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秋の空とソーラーパワー

つい最近まで半袖で過ごしていたのに
一昨日から突然長袖2枚重ね暮らしとなり
昨日などは寒すぎてフリースをはおることになった。
そんなの聞いていない。

大体暑いときはずっと暑いのだけど、
夏休みも過ぎると
アンダルシアの空の私への態度も結構冷たいものになってくる。

「そろそろ秋ですからね、皆さん紅葉や収穫祭をお楽しみくださいね」

「さぁ、今から一番いい季節ですよ! 日本では運動会もありますね」

といったやさしい知らせはほとんどなく

「お前なめてんなよ、忘れんなよ冬を!」

みたいな感じで急に寒くなる。

いつもこれを忘れて、衣替えが間に合わない。
だから一昨日も中途半端に夏用の長袖を2枚重ねることになり
昨日はようやくクローゼットからフリースを一枚出してきたのだ。
今日も変わらず私はださい。

それでも10分間の日光浴はかかすまいと
両腕両膝を太陽に差し出し
中途半端なバンザイの恰好で屋上に姿をさらしている。

ビタミンDの話をしていたら、知り合いのアナさんも思春期真っただ中マリアさんもビタミンDが足りないと言われたらしい。
みんなリモートワークや学校が休みになっていたことで、日にあたっていないのだろう。

アナさんは仕事で今日は一歩も外に出ていないと言う。
マリアさんは「私は外に出たわよ!」と自慢するので、
どこに行ったのかと聞いたら
お母さんが洗濯物を干すのを手伝ったのだと言う。
私にいたっては日光浴をしたぐらいなのだが、結局今日は私が一番ビタミンD摂取量が多いのではないかということになった。
皆、競うレベルが低すぎる。

来週までに誰が一番日にあたったか競争しましょうよ! ということになった。アンダルシアでこんな会話が聞かれるのも珍しいことだと思う。そのぐらい今年は特別なのだと改めて感じる。

スペインでも学校が始まったけれど
変則的なスケジュールに大人も子どもも疲弊している。

先生は学生の感染予防対策に追われ、お父さんお母さんたちは子どもの送り迎えの時間がめちゃくちゃなので仕事との調整に苦労している。ここでは徒歩圏内でも親が子どもを学校に送って行く。

子どもは子どもで、今まで毎日行っていた学校が週3日だけになった子、週ごとに午前登校と午後登校をする子、毎日行く子など学校によりいろいろで慣れないスケジュールと環境にストレスを抱えている。名字の順でグループが分かれるらしく、仲のいい友達とまだ一度も会えていないという子どももいる。

金曜日にペドロさんが言う。

「今日は午後登校だったから疲れちゃったよ」

今週の通学スケジュールは午後だったらしいが、妹さんが朝8時から学校だから優しいペドロさんは7時に起きている。

しかも朝からゲームせずに日本語勉強したし! という彼はこの一年でずいぶん大人になった。

先日などは、極端に短くなった私の髪を見て
「うん、その方が魅力的」
などと言う。

つい先月まで「お前だっさ!」と言っていた男子が
急に大人みたいな口を聞くからびっくりした。

詰まるところ、彼もやっぱりスペイン人男子なのだ。


というわけで、ぼやきから始まった日記は
よくわからないところに着地したのだけれど
スペインも短い秋が来て学校が始まり
ちょっといろいろと特別な今年は
みんな体も心も少しばたばたしている。

でもスペインはスペインだから
これから冬になっても
お天気の日さえあれば彼らは大丈夫だと思う。
どうか彼らのソーラーパワーがチャージされ続けますように
そしてそのエネルギーでみんな笑っていられますようにと
願うばかりである。

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