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日本のバレーボールを変えるのは「アンダーカテゴリ」が鍵

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日本のバレーボールが世界の中で再び輝くとき。代表チームがメダルを獲る、国内リーグが世界レベルをけん引する。そうなるためには、トップカテゴリの育成強化任せではなく、最も重要なのは小… もっと読む
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#TETSUミーティング

#実戦レポート~育成年代リアルに何をするか(スタートアップの3か月)

(写真FIVB)  2022年の上半期は、コロナの第7波が落ち着いたととともに、スポーツ活動でも制限が緩和されてきており、今年の夏には、高校バレーはインターハイ、中学バレーは全中(全国中体連)、小学バレーも全日本大会があったりと、日本のバレーボールのアンダーカテゴリーそれぞれにも勝ち上がったチームによる大きな大会があり注目されました。そして秋は国体(国民体育大会)や春の高校バレーの都道府県予選が行われました。 「どこから手を付けたらいいかわからない」という声を聞いて 一方

「教える」「指導する」「してあげる」という概念を一度手放してみればいい件について

 今年はまだ、日本国内はコロナウイルス感染症の拡大が止まらない情勢下でありますが、それまであった様々な制約や行動制限による縛りはさほどなく、日本国内のバレーボールの各種大会も実施されています。2~3年越しの”ようやく”という思いの方も多いのではないでしょうか。どの種目でも、この夏、各種「全国大会」にも熱い視線が注がれていました。バレーボールでも、(小学バレー)全日本バレーボール小学生大会、(中学バレー)全日本中学校バレーボール選手権大会「全中」、(高校バレー)全国高等学校総合

(バレーボール学会)バレーボールの⼀貫指導実現のための階層構造の検討

 2022年3月に行われた 日本バレーボール学会 第27回大会 で発表する機会を得ましたので、その発表内容をブログでシェアいたします。  私自身としましては、2018年3月に行われた、バレーボール学会第23回大会で発表させて以来の発表の機会となりました。 (前回の発表内容にも関係するのでリンクです↓)  4年前の実践・発表の内容の取組の基盤を再検証える考察となっています。   日本のバレーボールでは、なぜ技術指導の内容が何十年も変わらないのか。代表チームを筆頭に、世界のバ

誰の「思い通りになる」ためにやるんだろうか?(大人ではない)

(写真FIVB) ・みんなが ・楽しむ ・主体的に ・(大人は)怒らない ・試行錯誤の経験 ・失敗を恐れず ・オールラウンドなスキル習得 ・身体の成長と健康の保障(休養含) ・観察の大切さ  ここ数年で、日本のスポーツ指導についても、こういったことをみなさん、多くの人が大事で必要だと言ってくれるようになってきました。  しかし、日本のバレーボールの指導現場では未だに、「やる気あるのか?」、「だから勝てねーんだ」などといった高圧的な指導が多く見受けられています。なぜでしょ

春高バレー2022で見えてきたこと~次はいよいよ本丸へ

 高校生バレーボールの最高峰の大会にもなっている「春の高校バレー」。かつては3月に開催されていたことから、こうよばれていたこの大会も、1月開催になってから10年以上が経ちました。  昨年に続き、今年もコロナ禍にあって、開催や運営にも不安がある中での春の高校バレーでした.。きっと日本全国の高校生バレーボーラーも、例年とは比較にならないくらいの調整の難しさ、練習やトレーニングが十分にできなかったことなどからくる緊迫感や重圧があったのではないでしょうか。しかし、今年は特に、男子バ

バレーボール草の根だけど学びとアップデートを願って(2021MTGしてみて)

 世の中がコロナ禍という状況になってから、私たちのライフスタイルや価値観も変わってきたところがあります。その中の一つに生活とオンライン化があるわけですが、ビデオ通話や音声SNSの普及はその最たるものではないでしょうか?  そこで私たちバレーボールを見守る有志でも、オンラインによる交流や学び合いの場をやってみようということで、オンラインサロン的ミーティングをはじめてみたのです。  その活動がちょうど1周年を迎えましたので、その振り返りを記録に残しておきたいと思います。  毎月

ポスト五輪・ポストコロナ~アンダーカテゴリー「育成のエアーポケット」

(写真FIVB)   2021年、令和3年師走。  今年も年末を迎えました。日本のバレーボール界もいろんなあ動きがあったと思います。  まずは何といってもオリンピック、「東京オリンピック2020」です。日本代表男子バレーの進化、フランス男子代表やアルゼンチン男子代表など新しい力の台頭と機能的戦術バレーへの進化。ビーチバレーボールやシッティングバレーボールの盛り上がり。そしてそこから日本の国内リーグ「V.LEAGUE」での選手の活躍への注目度・・・。いい刺激がたくさんありまし

質の良い刺激、質の良い対話

(写真FIVB)  問われるコーチング力、問われるコーチの資質 (公財)全国高体連バレーボール専門部から、今年、2021年10月7日付で、「高等学校バレーボールの適切な指導の在り方について」という文書が、高校バレーの部活顧問、コーチ、スタッフ向けに出されています。  内容は、高校バレーに限らず、日本のバレーボール界、とりわけ高校以下の小学バレー、中学バレーのカテゴリでも重要なものなので、みなさんとシェアしたいです。内容がとても具体的で、みんなで起こっている事象を評価するのに

東京五輪日本女子バレーを見ていて再度考えさせられる、「何ができるか」(長文失礼します)

(写真FIVB)  東京オリンピック2020、バレーボール日本女子代表チームの戦いが終わりました。結果は、予選ラウンドの戦績を1勝4敗(A組5位)とし、決勝トーナメントへの進出はならず予選ラウンド敗退で大会を終了しました。  今大会を迎えるにあたっては、自国開催の重圧、コロナ禍における調整の難しさだけでなく、大会自体の延期、選手の引退や故障による離脱、それらに伴うチーム編成戦略とプランニングなど・・・様々な障害や困難があったと思います。また世界からも評価されている、古賀選手

倍返しだ!スカッとジャパン!~男子バレー日本VSカナダ戦(東京2020オリンピック)

 東京オリンピック2020、バレーボール男子のDAY2、日本男子代表の2戦目はカナダ戦でした。  初戦ベネズエラ戦を29年ぶりの五輪一勝に続き、今大会日本代表が予選を突破するためには、2戦目のカナダ戦も「絶対負けられない戦い」となりました。 試合結果 日本 vs カナダ  3-1 (25-23, 23-25 25-23, 25-20)  日本の男子バレーのブレイクスルーしたあとの成長曲線というべきか、生みの苦しみを乗り越えた後のセカンドウィンドというべきか・・・。  第

シンガポールでバレーボール(2017)

2017年12月末。北海道ヤングクラブ連盟の国際交流事業として、北海道内のヤングクラブ選手の中学生たちとシンガポールに行く機会を得ました。シンガポールには長年バレーボールの国際交流に尽力されている、成田明彦先生がいらっしゃって、今回の国際交流が実現しました。成田先生はシンガポールでバレーボールの普及と指導にあたっておられました。  こうして、日本を出て、海外のバレーボールの風を直に感じる機会を得ました。ナショナルチームクラスの試合は、むしろ日本でも国際大会が開かれることもあ

ポーランド・バレーボール滞在記2020

 2020年2月。とある友人との出会いから、勢いで、バレーボールを観るために数日間ポーランドに飛び込んでみました。 なぜ、ポーランドに行ってみようと思い立ったのか? 私の課題、テーマは、「育成」やその「システム」において、日本にはないものがポーランドにあるかもしれないということ。そしてもう一つは、ともすると、日本のバレーボールの低迷の中にあって、何でもかんでも日本はダメ、海外が素晴らしいという偏った見方ではない、日本のバレーボール界がもつ、潜在的な可能性や良さを見出せないか

もしもゼロからチームをつくってみたら(2年半の総括)

バレーボールにおけるアンダーカテゴリの「育成」を目指し  2017年も終わりまでカウントダウンとなってきました。みなさんの今年のバレーボールは充実していたでしょうか?私にとっての今年、この1年は、新しいチャレンジのまとめの年となりました。中学生の子たちを集めて、チームを立ち上げ、練習環境もゼロ、子どもたちのバレー経験もゼロ、バレー用具もゼロ、先輩ゼロから始めた子たちが、中学3年生を迎え活動に一区切りをつける年でした。    この2年半チャレンジしようと思ったことは、近年世の中

(バレーボール学会)育成世代におけるこれからのあるべき指導考察

2018年3月に行われた 日本バレーボール学会 第23回大会 で発表する機会を得ましたので、その発表をブログでシェアいたします。 カテゴリで分断された短期選抜強化の当たり前を打破する試み  このブログ記事の中に、  もしもゼロからチームをつくってみたら(2年半の総括)  という記事があります。 これは、バレーボール部がない学校に新規で部活動を立ち上げ、その始動にあたっては、従来の指導方法や育成プログラムではない、アップデートされたバレーボールの技術指導やコーチングに関わ