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ぶんぶん微分積分(4)

こんにちは、俺です。文くんです。
0と1は特別な数字で、それくらいの変化だったらだいたい仲良くできるんだけど、それ以上の数字になったとたん「最初から、一緒に暮らす気なかったんだろ」と言いたくなるような挙動をする計算式があります。次元を超える計算、累乗です。1の時までは、むしろ控えめなふりしてたくせに。
次元を超えた付き合いって、思ったより難しそうだなと思いました。ほら「2次元の俺の嫁」とかよく言うじゃん。暮らせない。

「次元を超えたものを、元の次元で表現するってのが、そもそも乱暴なのかもね。2次元である折り紙を、この紙をなんとかして線にしろって言うようなものでしょ」

「数字は数字だけど、見た目は全然違うってこと?」

「やぶいても伸ばしても本当の1次元にはならないけど、数字のままにするなら『15×15(折り紙は通常1辺が15cmです)で225だよ』ってこと。元の1が線の1じゃなくて、1×1の平方の1が225個であってってことだから、元の1自体が線ではなくて面よね。それは面を線にしたものと言えるのかしら」

「それ、単なる折り紙の面積の話だよなあ・・・線でも1だし、面でも1だから、紛らわしいよね。でも、1だしなあ。1が1つは1だよなあ。切って伸ばして貼ったなら、線に見ようと思えば見えなくもないとはいいつつ」

「数字って、本当にいろんな要素をそぎ落とした概念的なものっていうのが、こう考えるとよくわかるよねえ」

「俺さ、折り紙を半分に切ったとき、これが半分だって理解はしてるんだけど、四角じゃないから折り紙として折れないじゃん。さらに半分にしてそれで四角になるから、これが半分じゃないの?って思ってたけど、実際には1/4(4分の1)なのが納得できなくてさ」

「粘土なら、半分にしたものを同じ形に丸められるけどね」

「何とかして、半分の折り紙から半分の四角形を作ろうと切って置いてってやったんだけど、足りなかったり余ったりで、結局うまくいかなかったよ」

「数字でシミュレーションするなら、面積は225だからその半分で112.5だよね。ルート112.5は10.6066・・・だから、さくっと平面は作りにくそう」

実際に折り紙を幅1cmに切り分けて、セロテープでくっつけると225cmの長さのリボン状になるんだろう。線が1cmじゃ太すぎる!1mm幅なら線として認めてやる!って言われても、単に150mm×150mmだから22,500mmになるってだけだから、労力かかって大変なだけ・・・って、実際にやる前にシミュレーションできるんだから、数って強えなあ。

俺たちは、顔を見合わせてため息をついた。

「まぁ、気を取り直して、スクラッチでグラフを作ってみようか」

「そうだね」

グラフを作るんだったら、背景はXy-grid(x方向とy方向にメモリのついた格子状の背景。スクラッチであらかじめ用意されている)だよな、と設定を追加する。あと、猫が大きすぎるから、少し小さくしておこう。ペンツールも呼び出しておこうと、カテゴリーの一番下の「拡張機能を追加」から「ペン」をクリックする。

「よし」

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「準備できたよ」

俺は、スプライトの猫を選択してからスーに声をかけた。

(完全に余談だけど、半分くらいの折り紙が欲しい時は、10×10で1枚切り出して、残りを5×5を5枚にしておくと、全部キレイな平方の折り紙になるから無駄にしないですむよ。面積で説明するなら100+125=225だね。厳密には1/2じゃないけど、俺的にはOK)

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(紫:1/2の正方形を作ろうとして挫折した。橙:10×10が1枚、5×5が5枚。緑青:1cm幅に切って貼った全長225cmの元折り紙、1次元化したもの)

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