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だし巻き卵

島食の寺子屋が始まって1か月が過ぎた。
校舎前の桜の花が葉桜に変わっている。
1日として同じ日はなく、少しずつ季節が変わっていくのを肌で感じた1か月でもあった。
そして、沢山の新しい経験をさせて頂きとても中身の濃い毎日を送っている。

まだまだ練習中ではあるが、最初の頃に比べると少しずつ大根の桂剥きや刻みができるようになってきたように思える。

生徒同士で自分の切る姿を撮影。そして、自分の状態を確認する。自分を客観的に見ることで自分の癖を知ることができ、実際にやる時にその点を改善するよう意識している。
1つずつ課題をクリアできるよう今後も練習を行う。

最近、鞍谷先生よりだし巻き卵を教えて頂いた。
自分で卵焼きを作ったこともあり、見本を見ながら自分が作っているイメージもできた。
今までと違う所は、"出汁"が入っただけ。

いざ、実戦。

出汁が入ったことにより、想像以上に卵が柔らかく箸で触ると崩れてしまう。なるべく卵を箸で触れずに返したいが、なかなか返らない。そうこうしているうちに、卵に火が入りすぎて出汁が出てきてしまった。焦った私は、巻き鍋だけで返さず箸の力も借りて返そうと試みた。しかし、卵は巻かれず散り散りに。だし巻き卵を作るはずが、スクランブルエッグになってしまった。

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鞍谷先生は軽やかにそして簡単そうに巻いていた。
やはり、すぐには難しい。
やる前はポイントをおさえていたつもりだったが、始まると目の前のことにしか気が回らずポイントすら意識できなかった。

巻き鍋の代わりにまな板、卵の代わりにタオルを使って巻く練習ができることを教えて頂いたので、帰って練習。

スクランブルエッグに見えるだし巻き卵だったが、出来上がってすぐに巻き簾で巻いたらなんとかそれらしい形になってくれた。
巻き簾の力に感謝した。

作ったものは賄いとして、みんなに食べて頂いた。
いつか、ちゃんとした"だし巻き卵"をお出し致します。

シェアハウスは大根生活からだし巻き生活に変わりそう。

(文:森塚)