見出し画像

『七緒』の特集で、着物界に君臨する“民藝”を考察してみた。

民藝という言葉の由来を知らずとも、旅先で民芸品を売る店には立ち寄ったことがあるだろう。『七緒』no.76の特集で民藝を紐解くと、民藝とは柳宗悦(やなぎむねよし)による造語で、民衆的工芸品の略”だ。誌面に登場した富山県大福寺・住職でとなみ民藝協会の太田浩史氏によれば民藝は「自然って、凄いんだ」と思う気持ちに似て、使い込むうち、感服するそうだ。

『七緒』には民藝の着物として、草木染め、絣(かすり)、琉球紅型、有松絞りが紹介されていた。これらの沖縄を含めた全国の帯と着物は、産地の特徴を捕らえたイメージキャラクターのイラストが添えられていた。そこで、イラストの側からたどって、好きな民藝の着物を選んでみた。結果は珈琲カップ片手にメガネにアフロヘア、黄色いセーターを着た女の子のイラストが添えられた、遠州綿紬だった。紫系の縞で、帯合わせは丸を連続して描いた型染めの帯だ。

そして、何か真似してみたくなって、日本橋の老舗の百貨店で買い求めたのが、手組みの帯締め。手仕事感と色が民藝風。

龍工房のお品です

民藝の着物は能装束や婚礼衣装と違い誰もが着ていた着物なのだから、日本人なら誰でも(私でも)似合うはずと信じている。ところが、昨年の着物ショーで見た月刊『アレコレ』の細野美也子さんのお話に、私は驚いてしまった。

こちら「帯合わせのこだわりを教えて」という質問に応じたもの。細野美也子さんのこだわりポイントは、さっぱりした幾何学柄。絣には、神経を使うそうだ。

うーむ。似合いそうなのに。こういう早口で滑舌の良い方が民藝調を着ると、逆にせわしなく見えるのかな? 幾何学柄の方が、ウキウキしたしゃべり方にはマッチしていると納得。似合う着物って、体型だけじゃないんだね。

細野さん、オススメの着物コーデのコツは、着物と帯の色はおさえめにして、帯留めの鮮やかな色を際立たせること。ちなみに3/29、30、31のキモノショーでは、新しい着物をお披露目するとのことで、細野美也子さんのイメージチェンジが楽しみだ〜!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?