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違和感について考える ③

月曜日、県立高校の後期選抜入試が行われる。

その最終志願者数が昨日新聞に載っていた。

毎年、スライド合格を実施している学校の倍率の報じ方に首をかしげる。

理数科と普通科がある松阪市内の県立高校の倍率は、理数科が2.88倍。だけれど、普通科は定員割れ。スライド合格ができるので、とりあえず理数科を第一志望にしている生徒たちが多いためで、この高校の実際の倍率は1倍ちょっとということになる。

また、津のやはりスライド合格がある2科に分かれる県立高校の国際科学科の倍率も3.38倍だったが、普通科は定員割れなので、この学校の倍率も実際は1.5倍もないことになる。

そういうことも伝えてほしい。

一方、寺子屋では、県立の進学校に行きたいなら、津の普通科しかない高校または松阪の県立高校でも「普通科」を勧める。

それには、いくつか理由がある。

その一番の理由は、1クラス40人で、2クラス80人程度の実質「特別進学クラス」のような人数の少ない学科では、とても狭い世界で競い合うことが多く、入学後も気苦労が多いのに、卒業時の結果はさほど違わないからだ。

また、その競い合う生徒たちは皆、中学校ではトップを当たり前だと思っていた生徒たちー彼らは、自分がトップでないことにとても打たれ弱いことが多い。そして、人数が少ないので、心機一転頑張ったとしても、その頑張りが順位などに表れにくい。

それが、250人近くいる学科では、少々成績が悪くても、どちらかといえば「上には上がいる」と考えて頑張れる場合が多く、また自分がやる気になって頑張ったとき、その頑張りが順位などにも表れやすい。

切磋琢磨という形で頑張れる生徒は、少人数の特別進学クラスでもよいのだろうけれど、自分のペースを守りたい場合は、普通科を勧めたいと思うのだ。

また、松阪は「松阪大好き」な人が多く、松阪の進学校と言われている県立高校に進学すると、誇らしげに語る大人たちが多く、子どもたちも大いに勘違いをする。

学校の評価は、出口でどんな選択肢があるか、出口で子どもたちがどんな成長を見せているかなのに、その学校に入ることが目標になってしまっている。

これは、高校に限らず、大学でもそうだけれど、高校は、特に多感な時期の子どもたちにかなり大きな影響を与える場所だ。偏差値や難易度だけではく、子どもたちの性格や得手不得手なども大切に考えてもらえるようなアドバイスをしたいと思っている。



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