OLD BOYとクリスマス

2023クリスマスイブ
巷ではクリボッチ(クリスマス一人組)によるデモが行われていたらしい。
個人的には一人家でサッポロしおラーメン食べてるぐらいが一番平和だと思うけど。

よろづの神を信じる私にとってクリスマスに特別な感情は無いのだけれど、年末のふわふわした感じは毎回好きです。ここ数年は子供もできた事もあって、自分がどう過ごすかよりも、どうやったら記念日を子供の記憶に残せるのかという感情が強くなりました。プレゼント選びも楽しくて、遊んでもらえるかなとか、プレゼントで子供に新しい創造性を生み出せるかななど、子供が欲しい物に添いつつセレクトする喜びがある。

小さかった頃、ゲームソフトが欲しくて心の中でサンタさんにお祈りをして、翌日枕元に科学図鑑が置かれていたことがあって子供心にショックだった記憶が残っています。今となれば、親の気持ちもわかるし、そのプレゼントはすごくよかったと思えるのだけれど、当時はサンタさんなんておらんやんって思ってしまった。子供のファンタジーの世界観を壊さないってのも大事な事。誰しも、加齢と共にファンタジーは次第に壊れてしまう。現実を生きるにはpurityを排除し汚れていかなければならない。

さて、今年は夜にする事が無くなって、何故かネットフリックスで韓国映画「old boy」がある事を発見したので、視聴しました。以前から映画好きの知り合に殺人の追憶と共に面白いよっておすすめされていたので、なんの気なしに観た。(殺人の追憶も最高に良かった。)

結果から言うと、めちゃくちゃ面白かったのだけれど、クリスマスのふわふわした雰囲気で観る映画では無かった。2000年前半にこんなすごい映画が韓国で作られていたのかと思うと改めて韓国のfilm makingの底力を感んじた。メッセージ性、アクションのカットもすごいし、時間軸のシーンや見せ方も本当にすごいと思う。最近韓国といえば同じようなテクノカット男子のメロドラマみたいなのがfocusされがちだけど、90年代後半や2000年前半のこの辺りのダークな雰囲気を泥臭さでみせる方が個人的にはイイ。まあこういった映画はかなりオタク向けで万人うけはしないですかね、、。正直家族では絶対観れないし。

孤独ってなんなのでしょうか、寂しいという感情は極めて主観的なもので、家族や大事な人がいても離れていたら孤独を感じるものやし。一人でも孤独を感じない人もいるはず。むしろ、家族や重要な関係性の人間関係が増えれば増えるほどちょっとした環境で孤独感は増すのではないでしょうか。少子化が加速していく社会の中で、一人の方が気楽、経済的リスクが高い。この風潮は極めて合理的に理解できます。一人の方が意外と傷つかなくて済むし。精神的なリスクも回避しているのかも。家族の構築はある時ものすごいメンタル負荷になりうる。でも、家族がいる事でものすごく救われる事もある。実際先祖や家族がいたから自分もここまで存在しているわけで。この孤独と救済のアンビバレンスな感覚が本来は人間生活にとって大事なんだとも思います。そういう意味でクリボッチはボッチではないのだ。家族を背負ってリスクを負うことの方が、意外と簡単にボッチになりうるんではという矛盾。何が言いたくなったかわからなくなりましたが、映画を通して家族と孤独に対する考えに思いを馳せた2023のクリスマスの夜でした。オススメの暗めの精神的に負荷がかかる映画をもっと観たいと思います。 終

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