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住野よるさん『か「」く「」し「」ご「」と「』を読んで

あー、こりゃまたベタベタなものを読んでしまった。
こういう系、好きだから。
青春恋愛小説でしか接種できない栄養がある。

5人のクラスメイトの高校生活が物語。
その中の1人の男子『京くん』の恋愛模様が、様々な視点から描かれている。
それぞれの"かくしごと"とされている人の気持ちを見ることができる超能力が話を盛り上げる仕掛けですが・・・。

私はこの登場人物たちの能力は、『勘』と似ていると思いました。
私達は誰かの雰囲気、視線、表情からたくさんの情報を受け取っています。
そしてそれらの情報をもとに相手の気持ちを察することがある程度可能です。
その察する力って『勘』ですよね。

もし、『勘』ってものが可視化されたら?
それはおもしろくもあるし、つまらなくもある。
見えない方がおもしろいことだってたくさんある。

見えてるものだけを100%信じるなんてしているとよくない。
見えているものだけに頼るのもよくない。
これは登場人物たちみんなが気付いている。
能力で分かった情報だけで裏工作しようとしても失敗。
結局大事なのは対話だよねって。

この小説の主なターゲットは中高生だろうから、
その子たちに警告としてそれを伝えてもらえるのは良いことだ。

というお堅い話は考えて思ったこと。
ここからは感じて思ったこと。
5人に対して2行ずつコメントする。

三木ちゃん可愛いよね。
読めば読むほど好きになる。

京くんは三木さんへの「憧れ」が恋愛感情になっているよね。
早く「憧れ」なんて捨てて、信頼で結ばれる関係になってほしいよ。

ヅカは最初から最後までクール気取ってたよね。
君みたいな友達、好きなタイプだよ。

パラはごめんね。中高生の私に君のすばらしさは気付けないよ。
大学生時代以降の私なら君のよさと苦しみが分かったんだけどね。

宮里さんはたぶんね、自分に向かう矢印は一生見えないと思うよ。
見えないものを信じる勇気が身に付いたら最強だね。

ははっ。

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