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【技術ブログ】IoTの導入プロセスについて

みなさまこんにちは!株式会社TERAZのエンジニア、くらたにと申します。
私が過去に関わったプロジェクトに、IoT(Internet of Things)システムの構築があります。そこで今回は私が実際に関わった際の例を挙げ、IoT導入検討のポイントをご紹介致します。

As-is、To-be分析をしよう

現在の状況(As-is)と将来の理想像(To-be)を挙げて、そのギャップにはどのような課題が存在し、何を解決する必要があるかを検討していきます。まず初めに、現状の問題や失敗、望ましくない未来予測などの要素を「As-is」として洗い出してみましょう。
例えば私がお聞きした、工場の製造現場の「As-is」には以下のような事がありました。

 - 部材・部品を探すのに時間がかかっている。
 - 製品生産の各工程にかかっている時間を、正確に把握できていない。

次に、理想の姿や望ましい状態(To-be)を考えていきます。上記の例では以下のような「To-be」が挙げられます。

 - 部材・部品の場所をすぐに知ることができる。
 - 製品生産の工程時間を、容易に把握できる。

そして、「As-is」と「To-be」のギャップから課題を抽出し、目標設定 → IoT導入による解決に向け実行と進めていきます。
現状がなぜそのようになっているのか、あるべき状態になっていない理由を追求し、正確に理解します。そして、どのようなIoTシステムが適合するか、それによってどこまで達成するかを検討し、目標を確定します。

スモールスタートでいこう

大規模で全面的な導入ではなく、小規模なプロジェクトや試験的な展開から始めることで、リスクを最小限に抑えながら効果的な導入を進めます。
通常、予算や時間には限りがあるので、テーマ選択や目標設定は、まずはできるだけ現実的で低コストを念頭に比較的容易に始められる事から行い、効果を確認できたら次のステップに進んでいくのが効率的で、周囲の理解も得られやすい事が多いです。
上記の部材・部品の位置管理の例では、すべての部品を1個単位で位置管理するのではなく、比較的大きな部品に限定して棚単位で位置管理する事を目標にしました。工程時間把握の例では、全工程ではなく最も長い時間を占める工程の作業の時間を計測することを目標にしました。

手段と目的を明確にしよう

様々なベンダーから多くのIoT商品やソリューションが販売されていますが、内容を正確に理解し、目的に合っているか判断する必要があります。
IoTの導入は目的を達成するための手段であり、導入する事自体が目的ではないことに注意します。
上記の部材・部品の位置管理の例では、棚にバーコードリーダーを設置して入出庫だけの管理を行うようにしました。工程時間把握の例では、対象工程で使う機械の段取りと稼働の時間をソフトウェアで自動収集するようにしました。

関係者との連携を強化しよう

関連するメンバー全員とのコミュニケーションを強化し、導入目的に対する理解を得て協力を得ることが重要です。
上記の例では、As-is、To-be分析の段階から製造現場のメンバーを含め関係者全員で情報共有することにより、皆で推進する雰囲気が生まれ、新しいアイデアの提案も積極的に行われるようになったとお聞きしております。

おわりに

今回は、IoTシステムの導入検討におけるポイントをご紹介しました。
実際はIoTに限らず一般的な導入プロセスに適用できますので、『IoT』を『AI』、『システム』、『ツール』等に置き換えて考えて頂いても結構です。少しでもお役に立てれば幸いです。
次回は身近な例で、自宅にスマートロックを導入したお話を紹介します。

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