音楽の未来は来年に。

コロナによってはっきりと炙りだされた日本の音楽産業の弱点。何年も前から指摘されていた構造改革の遅れが、コロナというエイリアンによって一般にバクロされたのが今年である。
今年のヒット曲(この言葉の響きさえ古臭い)は、ほぼYouTubeが関係しているもの、若しくはアニメに関わるもの、が殆どだ。
つまり、従来のレコードメーカーや芸能プロダクションが作り出すヒットの定型ではもう時代にはついていけない事を証明したのが、2020年である。

音楽とは対面ビジネスである、といわれ、ライブの出来なかった不運を嘆き、音楽の退行を叫ぶ音楽関係者が沢山いる。一理ある。仕事を失った関係者は沢山いる。悲しいことだ。
が、そもそも音楽とは、コミュニケーションの発展したものである。伝えたい何か、があれば、それは対面であろうが、間接であろうが、関係なく伝わる。それが人間の歴史である。

印刷技術が生まれたとき、人間の記憶の退化を悲観する人々がいたときく。
人類はこの変化と戦ってきた。音楽も、何の為に生まれたのか、を考えるとさまざまな発想にたどり着く。
アナログ、デジタル、ライブ、クラブ、など音楽を伝える媒体はことかかない。
つまり、音楽は絶えることはない。
伝えたい主体があり、受け取りたいという主体のディープな関係性は人間が心を持つ限り変わらない。

音楽はこうあるべきだ、という観念をすて、アーティストは表現する時代なのだ。

硬直した形態やロジックは捨てて、軽快に音楽を伝える、それが音楽産業を再生するキーである。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?