブランカになりかけるタイのアユタヤのあるスポットについて書いてみたい。


タイのバンコクからアユタヤに行った。

アユタヤはかつて王朝があった場所で、遺跡がいっぱいあるので自転車を借りてまわった。

最初は、アユタヤに残る多くの遺跡や多くの涅槃像にそれなりに興奮していた。



ただ、アユタヤは暑い。

自転車を漕ぎながら、カンカン照りの日差しに焼かれ、だんだんと遺跡がいやになった。
泳げたい焼き君が、毎日、まいにち、鉄板の上で焼かれていやになったように、アユタヤの日差しに焼かれ、いやになった。

遺跡に罪はない。暑い日差しが悪い。


そして、夫婦喧嘩が勃発した。

暑いからサクッと遺跡を見てどんどん先へ進みたい僕と、1つ1つの遺跡をゆっくり見ながらまわりたい妻。


待っても待ってもこない妻に、腹を立てる僕。どんどん行こうとする僕に腹を立てる妻。

暑い日差しの中、アユタヤの遺跡で喧嘩がはじまった。

「喧嘩するくらいの元気があるなら、奥さんに付き合ってゆっくりまわってあげなよ〜」というオーディエンスの声がたくさん聞こえてきそうだが・・・まさしくその通り。

炎天下のなかで、マラソンの次にしてはいけないこと。それが、夫婦喧嘩だ。


遺跡をまわるという行為の性質上、明らかに妻の主張の方が正しい。
じっくり見てまわり、秘められた歴史に想いをはせたり、写真を撮ったり。それが圧倒的に正しい遺跡観光だ。


サッサと遺跡を見てまわるとはなにごとだ。遺跡スタンプラリーでも開催されているのか。スタンプ10個で豪華景品かなにかですか。バナナでももらえるんですか。


そんなわけで、かなり分の悪い夫婦喧嘩へと突入したのだが、そこは炎天下だ。そもそも夫婦喧嘩をしていることすらばかばかしくなってくる。


というか、歴史あるアユタヤの遺跡の前で夫婦喧嘩とは何事だ。

遺跡を舞台にアベンジャーズが戦いを始めるならともかく、アイアンマンもスパイダーマンもそこにはいない。アンパンマンみたいな顔をした男と、カメラを抱えたスパイと疑わしき妻が夫婦のこぜりあいを始めたところで、エンターテイメント性は皆無。

エンターテイメント性どころか、遺跡観光をしている人にとってはいい迷惑だ。


喧嘩開始1分でお互いにそんなことを悟り、なんとなくどちらにも勝敗がつかないままに喧嘩は終わった。


結局、冷静に考えると正しいのは妻なので、ゆっくりと妻の遺跡写真に付き合いつつも、優しい妻は先ほどよりだいぶペースをあげてくれた。


白黒はっきりさせなくても、お互いがお互いを思いやることで、炎天下の遺跡観光というのは、なんとかなるものなんだ。

譲歩できるところは譲歩しつつ、それでもなんとか少しだけ相手のペースに合わせることが僕たちにはできるのだ。夫婦喧嘩はこのようにして回避されるべきなのだ。


ただ、やはり遺跡観光の終盤には妻も疲れてきたらしく、欧米人が食パンとバナナを食べている(旅人の欧米人はたいはんがバナナを持ち歩いている。きっとスタンプラリーで10個スタンプをためたのだろう)日陰で休憩などしたが、やっぱり二人ともクタクタで、カフェに入った。


赤い炭酸


カフェで飲んだ、キンキンに冷えた赤い炭酸が美味しすぎて、3秒で飲み尽くしたらお腹を壊してトイレに駆け込むことになったが、それも含めてアユタヤのいい思い出だ。


自転車でのアユタヤ旅は結局、「夫婦喧嘩」と「キンキンの炭酸水」でその思い出の大半が色こく残ることになったが、それもいいだろう。


あ、ちなみにアユタヤにはストリートファイターⅡのサガットステージのモデルとされる涅槃像(ねはんぞう)がいる。


サガットステージ

この涅槃像についたとたん突然元気になり、ストⅡを知らない妻に炎天下のなかサガットのことを熱弁しながら写真を撮っていたら、妻がブランカのような形相になってきて、また夫婦喧嘩になりそうになった。


これもいい思い出である。アユタヤ、いい場所でした。

サポートしていただいたお金は、旅の資金に回し、世界のどこかであなたのことを勝手に想像してニヤニヤしたりなどします。嫌なときは言ってください。