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膝関節の痛みと動きの関係性について

日頃の臨床やスポーツ現場での活動において、膝関節の痛みに悩む人へのアプローチをする機会は非常に多いと思います。

中高年の方であれば、変形性膝関節症。

若年層であれば、膝関節周りの靭帯損傷(前十字靭帯や内側側副靱帯、膝蓋靭帯など)や半月板損傷。

さらに若い世代では、オスグッドなどの成長痛と幅広い世代で膝関節の痛みを抱えている人がいると思います。

そういった中で私たちセラピストやトレーナーは、このような方々の悩みをいかに早く解決させることができるか、また、悩まされないように予防に着目してアプローチできるかが大切なことになってくると考えています。

『リハビリした後は調子いいんだけどね…。』

よく患者さんを悩ませるような主訴のひとつにこのような訴えがあると私は感じています。

『先生とリハビリした後はよくなるけど、2・3日で戻っちゃうのよね。』

股関節疾患 (1)

言われて嬉しいようで寂しい言葉ですよね。

これではなかなかリハビリを前に進めることができません。

特に外来でのリハビリに関しては、週に1〜2日で1日20分多くても40分とリハビリの回数は非常に少ないです。

そういった状況下で、患者さんの症状改善をサポートするためには少しでも多くの原因因子を取り除いた状態にしなければ、上記のような訴えをされてしまいます。

そのようなことを回避するためには、患部への負担(メカニカルストレス)がどのようにかかっているのかを把握して、それに適したアプローチを適宜行なっていくことが必要だと私は考えています。

では、そのためにはどういったことを治療の中で行なっていく必要があるのか。

まずは動きを診よう

ACL損傷などは、瞬間的に強い外力が膝関節にかかることで受傷しますが、膝蓋腱炎やオスグッド、鵞足炎などは繰り返しの過度なメカニカルストレスによって引き起こされることが多いと感じています。

これらの痛みに悩む患者さんへの介入中に受傷機転を伺っても

『気づいたら痛みが出ていた。』
『ぶつけたり、ひねったりしていないけど痛みが出てきた。』

と明確なエピソードを聞けないことが多い印象です。

なぜ、明確なエピソードが聞けないのか。
なぜ、気がついたら痛みが出現しているのか。

その1つ原因として

《普段の何気ない動きで患部へ過度なストレスが生じているからでは?》

と考えてみるのはどうでしょうか。

これに関しては膝関節のみならずですが、身体のどこかに痛みを抱える人は、基本的な動きの中でも理想的な姿勢を保つことができていないことが多々あります。

実際に、臨床で膝の痛みに悩まされている多くの患者さんの動きを見ていると大半のケースで基本動作で姿勢が崩れ、それが膝関節への負担を強調していることが見受けられます。

そのため、局所の病態だけでなく普段の何気ない姿勢や身体の動かし方なども評価して、目の前の患者さんが抱えている痛みと関係性がないか確認しておく必要があると考えています。

このあとからは、基本動作の崩れが膝関節への痛みを誘発する仕組みや動作を評価して行く上での着眼点についてお話しさせていただきます!

身体の動かし方によって膝関節に痛みを誘発する仕組み

ここからは、膝関節における痛みの原因を前面部、内側部、外側部と大きく分けて部位別に整理していきたいと思います。

◼️膝関節前面部痛(オスグッド・膝蓋腱炎など)

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