離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」

島根県の北、隠岐諸島のひとつ中ノ島(海士町)にある料理学校「島食の寺子屋」。 海へ山へ…

離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」

島根県の北、隠岐諸島のひとつ中ノ島(海士町)にある料理学校「島食の寺子屋」。 海へ山へ里へと、食材の現場に足を運び和食を学んでいく。四季を通じて学ぶ1年間コースに通う生徒たちの日記です。 【島食の寺子屋HP】https://washoku-terakoya.com/

マガジン

  • 離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」2024年度

    離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」1年間コース(2024年度生)の生徒たちによる日記。季節ごとに感じたことや、日々の料理の振り返りなど、食にまつわる記事をお届けします。

  • 島食の留学弁当 生徒インタビュー

    島食の寺子屋の生徒達が、講師の指導のもと自分でお品書きを組み立て、そして料理の仕上げまでやり切る企画。その季節ごと、つくる生徒ごとに、お弁当の特徴が出てきます。お弁当を作った生徒たちのインタビュー記事です。

  • 2023年度1年間コース 卒業生インタビュー

    島食の寺子屋「四季を通して学ぶ1年間コース」の2023年度卒業生のインタビュー記事。受入コーディネーターの恒光が聞き手となり、生徒たちの1年間で島食の寺子屋で感じたこと、島での暮らしで感じたことをまとめています。

  • 寺子屋を卒業して

    卒業生の岡村さんからのお便りコーナー。島食の寺子屋の現役生徒からも返事をする時があるかも。

  • 離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」2023年度

    離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」1年間コースの生徒たちによる日記。季節ごとに感じたことや、日々の料理の振り返りなど、食にまつわる記事をお届けします。

記事一覧

いちばんの夏

生徒が主体になって作りあげる、今年度初めての留学弁当。記念すべき第1回目を担当した。前例がない分、何を作っても献立の被りを気にしなくて大丈夫なところは良かったな…

言語化できないものは、作れない。

 山陰の夏は湿度がすごい。特に真夏のお風呂上がりは、尋常じゃないくらい蒸し暑い。汗だくになりながら、ドライヤーで髪を乾かす時間を少しでも短くしたい…と、一昨日美…

島での8月は、人生で一番夏を感じる事ができた。海に入り、お祭りに参加、盆踊りを踊り、出店をし、留学生弁当を作って大忙しの8月を過ごした。 海士町の海はいつみても綺…

8月「味わう」

いつの間にか暑さのピークを越し、短い夏が終わりを迎えようとしている。 【野菜作りの喜びを味わう】  「見て、鞘が膨らんだの。」  「実が大きくなっている!」  「…

幸せ

二〇二四年八月 夏といえば!みたいなことを全部できたと思う1ヶ月 今月も初めてがいっぱいで大好きになったものもまた増えた 最高に毎日楽しくて幸せで、終わらんといてほ…

葉月のいろは

◇成長の兆し 〜留学弁当〜  生徒だけでお品書き、仕入れ、仕込み、提供まで行う留学弁当。初めて自分たちだけでやってみた感想は、「島食でお弁当を完成させるのって大…

島食の寺子屋 2024:8月

・夏本番! 少し早めのお盆休みをもらい親戚の子供達と遊び大人たちと飲み楽しんで帰ってきた13日の夕方、こっちでは今度は盆踊り、寺子屋では具入りのだし巻き卵をお客さ…

myself :自分自身

寺子屋に入塾して半年近く経った。 考えられないくらい早く物事は進むし、たった1年じゃ料理人として胸を張れるようになるにはまだ程遠いものだなと今でさえ感じてしまう。…

ひとはこに。

夏といえば!のイベントが目白押しだった8月。 竹を切り割って、流しそうめん。防波堤での西瓜わり🍉 盆踊り。お祭りで出汁巻き玉子、お団子屋さんを出店したり。海水を汲…

島食の留学弁当(2024.8.23)

生徒たちだけでお品書きを考え、 仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度夏 島食の留学弁当の第3弾!今回のお弁当のお勧…

留学弁当(2024/8/8)

生徒たちだけでお品書きを考え、 仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度島食の留学弁当の第2弾!今回のお弁当のお勧めや…

2024年7月 島食の寺子屋

・7月前半戦 7月は3週目程まで離島キッチン海士、弁当、オードブルなど多くの注文が連日あり、前々日からの仕込みと当日の盛り付けや配膳を同時に進行しつつ時には朝5時か…

夏めく 

ー夏の到来 真っ青な海、照りつける日差し。海風が気持ちいい季節に。 今年は各島で本祭りが開催!コロナ明け久しぶりの開催も相まってより熱気にあふれているよう。 大敷…

全力!!

二〇二四年七月 もう七月のnoteを書いてることが変な感じ。 海士町は七月の後半に入ると梅雨が明けて、夏が始まった。 朝からすごい日差しで青空が広がっていて、雲の形が…

遍歴を積む

7月で印象的な出来事といったらやっぱり大敷の定置網漁船に乗せて貰って見た漁の仕方と生きた魚や大きさのインパクトが凄かった事です。 5月から毎日のように魚を仕入れに…

猪突猛進

7月は離島キッチン、弁当、オードブルと多くの予約を頂き、大忙しだった。3日前から仕込みを始め、当日の朝5時から仕上げて届ける。毎日クタクタになりながら、楽しくて…

いちばんの夏

生徒が主体になって作りあげる、今年度初めての留学弁当。記念すべき第1回目を担当した。前例がない分、何を作っても献立の被りを気にしなくて大丈夫なところは良かったなと思う。一方で、試行錯誤できるほどの時間的余裕があまり無かったので、お弁当箱にちゃんと綺麗に詰められるのか、理想が現実になる最後の盛り付けまで、かなりやきもきした。 献立は何にするのか、それぞれの料理に食材をどれくらい使用して、仕入れの量はどのくらいになるのか。魚の仕入れで、割と安定的に入っていたシマメを使った料理を

言語化できないものは、作れない。

 山陰の夏は湿度がすごい。特に真夏のお風呂上がりは、尋常じゃないくらい蒸し暑い。汗だくになりながら、ドライヤーで髪を乾かす時間を少しでも短くしたい…と、一昨日美容院へ行ってきた。  おじゃましたのは役場のすぐ近くにあるmame.さん。初めての訪問だったけれど、店主の井上さんは「寺子屋の生徒さんとおしゃべりするの、楽しいんだよね!」と、とても気さくにいろんな話を聞かせてくださった。以前、井上さんのお店には、美容師を目指しているという学生のお客さんや、専門学校を卒業してすぐのスタ

島での8月は、人生で一番夏を感じる事ができた。海に入り、お祭りに参加、盆踊りを踊り、出店をし、留学生弁当を作って大忙しの8月を過ごした。 海士町の海はいつみても綺麗な海で4月に来た段階から早く海に入りたいと思っていた。実際に海に潜るととても透き通っていて、沢山の魚が泳いでいた。神秘的だった。放課後、疲れなど関係なしに日没まで海に潜る。そんな生活を送っていた。8月で海に入れる期間はもう終わってしまう。残りわずか、海に入れる日は入りたい。 祭り8月中頃、海士町盆踊り、崎盆踊りが

8月「味わう」

いつの間にか暑さのピークを越し、短い夏が終わりを迎えようとしている。 【野菜作りの喜びを味わう】  「見て、鞘が膨らんだの。」  「実が大きくなっている!」  「ようやく色が付いてきたよ。」  「いつの間にかこんなにできてた!」  畑から聞こえるみんなの声。  一人一畝栽培する寺子屋の畑は、収穫の時を迎えた。  虫に養分を吸われてまだら模様のトマト  穴の開いたピーマン  くるんと曲がったシシトウ    どんな姿も愛おしい。収穫の喜び、採れたての新鮮な野菜を食べる喜

幸せ

二〇二四年八月 夏といえば!みたいなことを全部できたと思う1ヶ月 今月も初めてがいっぱいで大好きになったものもまた増えた 最高に毎日楽しくて幸せで、終わらんといてほしい 留学弁当 八月に入って初めて、自分たちで考えて、仕入れ仕込み完成までさせるお弁当を作った。 寺子屋に入塾して4ヶ月経って自分が今の時点でどんなことを考えれるのかできるようになってるのかがわかるお弁当でワクワクもしたけどお弁当になるのか不安やった。 2人で考えるところから始めて、こうゆう入れたい!とかこれ

葉月のいろは

◇成長の兆し 〜留学弁当〜  生徒だけでお品書き、仕入れ、仕込み、提供まで行う留学弁当。初めて自分たちだけでやってみた感想は、「島食でお弁当を完成させるのって大変...!」 その理由は食材が全ての出発点であること。例えば、 島唯一のお豆腐屋さんがお盆休みのためお豆腐を使えない。魚を仕入れている大敷も10日近くお休みで、お品書きが確定してなくても、ある程度の目処を立てて仕入れを行わなければいけない。旬の食材が限られている中、前の2回のお弁当と被らないお品書きを、というハードル

島食の寺子屋 2024:8月

・夏本番! 少し早めのお盆休みをもらい親戚の子供達と遊び大人たちと飲み楽しんで帰ってきた13日の夕方、こっちでは今度は盆踊り、寺子屋では具入りのだし巻き卵をお客さんの前で巻いたり、団子を売りました。自分は基本売り子をしていたが、普段なかなか会わない友人達も買いに来てくれたり、 巻くのを交代してもらったりしながら祭りを楽しみました。 次の日も今度は住んでる地区の盆踊りでだし巻き卵とゼリーや大福を売りひと段落かと思えば、次の日は竹を切りに行き6mぐらいにカットした竹を更に木の

myself :自分自身

寺子屋に入塾して半年近く経った。 考えられないくらい早く物事は進むし、たった1年じゃ料理人として胸を張れるようになるにはまだ程遠いものだなと今でさえ感じてしまう。ましてやこんな意識の低い自分みたいなのが。 だからこそ島食の寺子屋で良かったなと思う。 本格的な日本料理人という崇高な事は出来ないし自分には多分荷が重い。 ならば自分がしたい事、自身の強み、己の確立、アイデンティティを持ちたいと思うようになった。これが自分なりの食・料理に対する向き合い方でありエゴなのかなってのがこ

ひとはこに。

夏といえば!のイベントが目白押しだった8月。 竹を切り割って、流しそうめん。防波堤での西瓜わり🍉 盆踊り。お祭りで出汁巻き玉子、お団子屋さんを出店したり。海水を汲んで、塩づくり。休みがあれば海へ。 夏を満喫しながら、頭の片隅には「留学弁当、何作ろうかな?」と。 ー留学弁当の月 3人ずつに分かれ、自分達で1~10まで考え、料理し、思い思いの弁当を届けられる!挑戦の月でした。 3回目の留学弁当「注文したよ~楽しみにしているね。」との声も頂き。嬉しい反面、食べて下さる方の顔を

島食の留学弁当(2024.8.23)

生徒たちだけでお品書きを考え、 仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度夏 島食の留学弁当の第3弾!今回のお弁当のお勧めや、自分たちなりにチャレンジしたことなどを話してもらいました。 簡単に自己紹介をお願いします。 橋本: 鳥取県出身の橋本です。 以前は旅行業界に勤めていました。寺子屋に入塾した理由は、まず食材に一番近くて生産者に触れあいながら、料理を学べるというところと。崎の漁港とシェアハウスが近いという環境にも惹かれて来

留学弁当(2024/8/8)

生徒たちだけでお品書きを考え、 仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度島食の留学弁当の第2弾!今回のお弁当のお勧めや、自分たちなりにチャレンジしたことなどを話してもらいました。 簡単に自己紹介をお願いします。 小松: 小松です。静岡県出身です。 島食の寺子屋に来る前は小学校の先生をしていました。 ここに来たきっかけは、もともと農業が好きだったり、季節のもので手作りしたりするのが好きで、料理も大好きだったので、生産者と繋が

2024年7月 島食の寺子屋

・7月前半戦 7月は3週目程まで離島キッチン海士、弁当、オードブルなど多くの注文が連日あり、前々日からの仕込みと当日の盛り付けや配膳を同時に進行しつつ時には朝5時から盛り付け、夜の離島キッチンが終わる頃には10時を過ぎる事もありながら乗り越えた日はとても開放的でやり切った気持ち良さと疲れでよく眠ました笑 ただあれだけのメニューに予定、各レシピの切り方味付けを1人で指示して完成まで生徒を導けるのは並大抵の経験値じゃないなあと改めて感じました。 普段生徒の想定より遥かに短い時間を

夏めく 

ー夏の到来 真っ青な海、照りつける日差し。海風が気持ちいい季節に。 今年は各島で本祭りが開催!コロナ明け久しぶりの開催も相まってより熱気にあふれているよう。 大敷(崎漁港)では、島根の夏の風物詩のシイラ、白イカの水揚げがよく見られるように。 海遊びのシーズンが到来して嬉しい気持ちの半面、寺子屋のみんなともうこんなに時間が経ったんだなと。。 ふと感じる7月。 梅雨も明け、やっと土用干しができ◎ 塩分15%とすっぱめの梅干し。梅雨と山陰の湿気にも耐えてくれ、なんとかカビも生え

全力!!

二〇二四年七月 もう七月のnoteを書いてることが変な感じ。 海士町は七月の後半に入ると梅雨が明けて、夏が始まった。 朝からすごい日差しで青空が広がっていて、雲の形が夏の雲で、海がキラっキラに輝いていて、緑もすっごい綺麗で、蝉が鳴き始めて、毎日目に映る景色と聞こえてくる音が素敵すぎる。大好き 海開きもされたから、学校終わりでもお休みの日でもすぐに海に入りに行く。今までそんなに海が好きじゃなかったのに、綺麗すぎて入りたくなる。大阪で見た事ないこんなに綺麗な海。海もだいすきに

遍歴を積む

7月で印象的な出来事といったらやっぱり大敷の定置網漁船に乗せて貰って見た漁の仕方と生きた魚や大きさのインパクトが凄かった事です。 5月から毎日のように魚を仕入れに行って現地調達している気でいたけれど、とは言っても漁師さん達が捕らえてきてくれたのを買っているに過ぎないなと感じました。毎朝早くからこんな苦労があって魚の仕入れることが出来ているんだなと今までとは感じ方が変わりました。乗らせてもらえた日は海士へ来てからも見た事もないような大きさのカジキマグロや、6月の初めに見たマグロ

猪突猛進

7月は離島キッチン、弁当、オードブルと多くの予約を頂き、大忙しだった。3日前から仕込みを始め、当日の朝5時から仕上げて届ける。毎日クタクタになりながら、楽しくて仕方がない。これからもっと質を高めて、美味しい料理をお届けしたい。 学校給食を食べる機会があった。自分たちが捌いている魚が学校給食として調理されて、海士の小中学生が食べている。捌いている給食の魚について生徒に尋ねると、魚大好きと言っている生徒がいる一方、魚の骨が残っている時があると言っている生徒もいた。今の日本、特に