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5月の雑談②(食で満たす話)

放課後の雑談①(魚を贈った話)に続く雑談。
前回よりも少し真面目に、食で人の心を満たしたいという雑談。

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恒光:
前回の武田・長谷川コンビの対談のときに、「人を喜ばせる」って話が出てきたんだけど、ふたりは同じように喜ばせたい気持ちがあるのかな?

三橋:
私の弟が仙台に住んでいて、離れているから食生活が乱れるんですよ、ひとりだし。そういうの心配だなって思っていて。そういう人って沢山いるなじゃいですか、大学生とか社会人の人も。

大げさだけど、食が乱れて精神的に満たされなかったりするのかなって。そういう人がご飯を食べられるような場所があったらいいなって、最近読んだ本で思いました。

前の職場でシングルマザーの人がいて、忙しくて小さい子供がいるけど、どうしても冷凍食品とか出来あいのものとかが多くて。心配というか、ちゃんとしたものを食べてほしいなって思いました。

恒光:
自分の中で「食」に満たされた感覚になることってある?

自分はこないだの田植えのときに食べたちらし寿司で。ちらし寿司はそんなに好きじゃないけど、たぶんだけどちょっと身体を動かしたというのもあるだろうし、目の前の田んぼでとれたお米っていうのもあっただろうし、安心感なのか。

何杯お代わりしても食べられて、満たされた感じはするけど、でもお腹はまだ空いているというか。そういうのが凄くいいなぁって。

味覚的な美味しいは日頃いっぱいあるけど、心の底から美味しいって感覚は稀かも。

三橋:
やっぱり作っている方の人柄とかがわかると、安心して食べられるっていうのはあるかもしれないです。

出野:
あーわかるなぁ、それ。

恒光:
寺子屋からかけ離れるエピソードになっちゃうけど。

サカナクションの山口一郎さんと、九谷焼の窯元さんとのインスタライブをこないだ見て。その中の話で、「良いものを揃える」っていうのが、物としていいものを選ぶのも大事だけど、自分の知っている誰々さんがこういうこだわりを持って作っているというもので、自分の身の回りのものを決めていく時代なのかなって話していた。

三橋:
ものを増やしたくない。というよりかは、大切なものを選びたい。
便利なものって、長く見ると不便だったりする。

恒光:
ネットでポチっと数百円で買えるものがあったりすると、思わずそっちで済ませてしまいそうになる。竹で箸を作ろうとしているけど、けっこう作るのに手間がかかったりするね。

三橋:
でも、結果的にそっちの方が楽な気がしていて。自然の中に捨てることができるし。

恒光:
また話がそれちゃって服の話になるんだけど。自分はぼろぼろになるまで服を着倒すタイプで。島に住んでいることだからできることかもしれないけど。

たまに実家に帰ったりすると、それが親からするとだらしなく見えるみたいで。物持ちがいいけど、だらしなくないってどうしたら良いんだろう。

島のイベントのシャツとかもらうことも多くて、断捨離ってことで捨ててもいいんだけど、捨てられないし。捨てられないからパジャマにするけど、パジャマにしても5・6年はもつ。で、だんだん増えていく。ものを大事にするとか、選択をしたくてもできないこともある。

三橋:
私だったら、ウエスにする。油とか拭いたりするもの。

あと、もらわないようにしています。もらわなくていいって思ったものは、もらわないようにしている。海外とか、そういうのが当たり前らしいです。プレゼントでもらったものでも返しちゃうらしいです。文化の違いもあるかもしれないですけど。

恒光:
お裾分けで大量にもらった食材とかも同じことなのかな。
食べられる量をはるかに超える分だけもらってきてしまって。

冷蔵庫にも入りきらない蕪を最終的に一度捨ててしまったよね。こういうことって、色んな場所でも起きていると思う。需要もあるけど、需要にぴったしのバランスを保てているとこなんてないんじゃないかな。

どうすればよかったのかな。

三橋:
粘って、調べるしかないんじゃないかなぁ。冷凍したり加工したり。蕪は時間があったら堆肥とかにしたかったですし。さっきの服の話じゃないですけど、最後まで何か活用できたらなとは思います。

出野:
私も山椒をとっている時に思うことがあって。やっぱり自分の手に負えるだけの量をとる。野菜を育てるにしても、そういうことを考えながら育てるとか。鯵も安いからってとりすぎちゃダメだろうし。大敷の網も簡単に漁獲量を調整はできないだろうし。

恒光:
魚に関しては、拾うか捨てるかの二択しかない気もする。拾ったらなんとかするチャンスがある。

話が変わるけど、地産地消の良さってなに?

三橋:
地産地消って昔の日本じゃないですか?

恒光:
そこがすごいひっかかる。みんな昔の日本は良いっていう。
昔の日本ならなんでもいいのかな?って。

三橋:
物流コストもないし、経済が地域で循環するから、良い循環が生まれるからかな?

あとは、旬のものがわかる。自分の土地でとれる旬。この島の旬と、わたしの地元の旬って全然違うかったから。こっちに来たらすごい早いなって。山菜が出るのも早かった。

恒光:
この島の例年に比べても山菜は早かったかも。

出野・三橋:
へー、そうなんですね。

恒光:
地域で経済循環が生まれるにしても、外貨が入らないと循環の規模が小さいと思っていて。観光客だけ動けばいいのかな?

三橋:
あんまり今までちゃんと考えたことがないですけど、観光客の方も地元の食材を食べられることは嬉しいことでしょうし。

うーん、地産地消を推す考えもあってもいいし、そうじゃない考え方もあっていい。過剰があるとバランスが崩れるというか。難しい。

食べることも過剰だったらダメでしょうし。

恒光:
食べることのマイルールとかあったりするの?

三橋:
「パン➡麺➡パン」にしないとか。パン食べたら、残り2食はごはんとか。

恒光:
そ、その心は?(笑)

三橋:
消化に悪いと思う(笑)

恒光:
食べるってことは大事にしている方?

三橋:
はい。結果として、それが体調に繋がると思うし。

恒光:
自分が料理を届けるときも、そういう食べる時に大事にしていることも届ける感じ?

三橋:
それは大切にするかもしれないですね。結局、食べている人にも健康になってほしい。自分が食べない方がいいって思っているものは出せないかも。

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(2021/6/1 収録@寺子屋校舎の放課後)