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心は、思ったより重い

消費者マインドを内省化する子どもたち

今、就労支援相談の他にも色々な仕事してるんですが、その中でも力入れてるのが「いこっと」という大阪府豊中市「子どもの居場所ポータルサイト」です。

子どもの居場所というのはわいわゆる子ども食堂の他、学習支援、気軽に遊びにいける場所のことで、「いこっと」ではそんな居場所を取材して記事を書く、ということをしてます。

とある居場所では、子どもたちがきて学習するんですけど、【みんなで遊ぶ1日】を作ったり、小学校から高校生までの多世代交流を大事にされていました。

ただ、以前は子どもたちが別々に過ごすことが多かったそうなんです。

「以前の子たちと様子が全然違う」らしいです。昔と違って子どもと向き合うことが大変と話されていて。

他で子どもが泣いていても【我関せず】だったり、机の上を走る、スタッフさんを「おい、お前!」と呼びつける、などなど。ちょっと変わってきてるな、という話だったんです。で、若者支援に照らしてみると、同じく「個」というか「疎」な傾向が強まってる。

もう少し言葉にするとしたら

「自分自身の変容を決して許さず、自分の範囲内でコミュニケーションする」

という感じなんです。相手に自分をアジャストしていくことができない。

いい・悪いとかじゃなく、そういうふうに育ちやすい環境があって、今20代の子たちでもそうなので、さらに傾向は強まってるんだろうと想像しています。

取材した居場所がすごかったのが、たとえば「おい、お前!」と言われた時に、「そんなん言ったらあかんよー」なんて軽く流さないことで。がっとホールドして、「自分は名前で呼ばれないと嫌な気持ちになるよ」「自分が同じ気持ちならどう思う?」と、声をかけ続けてはるんです。

今の時代、何もかもがサービスとして提供されめいて「もう、いいや」と思ったらフェードアウトできます。そこには【消費者マインド】があります。

すぐに関係を断ち切れるといういい面もあれば、そこで「自分が変わらない、変えた経験が得られない」という欠点があるように思います。

そこを補うように、必死に声をかける。子どもの気持ちに向き合い続けるって、想像しただけで大変なんですけど、先の子どもたちはそのうちにスタッフを名前で呼んでくれるようになったり、他の子どもたちにも言われたことを伝え始めたそうです。

心は、重い

突然ですが【25g】って映画があるの知ってますか?人が死んだ瞬間に25g軽くなる、なので心にも重さがあるんじゃないかっていう逸話から来てるんですけど。

僕の想像では、心って25gどころじゃなく、200キロくらいあるイメージなんです笑 たしかに変わる。変わるけど、動き出すまでにものすごいパワーと時間が必要なんです。

大人だったり、ビジネスの世界のスピードに心は置いてけぼりにされるんです。

心は動いてないけど、早急に要求されると子どもたちは「変わったフリ」をします。そうすると、自己が分離して、自分が何ものかわからなくなってしまいます。

変わるには、長く関わり続ける必要がある。慣性の法則って、質量が多いほど止まりにくい(電車で急ブレーキかかったときに、前につんのめってしまう原理と同じです)動かすのに無茶苦茶パワーがいる。

僕は心をそんなふうに捉えています。

子どもの時に周りから受けた言葉と、それによる慣性が【自己肯定感】の正体なんだろうと思います。

「あ、こいつはもう変わらんわ」ってすぐに諦めてませんか、大人のスピードに、無理やり合わせていませんか?

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