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オンラインでコミュニケーションを実現するには――その名はnoiz(オンライン学習を考える 第二回)

コミュニケーションをオンラインで

教育には「知識の伝達」と「コミュニケーション」の側面があり、後者が大きく欠落してしまうという問題意識を抱えていたとき、電通総研(イノラボ)から、プログラミングスクール用のWeb会議ソフトの共同研究の話がありました。この問題意識に真正面から取り組んだ研究の成果として作られたのがRemohere(リモヒア)です。

Remohereは現在は公開されていませんが、優れたところを備えていました。教室のワイワイガヤガヤした空気を、オンラインで再現していたのです。

オンライン学習は孤独になってしまいがちですが、Remohereでは「ほかの人が学習している声が聞こえてくる」という状況をつくりだすことによって、「学んでいるのは自分だけではない」という雰囲気を醸成することに成功していました。さらに、TENTOではいくつかのグループにわかれて学習するのが常なのですが、自分が所属するグループ以外の様子を見に行くことも可能でした。

noizでコミュニケーションは促進される

このアイデアを採り入れつつ、TENTOが独自開発したオンライン学習ソフトウェアがnoizです。noizは、さらに次の点を特徴としています。

●常に自分が中心にいる

ほかのグループの様子が見に行けるのはとてもよいことなのですが、「自分が今していること」は常に中心になくてはなりません。他のグループはあくまで従でなければならない。

noizでとくにこだわったのはここです。テーブル(他のグループ)は画面に表示され、声も聞こえてきますが、あくまで自分が中心であることを表現するため、それを両サイドに配置しました。

常に自分が中心にいる

●「何をしているか」見ることができる

noizでは、それぞれの画面の様子を見ることができます。

これを整備することによって、講師が生徒たちが今なにをしていて、どこでつまづいているのか即座に把握することが可能になりました。さらに、自分と同じグループの誰かが何をしているかも見ることができます。

「それ、こうすれば簡単だよ」というような子ども同士の自然な教えあいもつくりだせますし、「あいつがあれをやってるから俺はこれをやってやろう」のような良い意味でのライバル意識も、育てることができます。

「何をしているか」見ることができる

幸いにも、TENTOに通う(正確には、アクセスしている)子におこなったアンケートでは「noizは孤独じゃないからいい」という回答が多数寄せられています。

TENTOはもともと、「それぞれの子がそれぞれの学習をして、講師がそれを手伝う」というかたちで運営してきました。教場はそれでいつもワイワイガヤガヤしていました。noizはそれをオンラインで実現するツールです。

                 (TENTO代表 竹林暁)


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