フィリピン留学で一番思い出に残っていること

あなたには忘れられない音色、ついつい口ずさんでしまうメロディーはありますか？

フィリピン留学で、一番思い出に残っていることは間違いなく「学校のチャイムのメロディー」だ。どんなメロディーかを言葉だけで書きあらわすのはとても難しいけど、試しにやってみよう。

たーたったらららたーたったらたらー

言いたいことは言わなくてもわかる。言葉って難しいのだ。

とにかく、僕がフィリピン留学で通っていた学校のチャイムは独特で、「キンコーンカンコーン」のような擬音語の代表格みたいな音じゃなく、音楽のイントロ部分をぶったぎって流しましたみたいなチャイムだった。

それにしても、「キーンコーンカーンコーン」って擬音語、誰が考えたのだろう？あれ考えた人、天才じゃない？

話を戻そう。

ちなみに、その学校では普通の「キーンコーンカンコーン」みたいなチャイムも鳴ることがある。その使い分けに何か理由があるのだろうかと、先生に問うてみたけど、先生もよくわからないとのことだった。

しかもこのチャイムには規則性がない。2時間目はキンコン、3時間目はメロディーの日もあれば、逆もある。なんなら1日キンコンだけでお送りされる日もある。

もういろいろ気になりすぎる。「どんな仕組みで鳴っているんだ？」と聞いたら、先生は「朝になったらチャイムの機械をONにするだけ。それ以上の設定は何もいじっていない。でも、なぜか日によって、キンコンと音楽のタイミングが変わるのよ。」とのこと。別に対したことじゃないという、あの英語話者独特の肩をすくめるようなジェスチャーといっしょにそんなことを言う。

言っておこう。それは怪奇現象だ。２種類のチャイムが自動的になんの法則もなくランダムに流れるなんて。誰も気にならないのか？そのシステムの不思議なところが。

でも、チャイムが気になりすぎて、授業で先生が変わるたびにチャイムのことばかり聞く生徒もだいぶ怪奇現象の域だ。

とまぁ、でもこのちゃーっちゃちゃかちゃかちゃーっちゃちゃかちゃか〜♪という音楽（なぜか表現するたびに音色が少し変わるのは、僕の音楽的才能のなさと、言葉のセンスが皆無に等しいからだと考えていただきたい。実際の音色は一定である）、かなり頭に残るメロディーなのだ。とにかく、この音色を聞いたら最後。トリコになってしまう。留学中、何度口ずさんだことだろう。

そして、僕は同じ学校に留学していた人たちの中で、この音楽を一度も口ずさんだことがない人を知らない。それくらい、みんなの頭にしっかり残って離れない。なんなら、みんなチャイムが鳴ったら歌いだすくらいの雰囲気だ。

日本でいうならクラシアンだろう。「暮らーし安心クラーシアン。」と口ずさんだことがない人っていますか？いないですよね？というか、もうこの一文、リズムにのせずに読むなんてことは不可能ですよね？

ここまで力説しておきながら、この文章を振り返ると、なんとも言えない気持ちになる。フィリピン留学して、一番思い出に残っていることが、チャイムの音楽だと？フィリピン人の先生との温かな触れ合いでも、毎晩眠たい目をこすりながら必死で英語と戦ったことでも、学校で知り合った留学仲間たちと海にでかけたことでもなくて、チャイムの音楽だと？

確かに、留学中楽しいことはたくさんあった。先生はみんな良い人だったし、いろんな出会いもあった。

でも、今でも口ずさんでしまうのだ。その音楽を。そんなこともある。なんでもかんでも人との出会いに集約してしまうのはよくない。留学したら、今でも思わず口ずさんでしまうチャイムの音色と出会いました。なかなか悪くない出会いじゃないか。

いや、果たしてそうか？

先日、かつてのフィリピン留学を懐かしみながら、通っていた学校のHPを見ていた妻から衝撃の情報が飛び出した。

「E&G（僕と妻が通っていた語学学校）のチャイムの音変わるらしいよ」

HPのお知らせに、チャイムの音色が変わると情報が出るほど、あのチャイムのことは誰もが気になっていたらしい。

それにしても寂しいお知らせだ。今でも口ずさめるあのメロディーが、もう２度と聞けないなんて。どうか、かつて同じ語学学校に通った誰かさんが、もう一度あのチャイムに戻すよう、署名活動でもはじめてくれないかと陰ながら願うばかりだ。願うだけだ。それ以上のことはおこさない。起こす気力がわかない。

しかし、新しいチャイムは、より一層耳に残る素敵なチャイムの音色に変わっている可能性もある。

青雲のcmばりに、耳に残るし、なんか良いメロディーに変わっている可能性もある。そこに期待したい。まぁどちらにせよ、もう一度、ダバオのあの学校に戻りたい。

それくらい、フィリピンへの英語留学は楽しかったということで、お別れしたい。

え？青雲のcmってなんだって？では、最後に青雲のcmをどうぞ。