バンボーニ、バンボーニ
中学生ファンさんは、お姉さんが大音量で音楽を聴くから
家にいてもゆっくりできないと言う。
バンボーニという人の曲らしい。
スペインでとても人気だという。
なんだかイタリア語みたいな感じだなと思って
聞き直したけれど、やっぱり「バンボーニ」とファンさんは言う。
後で聴いてみようと紙にメモした。
夜、夫と話していて、「バンボーニという人が人気らしい」と言ったら
夫も聞いたことがないと言う。
Youtubeで「Banboni」とタイプしてみる。
何もでてこない。
その代わり
Bad Bunnyがヒットした。
……まさかのまさか。
バンボーニ=Bad Bunny
だった。
スペイン人(それともこの街限定的なものだろうか)が英語を発音すると、dogはドフになったりSpainはエスペインになったりすることが多い(もちろんとても流暢な人もたくさんいる)。
だいぶん慣れてきたつもりだったけど、まだまだ修行が足りない。
Bad(バッド)の「ッド」がほとんど消えて「バ」になり、
Bunnyは「ブニ」になる。だから、バブニみたいに聞こえたのを
私は無理やり何か言葉らしいものにしようとして「バンボーニ」と解釈したのだろう。
しかし、ファンさんに確認をとるまでは、まだ本当かわからないと思い
おそるおそる聞いた。
そうそう、これだよと送られてきたのは
まぎれもなくBad Bunnyだった。
スペイン人的考えでいくと、聞き間違えた私が悪いのだ。
改めてBad Bunnyの曲を聴きながら
「バンボーニ」という響きから想像した音楽(オペラみたいなものかと思っていた)との大きな違いに驚く。
夫はそんな私を見てげらげら笑い
私も自分の中でこの事実をどう受け止めていいかわからず
バンボーニ、バブニ、Bad Bunny、バンボーニ、バブニ、Bad Bunnyと繰り返す。
私の日常はこんなことの繰り返しなのだけど
いつか懐かしいと思う日が来るかもしれないから
ここに書いておこうと思う。
あぁ、バンボーニ!
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