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備えあれば…やっぱり憂う


みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁のゆかでございます。

みなさま、災害の備え、されていますか?

実のところ、私もここ最近まではしていませんでした。

幸いにも、私の人生において、水害にしろ震災にしろ、災害というほどの災害を経験したことがありません。

だからといって、軽んじているわけではないのですが、
なかなかどうして、進まない。

学生のときは、金銭的余裕もなく、災害用持ち出し袋ひとつ置く場所のゆとりもなく、用意をするという考えすら頭からすっぽ抜けていました。

社会人になり、そろそろ備えをきちんとしておかねば……と思いつつも、一体何を用意すればいいのか、市販の防災リュックを一つ買ったところで、本当に対策をしたことになるのか、それすら不安になり、結局なにも手が出せず……。

結婚してからも、やらねばやらねばと思うものの、どうにもこうにも、
「なにをすればいいか分からない」ままで数年……。

そんな私が重い腰を上げたのは、むちゅめが生まれたからでした。

とはいえ、このむちゅめ、なんと10か月になるまで毎日元気に3時間ごとの授乳を要求するタイプのお子様でした。
3か月が過ぎたら楽になるよ~という助産師さんのアドバイスもなんのその、真夜中であってもきっかり3時間ごとに「おなかすいたよ~!」と主張するのです。

ようするに、慢性的な寝不足でした。
寝不足を馬鹿にしてはいけません。あいつは、脳の働きを著しく損なわせます。
もし、子どもが受験生になって、夜遅くまで勉強するようになったら、睡眠時間の確保だけは、絶対に厳守させようと心に決めました。

8割の勉強で100%の実力を出せるのと、
10割勉強したけど60%の実力しか出せないのなら、
前者の方が高得点を狙えるはずだからです。

そのくらい、寝不足の脳みそは働いてくれません。
今日の買い物メモですら、作らなければならないのに、ついでに災害用の何かを買い足すだとか、苦行もいいとこ。

背中にはずっしり重いむちゅめを背負い、
自転車での買い出しですから、身体的にもそんな余裕はありません。

しかしながら、今、地震が起きたら、この子を守らなければならない。
そういう漠然とした不安が、常に付きまといました。

ようやく、頭がまともに働き始めたむちゅめ一歳二か月あたり。

まとまった資金を用意した私は、二か月かけて防災用品を買い集めました。

しかし、それでも「どうしていいか分からない」のです。

何が分からないって、そりゃあ、「何をどこにしまっておくのが適切か」でした。

何が必要か、は本を読んで勉強しました。

しかし、何を、どこに、どうしまっておくのが適切か、は書いていなかったのです。

悩みに悩みつつ、家の中のあちこちに防災用品が転がり、むちゅめの大きな積み木になっていたある日、とある地域の集会で、防災を広めている専門家に出会ったのです。

なんでも、コロナの間はあちこちに顔を出すのが禁止されていたとかで、久々の参加だったそう。
そこへ、初参加の私が居合わせた、というのですから、
まあ、仏様の采配だったのでしょう。

かくして、その方はおっしゃいました。

非常持ち出し袋に入れるものは、
まずは三日、とりあえず生き延びるためのものだけ。

この方針は、大変分かりやすかった。

もっとも大事なものは、水です。これがなければ生きてはいけない。
ただ、この水というもの、最大の難点として「重い」んです。
女性で、ひとりあたり、500mlのペットボトル三本が精一杯。それ以上は重くて逃げにくくなり、本末転倒になる。

とはいえ、むちゅめはまだ何を持つこともできません。親子が、と思えば、少なくともペットボトル4本は必要でしょう。
それが悩みどころですが、とりあえず、入れなければならないものは分かりました。

水の次は、防寒具。

寒さで人は死ぬからです。逃げた先が寒くて凍死、というのは、難民キャンプで良く聞く話ですが、この日本においても例外ではありません。

ふわふわのものはかさばりますが、アルミホイルみたいな毛布の代わりになる物は、災害グッズとして売ってあります。

三日、と思ったときには、食料はいらないそうです。
生き延びるだけなら、水があれば生きられます。
入れるとすれば、重たいレトルトやかさばる非常食よりも、チョコレートや羊羹などの、日持ちがしてちょっと齧れるお菓子のようなものがいいそうです。

そもそも、食べようにも水も火もなければ、お湯すら用意が出来ないのですから、大災害の場合、「三日」のうちはそれらは役に立たないことが多いのだそうです。

そんなことが起きてほしくはありませんが、ともあれ、取捨選択の基準は決まりました。

三日もむちゅめがひもじさに耐えられるのか、というのは不安が残りますが、そんなことは言っていても始まらない。
泣こうが喚こうが、生き延びることだけを優先するなら、それが最善なのです。

かくして、食料以外の生き延びるためだけの水と防寒に特化した持ち出し袋を作成。
もうひとつ、かなりの衝撃に耐えることができるという防災用の大きなボックスコンテナに、残りの防災グッズを詰め込んで、

我が家の防災対策は、ひとまず終了と相成りました。

もう少しすれば、夏に特化した暑さ対策グッズを、いくつかの防寒具と交換しなければなりませんが、とりあえずは完了なのです。

今できる最大限のことはしたと思います。

災害なんて、起こらないのが一番ですが、どうにもこうにも、100年だか、150年だかの周期でやってきてしまうというのですから、
対策を重ねるしか、わたしたちにできることはないのでしょう。

災害は、忘れたころにやってくる、とは申しますが、
だったら、毎日忘れないようにすればやってこないかと言われればそんなことはありません。
今日来るか、明日来るか、日々怯えていたとしても、来るものは来るのです。

だとしたら、今日の不安、明日の不安を、少しずつでも減らしていけるように、一日一日を、丁寧に生きつつ、思いついた防災用品を蓄えていくしかないのでしょう。


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