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計画相談のリーダーは存在するのか?という話。

計画相談の相談支援専門員として私が担当する地区の隣接する地区で、計画相談支援事業所の大量閉鎖・縮小が行われています。(詳しくは、私のブログをご覧ください。)いろんな理由はあるのだろうと思いますが、やはり、新年度が始まる前のこの時期は、いろんな大事件が起こりやすいと言えます。計画相談は、はっきり言えば「儲かりません」。もう、何度このことばを言ったでしょうか。そのたびに、切ない気持ちになるのは、始める前からすでに分かっていたはずだということです。なぜ、法人は計画相談にGOサインを出したのかということです。その思いや考えは、どこに行ってしまったのでしょうか。

今回の隣接市での閉鎖・縮小問題は、歴史のある事業所か、社会福祉法人であるところが大きいです。そもそも、社会福祉法人は地域の福祉を担う立場だからこそ、税制も優遇されているはず。その背景には、上記のような理由があるはずです。にもかかわらず、率先して縮小するとは何事でしょうか?また、廃止する事業所も、本来であれば継続できたはずなのに、最終的には廃止の方向で進んでいきました。その話を聞かされた周囲の計画相談支援事業所は、どれだけ失望したでしょうか。おそらく、自分の法人の問題であるとしか考えていなかったのだと思いますが、その影響がどれだけあるのかは、これからわかることだと思います。はっきり言えば、事業所の閉鎖に伴う最も大きな影響は、信頼を失うことです。平気で利用者を露頭に迷わせる事業所ということですから、法人が運営する事業まで影響を及ぼすことになると思います。

今回の廃止、縮小で、私のブログでは400名以上と書いていましたが、実際には500名以上、下手をすると600名になることが予想されています。A型の廃止は、200名以上が露頭に迷うと、全国ニュースになりますが、計画相談は別にニュースになったりすることはありません。しかし、これらのことで困る利用者やご家族が確実に増えます。同時に、計画相談全体に対する不信感につながることは明白なのです。そして、その後何が生じるかというと、「計画相談不要論」の再燃です。

そして、私が最も気になるのは、確かに制度上「基幹相談支援センター」が計画相談を取りまとめる役割を担うことになっていますし、そこに配置される相談支援専門員は、業界でも力のある有名な方々ばかりです。しかし、肝心な現場を担う計画相談は、そういった役割をもったリーダー的な存在の人がいないのが現状です。計画相談の中のリーダーが不在なことも、実は相談支援専門員や計画相談支援事業所を減らしている大きな原因だと思っています。基幹相談と計画相談との間には、一定の距離も存在します。それは、地区によって基幹相談の力も運営に対する考え方も全くちがうからです。そもそも、何のために基幹があるのかということも理解できていないセンターもあると言います。そのことを批判するわけではないですが、正直、計画相談の相談支援専門員も全くもって育っていないのです。自分のことで精一杯ですし、研修やまなびを得る時間もないのです。向上心をもつ以上に、効率よく稼ぐことしか考えていなかったり、無理解な法人による「自社の事業所への誘導のための相談支援」も存在します。そんなことをやっている相談支援専門員は、残念がなら研修や交流会には参加できません。

実は、今から数年前に、私はこういった状況になることを予測していました。設立3年を迎えた頃に、必ず不要論や閉鎖の2文字が出てくる時期があるし、実際に閉鎖に向かうことになるだろうということです。そして、その頃から計画相談のあり方をずっと考えていた時期がありました。自分の存在価値(アイデンティティ)を求めていた時期とも言えます。

計画相談にリーダー的な存在が必要なのかもしれません。それは、地域でひとり現場で向き合いながらがんばっている相談支援専門員が、計画相談を継続する上で必要な相談役であり、現実の課題にぶつかったときに、同じ立場や気持ちを理解した上で対応してくれる存在のような人です。そういった人が地域にいるだけで、基幹相談や行政との折衝もスムーズになるではないかと思うのです。しかし、それもまた簡単なことではありません。福祉事業を担う職員は、確実に減っています。同時に、専門職は少ないのが現実です。そういった現実を鑑みて、私はこれからの福祉が不安になるのです。だからこそ、私の地区はそういった課題や問題を少しでも早く対応していける地域にしておくことが求められますし、私もそのために動いていく必要があります。

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