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第6章 レジ袋有料化から炭素税

レジ袋有料化は「従属への第一歩」

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レジ袋の原型を日本で初めて開発した中川製袋化工の中川兼一社長は、レジ袋有料化を次のように批判した。

 「レジ袋がどれだけ環境に負荷を与えているか検証したうえで、環境政策を進めてほしい。ペットボトルや使い捨ての弁当箱を規制した方が、よほど廃プラは減る。大企業の食品や飲料メーカーではなく、私たちのような弱小企業をターゲットにした。環境対策のスケープゴートにされた気がしてしようがない。環境省の職員も私にこう言いました。レジ袋は身近で国民にわかりやすいんですと

海洋プラスチックごみ問題を考えるきっかけとしてスタートしたレジ袋有料化は、国民に事実誤認を引き起こした失態を踏まえれば、間違いなく環境対策としては大失敗でありましたが、

統制派としては、環境のためなら「国民負担」、「政府官僚による市場経済への介入」は当然、という空気を蔓延させた、実績をあげた規制でありました。

循環社会の一役を担っていたレジ袋会社に、環境対策として無意味な規制(レジ袋有料化)を説明した環境省の職員が、
「レジ袋は身近で国民にわかりやすいんです」と説明した背後には、そうした政治的思惑がある。

まさにその統制派の思惑(国民負担、政府官僚による市場経済への介入)が露わになったのが、すべてのプラスチックを規制することなどを盛り込んだ、プラスチック新法案です。

小泉さんがプラスチック新法を説明する際、「レジ袋有料化の発展版」などとおっしゃったのは、レジ袋有料化により、「エコのためなら国民生活を規制するのは当然」とする空気がもうできたと認識していたからです。

レジ袋有料化は省令によって運営されていましたが、このプラスチック新法はレベルアップして、法律による規制です。

レジ袋有料化からの経緯をみれば、まるでステップアップするかのように、国民生活への規制が進められています。

こうしてみれば、レジ袋有料化は、環境問題への第一歩と銘打ってはじまった規制ですが、同時に、政府官僚による国民生活への介入の入り口を意味した規制であったことがわかるかと思います。

プレゼンテーション3おk:p、p

これまで前例のなかった、環境を理由にした国民生活への規制、干渉。統制経済への一歩であるレジ袋有料化、国民に不評のプラスチック新法に乗じて統制派は、さらなる規制を計画しています。
それが炭素税です。

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は原田泰『日本国の原則』日本経済新聞、2007年。

新たな増税、炭素税(カーボンプライシング)

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最近「カーボンプライシング」なる単語を報道なんかで聞いたことはないでしょうか?

統制派はこの横文字「カーボンプライシング」を多用されてますが、日本語で炭素税増税のことです。

炭素税とは、温室効果ガス排出量に応じた課税のこと意味します。これは日本国民の必需品である、車やバイクといったガソリン車、「日本の電気の8割以上を担う」火力発電に、環境保全の名目でドンドン課税していくものです。

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日本原子力文化財団/原子力・エネルギー図面集
出典:電力需要に対応した電源構成

驚きますよね。
なんと統制派は、この不況下において増税に向けて動いているんです。

「カーボンプライシング」とわかりにくいカタカナ英語にすり替えているのは、コロナ禍における増税批判を避けたいためだと考えられます。

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そして炭素税の対象は、入湯税といった鉱泉浴場で入浴したときに課されるような限定的な話で収まるレベルでなく、

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下の図のように、企業から家庭にまで排出量に応じてコストを負担してもらう仕組みなんです。
つまり広域範囲に影響を与える増税です。

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炭素税をレジ袋有料化の延長線上で説明させていただいたのは、エコを名目に国民への規制の一環としてはじまったレジ袋有料化の後身こそ、炭素税だからです。

は原田泰『日本国の原則』日本経済新聞、2007年。

レジ袋有料化から炭素税へ

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レジ袋有料化と炭素税。2つの環境規制は親和性が高い。
それを裏付けるように、原田さんを含め統制派がレジ袋有料化と同様、"罰金"によるエコ規制炭素税を強く推進し、

遡れば小池さんがレジ袋と環境税の創設について積極的だった。

小池国務大臣 環境大臣及び地球環境問題担当大臣の小池でございます。
 環境税については、平成二十年から京都議定書の第一約束期間が始まることを踏まえ、既存の税制との関係などに考慮を払いながら早急に検討してまいります。
 我が国の経済社会は、膨大な量のエネルギーと天然資源の投入によって成り立っており、脱温暖化社会の構築と並んで循環型社会の構築が課題となっています。
 リデュース、リユース、リサイクルのいわゆるスリーRの取り組みの推進については、レジ袋の削減策などを盛り込んだ容器包装リサイクル法の改正案を今国会に提出したいと考えております。私は、レジ袋や紙袋にかわるものとして、日本の伝統文化であるふろしきが循環型社会を考えるきっかけになると考えています。もったいないふろしき、もったいないバッグの利用など、国民運動を展開してまいります。
第164回国会 環境委員会 第3号(平成18年2月17日(金曜日))

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有識者の中には、炭素税のためのアリバイ作りとしてレジ袋有料化が行われたと、警鐘を鳴らされていたが、見当違いな指摘ではない。


レジ袋有料化・炭素税の双方は、環境に悪影響だからという理由で、国民に"罰金"を課したり、国民生活に対して規制したり、その環境規制を選挙にて公約として掲げてない点と似たところがあります。

レジ袋


小泉さんは、先ほども紹介したレジ袋有料化の成功を発表した「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」表彰式の翌日に、産業界の否定的な意見やコロナ感染拡大の影響もあって開催が延期されていた、「カーボンプライシング」導入議論の再開を発表。

レジ袋辞退率の”成功”でもってして、炭素税議論に拍車をかけたい統制派の思惑かと思われた。

しかし記者会見によれば「カーボンプライシング」導入を検討する議論再開は、「令和3年度税制改正大綱」がきっかけだと考えるのが妥当です。

 今日は、最後に3点目、カーボンプライシングについて触れたいと思います。昨日、与党税制改正大綱が決定されました。その第1章に、「経済と環境の好循環の実現」として2050年カーボンニュートラル、グリーン社会の実現のため、幅広い施策を横断的に実施することとされました。党の税調においても脱炭素社会の実現が喫緊の課題であることを認識していただいたということでありますから、大変意義のあることだと思います。また、焦点の一つとなっていた車体課税についても、環境省が要望してきた対象車種の重点化がなされて、グリーン化が前進したと認識しています。環境省としては脱炭素社会への移行を進め、「経済と環境の好循環」を生み出していくドライバーとして、カーボンプライシングを有力な政策ツールの一つと考えていて、かねてから中央環境審議会でカーボンプライシングの検討を進めてきましたが、年が明けたらこの検討を再開したい、そう考えています。
...成長戦略の柱として2050年カーボンニュートラル実現を進めていく上でも、しっかりと議論していきたいと思います。
小泉大臣記者会見録   令和2年12月11日(金)

時系列にレジ袋有料化が炭素税への足掛かりとされているような印象が頭によぎっただけですので、間違いだと思われますがここに一応残しておきます。

(間違いがございましたら、資料と共にご連絡ください。文書校正もご教授お願いいたします。m(_ _)m)

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今回のnote画像(GIF)デザインにいくつか質問がございましたので、ココナラを開設しました。
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