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教えることは学ぶこと

"Teaching is learning." 父が、いつも私に言っていた言葉です。私を、そして、寺子屋を、23年間を支えてきた言葉です。

私が寺子屋かめいを始めたのは28歳のときですが、16歳で交換留学生として初めてアメリカに渡り、「地域社会」の大切さを思い知り、父が営んでいた塾を継いで老若男女はもちろんのこと、いろんな国の人が集まり、学ぶ「コミュニティーセンターのような塾にしたい」と考えました。約10年で夢の第一歩を踏み出したことになります。

一方、私が「寺子屋かめい」を開くにあたって、自分の塾を信念をもって閉じた父と大激論、大喧嘩をしました。それでも、一番下の愛娘(笑)がしたいということを最終的に止められず、塾を開校してしまった娘に、父が伝えたのが、「教えることは学ぶこと」、子どもたちから学びなさいーだったのです。

それから、23年間ーころころと変わる国の教育政策に振り回される学校とそれに合わせて試行錯誤する塾とは、一線を画す形を模索しつづけていますが、このところ、父の言葉の意味を改めて考えることが増えています。

先日、生徒に「先生、ここは本当に塾ですか」と聞かれました。笑

彼らにとって「塾」とは、「進学塾」に代表されるような、テクニックを教えて成績を上げるために、作業のように勉強する場所なのでしょう。

私にとって「塾」とは、様々な人たちと交流して、知識と意識を高めて、人格を形成する学び舎。学ぶのは、生徒だけではなく「先生」と呼ばれる立場の人たちも含めて、そこに参加する人たち皆ー。

そのための環境が少しずつだけれど、作られつつあると感じながら、2023年度が始まっています。

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