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言葉はイメージを運び、文化とともにある

そんなことを子どもたちの周囲の大人たちが忘れてしまってはいないだろうか。

と、思うことが多くある。

先日、翌週の授業を修学旅行のために振り替えることになっていた小学6年生たちに修学旅行で具体的にはどこに行くのかを聞いてみたところ、最初に出てきたのが

「とばすい」だった。

もちろん、私もそばにいたスタッフも「とばすい」がどこだか知っている。

でも、あえて

「トバスイ」ってどこ?と真顔で聞いてみた。

2人の少年の目が大きくなり、「知らないの?」と言わんばかりだったので、言葉は、相手によって選んで使うことが大切で、また言葉はイメージとともにあり、「トバスイ」という言い方に違和感があることを伝えることにした。

自分たちの普段使っている言葉が世代や文化の違う相手に伝わるかどうかを気にしないで使い、相手に伝わらないことを相手の責任だとするのなら、日本語がわからない相手に「え?あなた、日本語わからないの?だめだね。」と言うのと同じ。そんな人たちが英語を学ぶ必要はないと、私はずっと思っていて、生徒たちにそれを事あるごとに伝えている。

寺子屋では「やばい」も禁句だ。今、自分が使いたいと思った「やばい」はどういう言葉に置き換えて表現できるかを考えてほしい。そうして考えることで、相手に伝えたいことを表現する語彙を豊かにして、母語だけではなく、外国語も吸収しやすい柔らかい頭にしてほしいと思っている。

また、言葉はイメージを運んでくるー「トバスイ」は、三重県を代表する水族館「鳥羽水族館」のことを言うらしい。なんだか、用水路みたいな略され方に、私が使うことはきっとないだろうと思っていることも伝えておいた。

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