マガジンのカバー画像

虫のみる夢

7
運営しているクリエイター

#長編小説

虫のみる夢 7

  2

 眩しさで目が覚めた。
 部屋は明るく、カーテンが半分だけ開けられている。窓を見て、天井を見て、そして背中の痛みで、自分がようやくソファに寝ていることに気づいた。そうだった、ソファに寝たのだ。
 あれ、でもどうして……。
 寝起きのせいで、まだ頭がぼんやりとしていた。何度か瞬きをして、本棚に置いたアナログ時計を見る。十時半を少し過ぎた頃だ。思ったよりも長く眠ってしまったらしい。
「おはよ

もっとみる