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股関節は鍛えてほぐす!

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サッカーと股関節痛

以前にサッカー選手の多くが悩まされるグローインペイン症候群について様々な研究論文からその概要ついてまとめ配信させていただきました。

それをもとに

【サッカー選手と股関節痛の関係性】
【セルフチェックから予防・パフォーマンスアップに必要なトレーニング】

をについてまとめました。

特に【股関節の可動性】はキック動作時の股関節痛やボールの質などパフォーマンスの部分に大きく影響を与えるため【ストレッチ】を中心とした股関節周りのトレーニングをご紹介いたしました。

しかしながら、現場ではこのような訴えを聞くことが多々あります。

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そう感じていらっしゃる選手やそういうことを言われた指導者の方も多いのではないでしょうか?

ストレッチしているのに…

ストレッチを一生懸命しているのに詰まる感じや硬さがとれないと悩む方は非常に多いです。

その原因の1つに股関節のハマり(噛み合わせ)の問題が考えられます。

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股関節は骨盤のソケット(お皿)と球体の太ももの骨(大腿骨頭)から構成されています。

このソケットと球体のお互いの中心が一致している状態が怪我をせず、最大限に股関節の機能を発揮できる状態です。

股関節に限らずですが、人体の関節にはそれぞれ適切に動くための軸と軌道が確保されています。

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しかし、股関節周囲の筋肉の柔軟性低下や筋力低下によって、このお互いの中心がズレてしまうと球体の動く軌道ごとズレてしまうため、股関節周りの痛みや可動域制限などさまざまな症状につながります。

そのため、一向に良くならない股関節の違和感や可動域制限は、このハマりの悪さが原因であることが多いのです。

したがって今回は、ストレッチしても良くならない股関節の可動性について股関節本来の機能を整理しながら、可動性改善に必要なトレーニングについてお話ししたいと思います!!


名脇役!関節のハマりを保つ筋肉たち!

関節の噛み合わせは、普段どのようにいい状態に保たれているのでしょうか。

基本的に股関節のハマりは【大腿骨頭が骨盤に引きつけられることによって】常にいい状態を維持することが可能となります。

この大腿骨頭を骨盤に引き付けるような作用を持っている筋肉は、以下のように報告されています。

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ここで紹介されたこの筋肉たちは、非常に小さくより骨に近い深層に存在するため、あまり表舞台に立つような活躍をしません。

皆さんも初めて耳にするような筋肉があったかと思います。

いわば、名脇役(バイプレイヤー)といったところでしょうか!

これらの筋肉の陰ながらの活躍があるおかけで股関節のハマりはいい状態を維持され、最大限に動かすことができるようになります。

しかしながら、この筋肉たちは普段の姿勢などの影響で硬くなりやすく、弱体化しやすい筋肉でもあるという弱点も持っているのです。

この弱点が露呈することでハマりが悪くなり、股関節の動きが著しく制限されてしまいます。

そのため、これらの筋肉を常にいい状態に保つためのトレーニングが必要となります!

股関節はほぐすだけでなく鍛えろ!

ここまで、ハマりを保つことの重要性をお伝えしていきました。

前述したように、噛み合わせを保つことで関節の可動性は大きく変わっていきます。

したがって、ここからは関節の噛み合わせを保つ、あるいは良くしていくトレーニングをお伝えしていきます!

以前のnoteでもご紹介しましたが、噛み合わせの状態を確認する方法はこちらになります。

ぐっと膝を抱えた際に、付け根の前に【詰まる感じ・痛み】がある場合は噛み合わせが保たれていない状態と判断します。

なので、常にこのチェックを行いながら股関節が最大限に動きやすい環境を整えられるようトレーニングを行なっていきましょう!

❶クラムシェル

このトレーニングでは、いわゆる股関節外旋筋群と呼ばれる筋肉たちを鍛えるトレーニングになります。

この外旋筋群(特に内外閉鎖筋)は、股関節の後ろ側を補強する関節包とよばれる膜にくっつきます。

この筋肉が十二分に働くことで、関節包を経由して間接的にハマりを良くするように作用してくれます!

❷腸腰筋トレーニング

股関節外旋筋群が後ろからハマりこみをよくする作用があるのであれば、この腸腰筋は、前方からハマりこみをよく作用があります。

腸腰筋の活動を研究した論文では、腸腰筋の活動を減じたシミュレーションにおいて股関節を曲げる際に前方への負担が増大したことから、この腸腰筋が股関節における前方の安定化作用があると考えられています。

❸小殿筋トレーニング

この筋肉は、あまり聞き慣れない筋肉かと思います。(中殿筋とはまた違う筋肉になります。)

この筋肉は、足を外に開いたり軸足で支える際に強く働く筋肉です。

それ以外にも、この筋肉の存在している場所を考慮すると、骨頭を骨盤に押し付けるような作用もあると考えられています。

股関節の痛みや腰痛に悩まされている選手や患者さんはこの筋肉が弱くなっていることが多いと感じます。

❹内転筋トレーニング

小殿筋同様に、筋肉の存在する場所を考慮すると関節のハマりを良くするために働く筋肉がもう1つあります。

それが内転筋です。

この筋肉は、大腿骨に沿うようにして存在しているため、骨頭を骨盤へ引き付ける作用があると考えられ、ハマりこみをよくするために重要な筋肉でもあります。

内転筋は、太ももの内側にあり足を閉じるために働く筋肉ですので、足を閉じるように動かすことで鍛えることができます。

さらに鍛えたい場合は、肩幅以上に足を広げた状態でのスクワットしながら体をひねるような動きが有効であると考えられています。

まとめ

今回は、股関節の痛みやキック動作のパフォーマンスに大きく影響を与える股関節の可動性に対するトレーニング方法についてお話しさせていただきました。

『股関節の可動域がずっとよくならない』

と悩まれている選手や指導者の方って本当に多いと思います。

その問題に対して闇雲にストレッチをするだけでなく、ちょっと視点を変えてトレーニングするだけでも体は大きく変化してくれます。

このnoteを通じてみなさんの体のコンディションが少しでも変化してくれれば幸いです。

★☆ライタープロフィール☆★

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