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正しいワインの始め方4

キャリア20年のソムリエが友達に話していた、

自然にワインに親しめる5つの話  その3

ワインと料理を合わせるペアリングの話


図1

ペアリングとは何か? 

どんなワインとお料理を合わせるか、究極は好きなものを合わせるのが正解!ですが、セオリーとして、若しくはお客様に尋ねられたソムリエとして、基本的な合わせ方のお話です。

ワインのペアリングとは、相性の良い料理とワインを合わせて楽しむ事。業界ではフランス語の結婚を表す「マリアージュ」という言い方の方が馴染みがある方が多いかもしれません。

ワインと料理の相性が良いというのは、両方の良いところが打ち消し合ったりしない、または相乗効果でより美味しく感じられることです。


赤を注ぐ グラス2個

肉には赤ワイン、魚は白ワイン!は、不正解!

料理の色、ソースの色と合わせるのが正解です。例えば、こういうことです。鶏肉は白身の肉です。鶏肉を使ったクリームシチューには赤ワインがベストではありません。もちろん好みによりますが、セオリーとして。また、キンキの煮付け(こってりした甘い醤油味)に、白ワインがベストではないと思います。それぞれ肉には赤ワイン、魚には白ワインの定説はペアリングとしてベストではないのはおわかりになりますね。

キンキ シチュー

実際の合わせ方ですが、料理の色で合わせるのがベターです。貝類のお刺身を塩で食べる場合は白ワイン。でも、マグロの赤身を醤油で食べる場合には赤ワインも合うと思います。同じく、こってりしたビーフシチューにはもちろん赤ワインですが、レモン汁で食べるウィーン風カツレツはすっきりした白ワインが美味しいと思います。

お料理を口に入れるときに、何色をしているかがポイントです。

参考までに、素材も色分けです。こってりしたソースを使わずレモンなどであっさりと素材を活かす料理の場合のヒントです。

 赤系・・・牛肉、ラム、鴨 、 鮪、かつお

 白系・・・鶏肉、豚肉、仔牛、白身魚、貝類


画像3

重さで合わせる合わせ方

ワインの重さとは、「濃さ」というイメージでしょうか。対して料理の重さとは、素材とソースの味。

まずワインですが、赤ワインの場合はフルボディ、ミディアムボディ、ライトボディなどとボトルに表記されていることが多いです。白ワインの場合は、辛口、中辛口、やや甘口、甘口などで、○○ボディと表現されることはあまりありません。理由は、赤ワインの場合は重い、軽いの表現で飲んだ時にもわかり易いのですが、白ワインの場合は重い と表現されるものは少なく、辛口かそうでないかの方が感覚的にわかり易いからだと思います。

では、ワインの重さは何で差が出るのでしょうか。アルコール分、タンニン(渋味成分)、酸味、果実味など総合的なバランスで決まるようです。特に白ワインの場合は、甘味があってアルコール分の多いものがより重さを感じます。

料理の重さは、こってりしたソースかさっぱりしたものか。それと素材の味の重さ(濃さ)です。次のようなイメージで合わせてはどうでしょうか。

重さのイメージ


その他の合わせ方の例

①調味料  焼き鳥のつくねをタレは 赤ワインですが、焼き鳥のささ身をわさび塩で食べる場合は白ワイン。

②産地で合わせる。日本酒で考えればよく分かると思いますが、同じ産地の物をあわせるのは基本です。その土地の料理とその土地のお酒、ワインも一緒です。

③格で合わせる。スーパーで買ったお総菜に、熟成させたボルドーの赤ワインは合いません。同じスーパーの1000円のワインが良いと思います。

合わせるのが難しいパターン

◇極端に個性的な味の食材

 納豆、臭いの強い漬物、極端に香辛料の強いカレーやスパイシーな料理はなかなかワインとの相性を見つけるのは難しいです。ただ、定番となっているブルーチーズと甘口の白ワインは究極のミスマッチだと思います。

◇微妙に合わせずらい食材

 玉子、カズノコ、お酢の効いたお料理は、難しいと言われています。理由は、これらの食材の臭いの中に、ワインが劣化した時に出る異臭と似たものがあるからだと思います。

◇料理が合わせずらいワイン

 単独で完璧に仕上がっているワインは、合わせる料理が難しいと言われます。例えば、長期熟成して完璧な状態に仕上がっているブルゴーニュやボルドーの銘酒。すなわち、肩を並べられる料理がなかなかないということで、このクラスのワインは単独で味わうのが良いかもしれません。


まずは、スーパーのお総菜とスーパーのワインで、いろいろなペアリングを試してみてはいかがですか?

  



































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