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自分たち自身のSDGsを考える ⑦

寺子屋では、最初の授業や新しいお友だちが加入したとき、お客様があるとき、皆に自己紹介をしてもらう。

その機会がまた、夏休みの始まる寸前の木曜日の小学生クラスであった。

一時帰国しているアメリカ在住の友人の娘さんが飛び入り参加してくれたのだ。

お互いの自己紹介と、お互いの出身地についてホームページやYoutubeなどを使って情報交換して50分の授業は終わったのだけれど、2日後、アメリカ在住の娘さんの希望で、自分について話すときにどうすればいいかを考えるセッションをした。

自己紹介は、自分が知ってほしいことと相手が知りたいだろうと思うことをちりばめて、とりあえず、相手が質問してくれそうなことを残しておくことも大切。そんなことを伝えたら、箇条書きのメモをとり、日本語と彼女の母語でもまとめて帰っていった。

自己紹介は、人との交流の第一歩だ。日ごろから自分のことを知り、相手に知ってほしいことを考え、相手のことも知りたいと思う気持ちを持つことが大切だと改めて思った。

そして、思い出したのが、もう15年以上前、「英会話」なるものを公民館で教える仕事を頼まれたときのことだ。私はもともと「英会話」というものを教えることの意義を理解できない人間だったのであまり乗り気ではなかったけれど、とりあえずチャレンジしてみることにしたのだが、

「英会話」を習いたいと言いながら、自分の言いたいこと、自分の聞きたいことが先行して、会話が成り立っていかない人がなんと多いことか、と、がっかりした。

私は、自分の外国での経験から、日本人は、「英」会話が苦手なのではなく、日本語でも会話自体が下手で、話す内容を持っていないだけではないかと思っていた。その上に「英語に対する過度の憧れ」が英語教育の歪みを生み出していることを改めて思い知った。

その後も、英語に対する大人たちの過度な憧れが私を悩ませ続けている。

一方、今回の小学生たちとセッションをしながら、やはり、子どもたちの素直さは希望だと思った。素直に知りたい、素直に知ってほしいという双方通行の気持ちが言葉と結びつくときの化学反応は、計り知れない力を持つ。その力が歪まず育つ環境を試行錯誤を繰り返しながら提供できるようにこれからも努力したいと思っている。

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