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ふサッカーではゲーム形式の練習や試合中に相手の膝が太ももに入り、痛めることがありませんか?

モモカンは打撲だから大した怪我ではない。』と監督・コーチや選手自身も軽視することが多いと思います。

多くの場合、痛みを我慢してプレイすることは可能です。

しかし、重症なモモカンの場合はプレイを継続してしまうと膝の曲がる角度の制限や痛みが長く続くことがあります。

原因の1つとして骨化性筋炎があげられ、怪我をした部分に骨化が起こり痛みを引き起こします。

このような症状が出てしまうと回復が遅れたり、長期的なリハビリが必要になるケースがあります。

正しい対処方法を知っているだけで回復の期間が早くなります。
今回は太もも前面を痛めた場合の、重症度の見分け方と対処方法を紹介していきます。

1.重症度

重症度を見分ける方法を2つ紹介していきます。

①太もも周りの太さ
重症なほど出血が多くなり、腫れが増します。
怪我をしていない脚と比較すると、どれくらい腫れているのかわかりやすいです。

大腿周径

②膝の角度
太もも前の筋を痛めると、伸ばされることで痛みが出て膝の曲がる角度が制限されます。

下向きに寝て、選手自身に膝を曲げてもらい、膝の曲がる角度で重症度をみていきます。

膝を曲げるときにお尻が浮いたり、膝が外を向くような動きが見られると正確な角度が見れないので注意してください。

画像2

90°以上曲げられない場合はその日の練習・試合には参加せず、アイシングを行い安静にします。

90°以上曲げられた選手も数時間後に腫れや痛みが出ることがあるので練習・試合後にかならずアイシングを行いましょう。

2.受傷後の対応方法

①受傷直後
重症度が高いものほど出血がすぐに起こると言われているため、先ほど紹介した測定方法を参考にしながらプレイの継続を判断します。

90°以上曲げられないときはプレイを中断して、アイシングを行います。
膝をできるだけ曲げた状態で、痛みが強く出ないかを確認しながら15〜20分アイシングをします。

連続で行う場合は、1〜2時間は間隔をあけてから行いましょう。

アイシング

②練習後・試合後
痛みがなくても、数時間後に腫れが出てくるケースもあるので必ずアイシングはします。

腫れが続くことで受傷後5〜6時間後に痛みの増悪、痺れなどの症状が見られることがあります。
この症状が見られたら、コンパートメント症候群の可能性が高いです。

対応が遅れると麻痺が出たり、最悪の場合は切断することもあるのですぐに病院に受診してください。

③受傷1〜3日後
軽症な場合でも受傷後3日までは、出血が続いて腫れが引かないといわれているため、マッサージなど怪我をした部分に直接刺激を与えないようにします。

マッサージをすることで腫れが広がり痛みが増すことがあるため、受傷直後同様にアイシングを行い、安静にすることが大切です。

④受傷後3日以降
3日以降も痛みが引かず、膝の角度が90°以上曲がらずしこりが残るときは、かならず病院に受診してください。

90°以上可能場合は、痛みのない範囲でストレッチを開始し練習に参加していきます。

ストレッチ

ストレッチをするときは、ゆっくり伸ばすようにしていきます。反動をつけて行うと、回復途中の筋肉を痛めることがあるので注意しましょう。
回数は20秒間を5〜6回を1〜2セット行っていきます。

重症なケースでは、5日後まで90°以上可能でも痛みが残ることがあるので120°以上可能になってから徐々に練習に参加するようにしてください。

3.おわりに

モモカン後の対処方法を紹介していきましたが、3週間以上痛みが続き、症状の改善が見られない時はかならず病院に受診してください。

『モモカン』だからと軽視せず、実際に重症なモモカンが原因で1年間復帰できない選手を見てきたので、正しい対応をして頂けたらと思います。

参考文献
1)FIFA医学評価研究センター(F−MARC) サッカー医学マニュアル
2)スポーツ外傷・障害の理学診断理学療法ガイド:文光堂

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