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シード、アーリーの技術系スタートアップを表彰する「J-TECH STARTUP」の創設背景とは

TEPでは、技術をビジネスのコアコンピタンスとした事業で、グローバルな成長が期待される国内の技術系スタートアップを「J-TECH STARTUP」銘柄として選定し、その後の事業成長を後押しする取り組みを2015年より行っています。技術系スタートアップは、技術が複雑で支援になかなかつながりません。「J-TECH STARTUP」を通じて、スタートアップへ注目を集めることで、認定企業の事業成長をサポートし、国内の技術系スタートアップを成長させるエコシステムの構築をめざしています。

今年も「J-TECH STARTUP」の企業募集を行っています。募集するスタートアップは、シード、アーリーの技術系スタートアップです。応募、審査を通じて「J-TECH STARTUP 2021」として認定されると、メディア掲載や投資家とのネットワーキング、専門家によるメンタリングやグローバル展開へのサポート支援などを受けることができます。
https://www.tepweb.jp/event/j-tech-startup-2021/

今回はTEPの國土代表理事に、J-TECHという仕組みをなぜ立ち上げたのか、また認定されることによって企業はどういうメリットがあるのか伺いました。

------なぜJ-TECH STARTUPを創設したのでしょうか

インターネットを使った SNS や EC サイト、ゲームなどさまざまなサービスが、我々に多くの利便性や新たな価値を生み出しています。それらを実現するアプリケーションは、比較的短期間での製品開発が可能で、日本でも成功例や支援方法が確立されつつあります。

一方、それらを支え基幹技術である高速通信や AI エンジン、CPU/GPU 技術などに代表される Deep Tech(コア技術)は、裏方的で理解が難しく、製品化までに時間と人的リソースが多くかかります。そのため、事業化リスクが高く投資等のサポート体制は十分とは言えません。

しかし、基幹技術である Deep Tech なくしてアプリケーションは成り立ちません。

アプリケーションと Deep Techは車の両輪であり、相互の発展によって真の価値や利便性を社会にもたらす事が出来ます。このようなことから、シリコンバレーを代表とするスタートアップ集積地では、サービス系技術を提供する会社への集中的な投資から、次世代の情報処理技術である量子コンピュータ、ゲームチェンジの可能性を秘めた先端材料、COVID-19や今後のパンデミックを見据えたバイオ技術、気候変動の把握や対応を実現する宇宙関連技術、脱炭素社会に向けたCO2削減や新たなエネルギー技術などのDeep Tech への投資が積極的に行われています。

「J-TECH STARTUP SUMMIT」は、Deep Tech スタートアップを「J-TECH STARTUP」として認定、紹介を行なうことで、Deep Techスタートアップに焦点を当て、その重要性に注目し、スタートアップの事業を加速するために必要なことを議論していきます。そして本イベントを通じて、スタートアップと大企業や支援組織とのネットワーキングを行い、技術系スタートアップ成長のためのエコシステム構築を目指します。

------募集スタートアップを、シードとアーリーなど若いステージにしている理由は

技術系スタートアップは製品化までの道のりが10年以上に及ぶこともあり、資金を含む様々な支援なくして製品化までたどり着けません。特にPOC前やシリーズ-A前後のスタートアップは製品開発に重点が置かれ、ビジネスモデルやプランのブラシュアッまで手が回っていないことが多々あります。

TEPはそのようなスタートアップへの支援としてメンタリングを行っており、「J-Tech Startup」はスタートアップ企業にビジネスの重要性を訴える啓蒙活動と言えます。また、シードとアーリー期の技術系スタートアップにとって助成金の確保は飛躍の可能性を高める上で大変重要です。

近年の補助金制度の多くは技術的優位性だけではなく、ビジネスモデルやプランの完成度の高さも審査の項目にしており、技術とビジネスの両面を見て審査しています。このような事からもシードとアーリー期の技術系スタートアップにはJ-TECH STARTUPへの応募をきっかけに自身のビジネスモデルやプランを見直し、技術だけではないビジネス構築の重要性を再確認してもらいたいと思っています。

------「J-TECH STARTUP」に認定されるとどういった支援を受けられますか

本プログラムを通じて認定企業のメディア掲載、オープンイノベーションを推進する企業とのネットワーキング、メンターによる資金調達のプレゼンや事業計画のブラッシュアップ、専門家による知財戦略や資本政策などのアドバイスや海外連携先である「グローバルパートナー」(17都市)の海外ネットワークを活用したグローバル展開へのサポートなどを受けることができます。

------応募を検討するスタートアップの方へメッセージをお願いします

J-TECH STARTUP認定制度が技術系スタートアップ企業にスポットライトを当てることで、VCやオープンイノベーションを推進する大手企業、そしてDeepTech企業を輩出する大学や研究機関からの関心を集めることがスタートアップの人材確保、資金調達、協業・連携先確保などに繋がると思っています。皆様からの応募をお待ちしております。



国内最大級の技術系スタートアップの支援組織『TEP』は、成長が期待される技術系スタートアップを表彰する、「J-TECH STARTUP 2021」の企業募集を2021年10月31日まで募集しています。詳細は下記よりご確認ください。


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