【せたがや図鑑】保護猫シェルター QUEUE
こんにちは!せたがや図鑑で保護猫について調べているあさみです。
今回は世田谷区経堂にある保護猫シェルターQUEUEの松本さんにお話を伺いました。
1.保護猫シェルターQUEUEの活動
主に行っているのは保護と譲渡の二つです。ホームページやチラシを見た一般の方から保護依頼が来て受け入れ、そこで保護した猫をシェルターでお世話しながら里親さんを募集し、譲渡をすることが主な流れになっています。
ーー保健所よりも一般の方からの依頼が多いですか?
保健所から引き受けることも団体全体としてはありますが、猫の保護頭数は愛護センターよりも一般の方からの方がかなり多いですね。猫の繁殖シーズンになると子猫が増えてしまうため、それを気にして連絡が来るパターンが多いので、愛護センターの方は手を付けられていないのが現状です。そのため基本的には一般の方のみでやっています。
2.この仕事に就いた経緯
仕事を探していて、何をやるか悩んでいた時、たまたま街頭で犬の啓蒙活動をしている人たちを見かけました。犬が好きなこともあり、その団体のボランティア活動に参加するようになったことが今の仕事に就くきっかけになりました。
一年ほど駅前などの街頭で募金活動のボランティアをしたあと、事務局担当を一年半ほどして、今の仕事に就きました。
ーーもともと猫が好きだったんですか?
もともと猫は苦手でした。実家でもずっと犬を飼っていたので犬がとても好きでした。
飼い犬が飼い主さんから捨てられてしまう現状をボランティア活動をしたときに知って、少しでも力になれたら良いなという犬を助けたい思いが最初はありました。ですが、活動しているうちに、今はすっかり猫の方が好きになってしまいました。
3.猫と接するうえで大切にしていること
ーー辛い思いもしている保護猫たちへの接し方の工夫を教えてください
猫にもそれぞれ性格があります。なので、保護をしたら、まずはじめにケージに入ってもらいます。ケージの中で少しずつトイレ掃除やご飯をあげることからはじめていって、この子にはどのようなアプローチが良いのか探っていきます。
懐いてほしいからといっていきなり触ったとして、それが合っている猫と、逆に触られることがストレスになる猫がいるので、できるだけストレスをかけないように少しずつ慣らしていくことは常に考えています。
ーー保護猫は慣れてくれますか?
大人の猫は外での生活が長いと、どうしても新しい環境に慣れることが難しくなってしまいます。そのため、年単位で時間をかけて慣らしていかないといけないですが、それでも保護当初より距離感は縮まりますね。若い子であればあるほど慣れるのは早いのでどんどん進歩はしていきます。
慣れない子はいないと思ってやっていますので、時間がかかるか、かからないかの違いだけですね。
4.訪問してくるお客さんの特徴
ーー(たとえば猫カフェとちがって)どのようなお客さんが来ますか?
一般向けに開放していますので、猫が好きだけど今は飼えない方がメインで常連さんとして週一ぐらいで通ってくださいます。また、里親になる前提でホームページ調べていて来ましたという方もいらっしゃいます。
猫カフェとは違って、保護猫シェルターや保護猫カフェは、基本的に非営利でやっている場所なので、入場料=支援金になります。せっかく行くなら支援につながるほうが良いという考えを持ってきてくださる方も多いですね。
5.仕事のやりがいや思い
ーー仕事のやりがいを教えてください
保護を依頼してきてくださった方は、ここを信用して預けてくださっています。そういった方と出会ってコミュニケーションを取り、里親さんが決まった後でも保護主さんと繋がりが続くことも多いので、そういった方との出会いは嬉しいですね。
それと、里親さんが譲渡に出た子の話を嬉しそうに話してくれることも嬉しいです。猫だけではなく、猫を飼った人も幸せにできる仕事なのでやりがいを感じられます。病気やけがをしていた猫が健康体になった状態で里親さんに出すときは寂しいけど嬉しいです。
ーーいまの仕事への思いを教えてください
殺処分ゼロがよく聞くワードとして出ていると思うんですけど、現状それを目指すにはまだ早いと思っています。TNR(Trap、Neuter、Returnの略語)の手法をうたって地域猫活動をしている方たちの中には、避妊去勢しないでエサやりだけしている方もいて、そういった方が野良猫を増やしてしまい、結局その猫が団体に回ってくるので団体も破綻してしまうのが今の悪循環の原因にもなってしまっています。
TNRの徹底とペットショップや一部不適切なブリーダーさんを規制し、意識を向上していくことで、愛護センターに捨てていく人も減っていくと思いますし、その分、殺処分も自然に無くせると思います。ここに来た人にできるだけそのことを伝えていく気持ちでやっています。
6.おわりに
今回は保護猫シェルターQUEUEの松本さんに取材をさせていただきました。
お忙しい中、ご協力ありがとうございました!
「猫だけではなく猫を飼った人も幸せにできる仕事」と聞いたときに外で辛い思いをしていた猫だけではなく、人と人との関わりの中にも幸せを作ることができるすばらしさを感じることができました。
入場料が支援金にもなるので、猫好きの方はぜひ猫に癒されに行ってみてください!
◆シェルター情報◆
保護猫シェルターQUEUE
〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-18-6 カイテキアパート3F 301
経堂駅から徒歩1分
12時~19時
定休日:毎週水曜
土日祝日のみ予約制
https://hogonekoqueue.amebaownd.com/