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必ずしも自分たちがアイデアを出して目立つ必要はない

NineCraftはプロジェクトに臨む上で、チームメンバーに大切にしてほしい価値観をいくつか定義しています。


今回はそのうちの一つである「必ずしも自分たちがアイデアを出して目立つ必要はない」という価値観について話をします。

NineCraftの仕事は、アイデアを出すことではなく、補助線を引くことでアイデアの導き手になることである。


「クラフトの補助線を引く」
これはNineCraftの役割として大切なもののひとつです。


お客様が意志によって立ち上げたプロジェクトを、クラフトマンシップによる価値観を中心に、ファシリテーションを行う。


この仕事はアイデアや企画提案を代行する代理店とは色合いが異なり、お客様の発想力を高める導き手となることが求められます。


NineCraftが扱う領域は、「ブランド」「マーケティング」「クリエイティブ」「コミュニケーション」です。


当然、その場所はアイデアやクリエイションの中心地であり、高いレベルの発想力が必要となります。


しかしながら、NineCraftはアイデアや発想を代行することは行いません。


私たちは、アイデアや発想をお客様から導き出すために「補助線を引く」ということに強くこだわっています。


なぜか?その理由のひとつに、NineCraftの「価値観」があります。


NineCraftは、「クラフトする喜びを生み出し続ける」というパーパスを掲げています。


クラフトとは、「意志や思いをきっかけにし、自分なりの考えや価値観を尊重しながら、届ける相手を想い、独自の表現を創り出す」という意味です。

この「クラフト」による表現が誰かの心に響いた時、表現者の喜びは格別のもとなります。


それゆえ「クラフトの代行」を生業にする会社は数多く存在し、表現者としての喜びを求めるクリエイターが後を絶ちません。


それほど「クラフトする喜び」は価値のあることです。

だからこそ、NineCraftは自らがその喜びを感じるのではなく、お客様に「クラフトする喜び」を感じてもらうことを事業の中心にすることに決めました。


自らが代行者となってアイデアを生み出し、クラフトする喜びを手にする。これはこれで素晴らしい仕事です。


しかし、お客様自身がクラフトする喜びを感じる手助けをする方が、自分たちの喜びがはるかに多いのではないか?


そのような出発点から、私たちの価値観は作られていき、 NineCraftというカタチになっていきました。

代行ではなく、補助線を引くことを自らの大事な役割だと認識しているからこそ、必ずしも自分たちがアイデアを出して目立つ必要はない。


私たちは、そのように考えています。


なぜこのようなスタンスなのかと聞かれても「それが私たちの価値観であるから」以上の回答がありません。


たとえそれが困難な道のりだとしても(実際にかなり困難だと思います)、私たちがそれをしたいからするのであって、そこにはロジックを超えた想いがあります。


とはいえ、私たちもビジネスを中心に営んでいる組織。

ただ自分たちがやりたいからという理由だけでは、誰も私たちのことを選んでくれないでしょう。


当然、私たちの価値観によって生み出されるサービスには、お客様に提示する利便性もしっかりと含まれています。

NineCraftの価値観は、「意志を引き出す」という利便性をお客様に提供することで、ブランドの成長に寄与する


NineCraftへの依頼として最も多いのは、「理想のブランドとして成長し、愛される存在になりたい」というニーズです。


ブランドを運営している企業にとって、まさに永遠のテーマと言えるでしょう。


いままで少なくない数のブランドの相談を受けてきましたが、多くの企業が「ビジネス」と「愛」の二項対立を解決するため、あの手この手を考えています


しかしながら、その検討事項に「ブランドとしての意志をどう育てるか?」というお題が入ることは多くありません。


少なくない企業が、「自分たちがどうしたいかを考えず、代行業者に任せれば良い」と自らの意志を手放してしまっています。


「意志」はブランドの存在意義そのものです。


「意志」を軽く考え始めたブランドは、よっぽど凄いイノベーションを生み出さない限り、高い確率で衰退し始めます。


人から愛される理想のブランドを叶えるために最も影響力のあるエンジンは「意志」です。


この意志をアイデアの源泉地にすることが、ブランド運営において非常に重要であり、顧客に選ばれる独自性の種になるのです。


そして、理解しておかなければならないのは、この「意志」だけは代行不可能であるということ。


もし、それを理解せずに意志ごと代行業者に任せてしまうと、長期的にみて取り返しのつかないことになってしまいます。


特に「ハック」的なテクニックに長けている代行業者との関係を構築する時は、注意が必要です。


彼らが出すアイデアは100%言語化&数字化可能なロジックによるアイデア、あるいは短期的な利便性獲得のためのアイデアが中心になってきます。


そこには、ブランド意志の介在余地はなく、「ロジカルを超えたこだわり」は完全なマイノリティになってしまいます。


そして、この手の代行業者による提案はロジカル的に優れており、批判を挟むことが難しいという特徴もあります。


つまり、「なんか違う」と思っても、ロジカルが通っているため反論することが難しくなるのです。


最悪の場合、ロジカルが綺麗に通っているばっかりに「なんか違う」という違和感さえ感じずに物事が進んでいってしまうこともあります。


顧客に愛されるブランドを長く残し続けたい人であれば、これがリスクを含んだプロセスであるということは簡単に想像できるでしょう。


だからこそ、NineCraftはロジカルだけが綺麗に通った安易なアイデアを代行することを避けています。


「ブランドとして、どのような意志を持つべきか?」という議論を源泉地にし、時間をかけて「意志」における共通認識を作っていきます。


「意志の解像度」を高めることができれば、周囲のノイズによって乱れない本質的な独自性をつくることができます。


そして、この意志をもとに、ブランドとしてどのような理想を目指したいのかの解像度も高めることに成功すれば、アイデアは自然とチームから出てくるようになります。


それもただのアイデアではありません。


顧客とブランドの未来を深く考えることによって生まれる「本質的なアイデア」です。

これこそが、「理想のブランドになって愛されたい」というニーズを満たすために、非常に重要なヒントをくれることになると、私たちは確信しています


これは決して「代行」では生まれません。


ブランドのうちに眠る「意志」をブランドメンバーと共に発掘し、それをマーケットに伝える「表現」へ昇華させていくことが必要になります。


「必ずしも自分たちがアイデアを出して目立つ必要はない」


このNineCraftの価値観によって生まれたサービス(意志から生まれたクラフトマンシップを中心に行うファシリテーション)は、「意志を引き出す」という利便性を提供し、ブランドの成長に寄与することができる。


私たちはそのように強く信じ、お客様のクラフトする喜びをこれからも生み出し続けます。

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