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【旅の失敗談】マチュピチュに行ったら高山病に注意

中学生の時、クラスで作った卒業文集にこんな質問があった。

「将来行ってみたい場所は?」

なぜだかわからないけど、僕はその質問に「マチュピチュ」と書いた。

そう、これが全ての失敗の始まり。



それは世界一周中に、南米のペルーでマチュピチュに行った時の話。

中学生の時からの何気ない夢を叶えるチャンスがとうとうやってきたわけだ。しかし、旅人の多くが南米のペルーや、ボリビアのウユニで悩まされるのが高山病問題。

マチュピチュへ行くためにほとんどの人が立ち寄るクスコの町も、ウユニ塩湖へ行くために絶対立ち寄るウユニの町も、標高がどえらいことになっている。

クスコの標高が3,399mで、ウユニが3,663m。ちなみに、富士山の標高は3,776mです。覚え方はみんななろー(3776)よ富士山にです。いや、なってどうする。登れ。


ともかく、富士山の頂上ばりに高いところで生活を営むわけだから、空気は薄く、高山病の危険性はかなり高め。


高山病は非常に苦しい症状を伴う。まず息が苦しい。そして、激しい頭痛。時には、吐き気をともなうことも。それもこれも全ては酸素が足りないから。ちなみに、高山病はひどくなると錯乱なども引きおこし、死にいたる恐れもある怖い病気。

もう、酸素切れの人間が錯乱するとかバイオハザードの世界やないか。ミラ・ジョボビッチもびっくり。


ただ、ここでみなさんに覚えておいていただきたいことは、僕はクスコで高山病にならなかったということ。バスでクスコ入りしたわけですが、クスコに着いても、息苦しくもなければ、頭痛もしない。しいて言うなら着いたばかりのクスコの街並みに興奮し、少し錯乱しているくらいで、普通に街も歩けそう。


どうやら僕は高山に強い体質のようだ。これはなんというか、少し誇らしい。いや実際は別に高山に強かろうが弱かろうが、それは体質とかの問題なので、何も優劣なんてものはないんですが。なんか嬉しい。なんだろうこの選ばれしもの感。確かに、少し酸素が薄いかなという気はするものの、それ以外気になるところは一切なし。


これはマチュピチュも余裕だな。なぜならマチュピチュは、クスコよりも標高が低いから。マチュピチュに行くために立ち寄る、マチュピチュ村の標高は2,000m。まぁ普段の日本での生活に比べれば、これでも十分高いけど、クスコの3,399mをクリアした身体なら全く問題なし!もう余裕。だって標高が下がるんだもの。






ごめんなさい。。なめてました。高山病を。チュッパチャップスばりに舐めてました。


クスコから列車に乗り、マチュピチュ村に着いた僕は相変わらず元気。日本の温泉街のような雰囲気のマチュピチュ村を堪能するため村歩きなどし、昼食を取りにレストランへ。


これが全ての間違いだった。


レストランで、肉を頼んだ僕。「BEEF」と書いてあったので、牛肉であろう。出てきた肉を食べる僕。

この時のお肉、確かに不思議な味がしたのです。なにやら生臭いというか、腐っているというか。


でもその時僕の中にひらめいた答えは


「そうか、これリャマかアルパカの肉だ」


南米のこの辺りの地方では、リャマやアルパカの肉を食べることがあると何かの本で読み知っていたので、この味わいを勝手にリャマかアルパカだということにしてしまい、迷うことなく食す僕。


なんか知らんが牛肉やと思ったらアルパカかい。なかなかいい経験できたな。みたいな?



その後、ホテルに戻った僕は1時間以上トイレから出られなくなった。そう、あの肉はただただ腐っていただけ。リャマでもアルパカでもなく、牛肉が腐っていただけ。


まぁ下痢だけなら許そう。旅人が腹を壊すというエピソードはよくあることだ。マチュピチュ村で下痢になるなんて、なかなかおいしい経験じゃないか?


ただ、そこから先が地獄。。


下痢=排泄により水分が失われる→高山病発症


これから標高の高いところへ行く方は気をつけてください。体内の水分量が少ないと高山病になる確率はグンと上がります。


おい、待て。おかしいだろ。クスコでも、高山病にならなかったのに。なぜ?1,000m近く下山した末に高山病にならなきゃいけないんだ?


高山病を発症すると、頭が痛いからベットで寝ようにも、息が苦しくてうまく眠りにつけない。


しかも、息が苦しいのに、定期的にトイレには行きたくなる。鬼か?酸素不足で、トイレとか。鬼か?

高山トレーニングか?高山トイレトレーニングなのか?ちょっと待て、トイレトレーニングって、小さい子がやるやつじゃないのか?犬とかのやつじゃないのか?そんなトイレトレーニングを高山で施されて何を鍛えようとしているんだ俺は?


「あの苦しく辛い高山でのトレーニングを経たおかげで、普段のトイレですごいいいタイム叩き出せるようになりました。」みたいなことには絶対ならんだろ。というか、トイレでいいタイムってなんだ?


はーはーいいながら、なんとかきばる僕。なんだこれ?拷問?なんかの修行?孫悟空でもこんな修行しないぞ。別に強くならないもん。排出中にトイレの酸素抜かれても。



それにしても、リマで購入した薬が一向に効かない。スペイン語を習っていた経験のある妻がなんとかスペイン語を駆使して、検索を進めると。


リマで買った薬はただの酔い止め。


高山病の薬ではないそうな。いや、確かにリマの薬局で、コミュニケーション不足だったけど。指で天井を指し、頭痛のジェスチャーだけで乗り切ったけど。「クスコ、クスコ」と連呼しただけだったけど。

わかるやん?天井を指した指の先に標高の高い場所があることも。クスコというワードからも高山病の薬欲しているんだなということも。


なんで酔い止め?というか何?クスコでずっと薬飲んで、やっぱり薬が効いてるのかなーなんて言ってた僕は。プラシーボ効果とはこのことですか?


結局、マチュピチュの遺跡に行く予定だった日に高山病にかかってしまったため、その日のマチュピチュ遺跡観光は断念。予約していた列車も何もかもキャンセルし、急遽次の日の列車と宿を取りなおすことに。。


なんとか妻がマチュピチュ村で、高山病の正しい薬を手に入れて、次の日には外出できるまでに回復し、マチュピチュ遺跡観光は実現。


中学生の頃に書いた「将来はマチュピチュに行く」という謎の夢は無事(?)に達成されました。中学校の頃の自分に言いたい。マチュピチュ観光ってのはな、ノリで書くもんじゃない。過酷な高山病との闘いが待ち受けているんだぞと。


ただ、こんな失敗のあとのマチュピチュ観光は最高の天気に恵まれて、すべてが綺麗に見えました。他の旅人に写真を見せると羨ましがられるくらい。だったら、こんな失敗も有りなのかも。

全ては、せっかく中学校の卒業文集に書いた夢を達成するなら最高のコンディションで観たいという、願望からきた一連の出来事かもしれない。と自分に言い聞かせ、じゃっかん息苦しいような気もしながら、再びクスコへ戻るのでした。


この教訓から学べること

・南米の標高の高い場所では、変な味のする肉はリャマの肉ではなく、腐っている牛肉だと思うべし。

・標高の高い場所では、常に水分補給を欠かさないように。特にトイレのあとは、すぐに水分摂取。

・高山トイレトレーニングをしたからといって、特に標高の低い場所でのトイレスピードや、精度がアップするわけではない。

・高山病の薬と酔い止めを混同しないように。薬を買う時は気をつけて。



失敗の現場からは以上です。



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