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ワリエワのこと。


昨夜、北京オリンピックで注目のフィギュアスケート、女子シングルフリースケーティングが行われました。

日本の坂本花織さんが銅メダルとなり、喜ばしい限りですが、残念ながら、ロシアオリンピック委員会のワリエワ選手の騒ぎで、若干霞んでしまった感じがあります。

数年前からロシアは高難度のジャンプを飛ぶ選手が続々と出てきて、国際大会で常にNo. 1を獲得してきました。

フィギュアスケート好きの私は、そういったロシアの選手の演技はあまり好きではありませんでした。
高難度のジャンプを飛んでいても、演技に味わいがなく面白みを感じられなかったからです。

しかし、ワリエワ選手は、ジャンプだけではなく、演技に情感があり、若干15歳にして完成された選手で、感嘆しながら見ていました。

このオリンピックでも、ぶっちぎりの優勝だろうと思っていたところで、ドーピング騒動が持ち上がりました。

私は、ドーピングに関しては、厳格に取り締まる現在のあり方に若干疑問を持っています。

ですが、今回の件に関するCASの判断は間違いだったと思います。

昨日のワリエワの散々な演技を見れば一目瞭然です。

ワリエワは、晒し者になりました。
疑いをかけられ、世界中の注目を浴び、それでも完璧な演技をすることを強いられました。

若干15歳の女の子が全てを受け入れて乗り越えることは所詮不可能でした。

CASの判断は、ワリエワを保護するどころか、彼女に一生残るかもしれない精神的な傷を負わせることになりました。

チーム側の対応にも問題があったように思います。

CASがワリエワの出場を認めても、それは暫定的なもの。仮にメダルをとっても後日剥奪されるリスクもありました。
そうであればワリエワを欠場させる判断をすべきではなかったのでしょうか。

本当に15歳のワリエワのことを考えてくれる大人が果たしていたのか。
そんなふうに思うのです。

ロシアといえば、昨日銀メダルを取ったトゥルソワがコーチを拒否する態度に出るなど荒れに荒れたという話も聞こえています。

ワリエワやトゥルソワ、金メダルのシェルバコワらのコーチは、かなり冷徹な人物として有名だそうですが、ワリエワやトゥルソワの件から見ても、若い選手の心理的なサポートができているのかは確かに疑問があります。

案外、女子シングルのロシア時代は、簡単に終わりを迎えるかもしれません。

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