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みなさん、土踏まずってご存知ですよね?医学的にかっこよく言っちゃうと足底弓蓋そくていきゅうがいと呼ばれていますが、立った時に地面や床面に接触しない足裏の部分のことですよね。
(古代万葉集には「石踏まず」と記載されていたとかそうでないとか)

そんなことはどうでもいいんですが、この土踏まずが機能していない状態の足のことを扁平足とも呼びます。

扁平足という言葉は一般的に広く認知されている印象ですが、扁平足が原因でさまざまなケガにつながっていることなどはあまり広く認知されていないように感じます。

例えばですが、サッカーやバスケットボールなど瞬発的な動きや方向転換動作を繰り返す競技を行うと、運動中や運動後に足裏の痛みで走りにくくなったり、シンスプリントと呼ばれるスネの内側が痛くなるような症状につながることがあります。

足の症状に限らず、膝の痛みや股関節痛、腰痛にも関係していると言われており、実際に自分が担当した選手や患者にも扁平足が原因となっているケースを多く経験しました。

今回は扁平足で悩む選手たちをひとりでも多く改善してもらうために、扁平足がどのような状態なのか、扁平足改善に必要な機能と具体的なトレーニングなどをお伝えできればと思います!

そもそも土踏まずって?

土踏まずとは、足裏の内側縦ないそくたてアーチ、外側縦がいそくたてアーチ、横アーチの3つのアーチ構造からなる足の構造です。

これらのアーチが適切に作用することで、荷重の分散や歩行時の衝撃吸収推進力を作る役割を担っていると考えられています。これらの役割は、内側縦アーチの頂点にある舟状骨しゅうじょうこつの動きが重要と言われています。

歩行や走行時に体重を支える際に、舟状骨は下方へ落ちることで衝撃を吸収します。また、つま先で地面を蹴り出す際には舟状骨が元の位置へ戻ることで前方への推進力を作り出すと言われています。

扁平足とは、舟状骨が過度に上下動してしまう状態のことです。何かしらの影響でアーチ構造が破綻することで、舟状骨の動きを制御することができない結果、体への負担が増したり、歩行や走行の効率を悪化させてしまいます。

一部の部位への過度な負担を避けるためにも、効率よく歩いたり走ったりするためにも、このアーチ構造はなくてはならないものです。

アーチ構造を支えるさまざまな要素とは?

前述したアーチ構造は、複数の靭帯じんたい筋肉から支えられているとされています。さまざまな靭帯や筋組織が緻密に作用し、きれいなアーチ構造を描いています。

後脛骨筋こうけいこつきん

足裏まで走行しているため、体重をかけた際に内側縦アーチを上昇させる。また、横アーチの保持にも作用するとされている。

母趾外転筋ぼしがいてんきん

親指の下に付着しており、親指が過度に下方へ下がらないよう支えているため内側縦アーチの保持に作用する。

小趾外転筋しょうしがいてんきん

小指の下を走行しているため外側縦アーチを支える作用がある。またこの筋肉の作用によって小指側への荷重が安定するため関節的に内側縦アーチの保持にも作用する。

長腓骨筋ちょうひこつきん短腓骨筋たんひこつきん

小趾外転筋同様に外側縦アーチを支える作用がある。長腓骨筋は、足の裏を横断し親指の下に付着するため、内側縦アーチの保持にも関与するとされている。ねんざを経験しているとこの筋肉の筋力が低下しやすいため内外側縦アーチが低下しやすい。

扁平足に悩む方の多くは、上記の筋肉組織の柔軟性低下筋力低下が認められます。これらの筋機能にフォーカスを当ててトレーニングをすることで扁平足の改善が見込まれます。

また、これらの組織が適切に働くには、足首自体の可動性も重要な要素となります。足首の可動性低下をかばってしまった結果、扁平足のように体重が足裏の内側に集中してしまうケースを多く経験します。

自分の足って扁平足なのか!?

扁平足は外見上、土踏まずが形成されているように見えても実際にチェックすると扁平足であるとこが多いため、外見にだまされやすいです。
扁平足であるかどうかは自分自身で簡単に確認することができますので、一度確認してみましょう!

セルフチェック❶|Navicular Drop testナビキュラードロップテスト

体重をかけている時とかけていない時の舟状骨の高さの変化量を測る検査です。前述したように扁平足の場合、この舟状骨が過度に上下動します。体重をかけた際に1cm以上動く場合、扁平足と判定することができます。

※舟状骨は内くるぶしから指1本分下に向かい、そこから指先方向にある突出した骨です。

セルフチェック❷|荷重位足関節背屈運動かじゅういそくかんせつはいくつうんどう

この方法は、足首自体の可動性を確認することが可能です。扁平足につながりやすい人の特徴として、この動きの際につま先よりも膝が内側に向きながら前へ動いてしまうことです。このような場合、足裏の内側に体重が集中し扁平足と同じような現象が起きます。

土踏まずを鍛えよう!

土踏まずを支える筋肉へのトレーニングを行うことで、アーチ構造が再建され、扁平足の改善が見込まれます。この後からは、改善のためのトレーニングについて紹介していきます!
(足首の可動性を改善させるトレーニングに関しては今後リリースします!)

トレーニング❶|short foot exerciseショートフットエクササイズ

こちらのトレーニングがうまくできない方は下のトレーニングから行ってみましょう!

トレーニング❷|後脛骨筋トレーニング

トレーニング❸|腓骨筋トレーニング

トレーニング❹|Calf-raiseカーフレイズ

つま先を内側に向けた状態でかかと上げを行うと後脛骨筋に、つま先を外側に向けた状態で行うと腓骨筋に負荷をかけることができると言われています。

よりトレーニングを行いたい方はこのような姿勢で行うのもおすすめです!

まとめ

「スポーツや運動をしていると足が痛くなる」
「すぐに足が疲れてしまう」
「気が付いたら体のどこかが痛くなる」
などの諸症状には、扁平足が関係していることがあるかもしれません。

扁平足には、改善させるための中敷(インソール)を用いることでよくなることもあります。しかし、それだけではなく弱くなっている筋力や柔軟性などへ介入することで、改善をはかれることも多くあります。

今回紹介した内容が、扁平足について全てを網羅しているわけではありません。しかし、扁平足でなやむ方々へ少しでも助けになれればとまとめさせていただきました。
ぜひご参考にいただけたらと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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