漫画プロット「True name」

先日投稿した「いつもはだけてるゲームコンポーザーのお姉さん」のネームをDAYS NEO REAL★NIGHTで持ち込みしたところ、

・リアル(現実的)過ぎる
・ハッピーエンドが見たかった
・主人公の頑張っている姿が見たかった

等々ご意見を頂きました。

「リアルな感じで良い」とは言って頂けたので、リアル路線を残しつつ、ハッピーエンドにして、プロットを書き直しました。これからネームにします。

タイトル「True name」

p.1

[1]
安手(あんで)ラマが、スマホでゲームをやっている。

[2]
ラマ「この前サービス開始した崩壊:スターレイル」
ラマ「このシーンの曲がイイんだよな」

[3]
テレビニュース「警察は女性がストーカー被害に遭ったと見て…」
ラマ「へー、物騒な事件だな…」

[4]
大音量で音楽が聴こえてくる。

[5]
ラマ「隣に越してきた人かな」
ラマ「ボロアパートだから音が響くなぁ…」

[6]
ラマ「すいませーん。隣の安手ですけど、音下げてもらえますか」
女性「ごめーん。今までの癖でつい」

音が小さくなる。

p.2

[1]
女性が出てくる。

[2]
ラマ「(おっ、キレイなお姉さんだな)」

[3]
女性と目が合う。

[4]
ラマ「いやっ、あの…これ何の音楽ですか?」

[5]
女性「あ、やば。社外秘なんだけどな…」

p.3

[1]
女性「これはゲーム音楽だよ」

[2]
ラマ「ゲームオンガク…?」

[3]
女性「ゲームのBGM。私ゲーム音楽の作曲家なんだ。スマホでゲームやるでしょ?」
ラマ「ああ、それなら」

[4]
ラマ「これ」
女性「ああ、崩壊:スターレイル。今流行ってるよね」

[5]
女性「この曲もスマホゲームのなんだ。何のゲームかは言えないけど」

[6]
女性「どんなシーンの曲だと思う?」

p.4

[1]
暗いイメージ。

[2]
ラマ「…何だか暗い曲ですね」

[3]
女性「主人公が恋人と再会するんだけど、恋人は闇の組織の手先になっていて―」
女性「これから戦わないといけないっていう時の曲」

[4]
ラマ「ずいぶんピンポイントですね…」

[5]
女性「まだ改善が必要だな~」
ラマ「何でですか?」

p.5

[1]
女性「心理描写がまだ雑になってる」

[2]
ラマ「すいません、大雑把な感想しか言えなくて」
女性「いや、力不足なのは私の方」

[3]
女性「主人公は恋人と再会できたんだ。暗い気持ちだけじゃないよ」

[4]
ラマ「そうか…難しそうですね」

[5]
女性「難しいけど、それを表現するのがゲーム音楽の仕事なんだよ」

p.6

[1]
女性「これあげる」

[2]
QRコード付きのカードを渡される。

[3]
ラマ「何ですか?これ」
女性「このQRコードを読み取って。私の曲が聴けるから」

[4]
ラマ「ど どうも…」
女性「じゃ」

[5]
ラマ「けっこう美人だったな…」

p.7

[1]
ラマ「そうだ、さっきのカード」

[2]
ラマ「Ponytail?彼女の名義かな」

[3]
ラマ「QRコードを読み取って、と」

[4]
(Spotifyの画面)
ラマ「いろんな曲があるな~」

[5]
目の前に風景が広がる。

[6]
ラマ「この曲いいな。戦いの曲って感じで」

p.8

[1]
―スーパーから出てくる

[2]
ラマ「タイムセールだから安かったなー」

[3]
ラマ「あ、ポニーさん」

女性とばったり会う。

[4]
女性「ポニーって?」
ラマ「この前もらったカードにPonytailって書いてあったんで。ダメですか?」

[5]
ポニー「ああ…いいよ、ポニーで」
ラマ「買い物ですか?」

[6]
(レジ袋の値下げシールを見て)
ラマ「あ、そのシール…」
ポニー「な 何のこと?」

p.9

[1]
ポニー「(話題をそらそうと)あのカードの曲どうだった?」

[2]
ラマ「ああ、すげー良かったです。戦いの曲って感じの」

[3]
ポニー「Power Battleだね。戦闘の場面で流れるんだ」

[4]
ポニー「男の子はああいう曲好きだよね」

p.10

[1]
ポニー「この曲聴いた?」

[2]
True nameという曲の画面を見せる

[3]
ラマ「True name…本当の名前って意味ですか?」

[4]
ポニー「そう」

[5]
ポニー「イヤホンある?」
ラマ「ああ、ありますけど」

[6]
ポニー「ここで聴いてみて」

p.11

[1]

主人公とお姫様が見つめ合う風景が思い浮かぶ。

p.12

[1]
ポニー「これは主人公が悪の手からお姫様を救い出して―」

[2]
ポニー「本当の名前を知るシーンの曲」

[3]
ラマ「またピンポイントですね…」

[4]
ポニー「このお姫様はどんな気持ちだと思う?」

[5]
ラマ「救ってもらって嬉しい?」

p.13

[1]
ポニー「お姫様は悪の手に長い間囚われてたんだよ」
ポニー「暗い気持ちを抱えながらずっと耐えていた」

[2]
ラマ「嬉しい気持ちだけじゃないんですね」

[3]
ポニー「そう。救い出してもらって、暗い気持ちが溢れて涙が止まらなかった」

[4]
ポニー「本当の名前はそのお礼。心からの感謝の気持ちだよ」

[5]
ラマ「…」

p.14

[1]
ポニー「本当の名前を知るシーンはどこだと思う?」

[2]
ラマ「え?どこですか?」

[3]
ポニー「ここのピアノの音」

[4]
ポニー「ここで花火のフレーズが3回流れるんだけど、その後」

[5]
(花火のフレーズが3回流れた後に、ポロンという音が鳴る)

p.15

[1]
ラマ「きれいな音。きれいな名前なんですかね」

[2]
ポニー「感謝の気持ちの代わりだからだよ」

[3]
ラマ「実際は変てこな名前?」
ポニー「どうだろうね」

[4]
ポニー「…」
ラマ「どうしたんですか?」

[5]
ポニー「…後ろから誰か見てない?」

[6]
ラマ「いや誰も」
ポニー「そう…」

p.16
[1]
ポニー「じゃ」

[2]
ラマ「…何だったんだろう」

[3]
―アパート

[4]
テレビを付ける。

[5]
アナウンサー「このストーカー事件についてどう思われますか、三村さん」
コメンテーター「現代日本の治安の悪化が如実に表れていると思いますねぇ」

[6]
ラマ「まだ捕まってないのか…」

p.17

[1]
ラマ「寝よう」

[2]
ラマ「…」

[3]
ラマ「…眠れない」

[4]
ラマ「崩壊:スターレイルでもやるか」

[5]
ゲーム画面

p.18

[1]
ラマ「この終着駅で見送られるシーンの曲もイイな」

[2]
ラマ「…そうだ」

[3]
ラマ「もらった曲、他のも聴いてみよう」

[4]
ラマ「Escape…」

[5]
再生ボタンを押す。

p.19

[1]
情景が広がる。

[2]
ラマ「緊迫した曲だな」

[3]
ラマ「何かから逃げてる時の音かな」

[4]
ラマ「この低い音…」

p.20

[1]
女性が黒い影から逃げているイメージ。

[2]
ラマ「まるで誰かから逃げているような…」

[3]
(「誰か見てない?」のコマを見せる)

[4]
ラマ「もしかしてあの人、誰かから逃げてたりして…」

[5]
ラマ「…考え過ぎか」

p.21

[1]

―高校

[2]

女子高生A「この前のストーカー事件の犯人まだ見つかってないらしいよ」

女子高生B「やだ、怖いねー」

[3]

ラマ「…」

[4]

ラマ「ポニーさん、ストーカー事件の被害者だったり…」

[5]
ラマ「隣に越してきたのも、ストーカーから逃げるためとか」

[6]
ラマ「…」

p.22

[1]

―アパート

[2]

ポニーも部屋に戻る途中だった。

ラマ「あ、ポニーさん」

[3]
ポニー「…ああ、どうも」

(表情を曇らせている)

[4]
ラマ「曲また聴きましたよ」

[5]
ラマ「Escape」

(ポニーの表情が凍り付く)

p.23

[1]
ポニー「…そう。どうだった?」
(苦笑い)

[2]
ラマ「その、緊迫感のある曲ですね」

[3]
ポニー「でしょ?あれは敵の軍勢から追われているシーンの曲」

[4]
ラマ「そうなんですか。あの低い音は敵の軍勢だったんですね」

[5]
ポニー「…何だと思ったの?」
ラマ「え?」

p.24

[1]
ポニー「もういいでしょ」
(怒っている表情)

[2]
ポニー「じゃ」

[3]
バタンとドアが閉まる。

[4]
ラマ「やっぱり何かあるな…」

[5]
不審な影が遠くに見える。

ラマ「ん?」

p.25

[1]
影が見えなくなる。

ラマ「まさかストーカーじゃ…」

[2]
影が見えた方に駆け寄る。

[3]
ラマ「誰だ!」

[4]
ラマ「…いない」

[5]
足跡を見つける。

p.26 

[1]
ラマ「このスニーカーの足跡、俺より少し大きい」

[2]
ラマ「…てことは、男の足跡か」

[3]
ラマ「写真を撮っておこう」

[4]
―交番

[5]
警官「そんなあいまいな証言じゃ捜査できないよ」

[6]
ラマ「これでどうですか」

(スマホで撮った足跡の写真を見せる)

p.27

[1]
警官「これだけじゃねぇ…」

[2]
ラマ「今話題のストーカー事件、俺の隣に住んでる女性が被害者なんじゃないかって」

[3]
警官「ああ、あの事件?まさか。被害者の証言がないと」

[4]
ラマ「被害者の証言?それは難しいかも…」
(ポニーの怒っている表情を思い出す)

[5]
ラマ「何が必要ですか?」

p.28

[1]
警察官「君の考え過ぎだよ。もしまた何かあったら来て」

[2]
ラマ「でも、近くまで来てたんですよ。早く何とかしないと」

[3]
警察官「うーん、犯人を連れてきてくれれば…」

[4]
ラマ「…」

[5]
ラマ「わかりました」
警察官「え?」

p.29

[1]
アパートの出入り口の塀の陰に隠れる。

[2]
Spotifyの画面に「Chase」と表示されている。

[3]
おばあさん「おや?探偵ごっこ?」
ラマ「いえ…」

[4]
日が暮れる。

[5]
ラマ「今日は収穫なしか…」

[6]
別の日。

p.30

[1]
小学生A「こんにちは」
小学生B「どうしたの?」

[2]
ラマ「ああ、どうも。いや、そこの犬が怖くて…」

[3]
小学生A「ふーん、犬なんかいたっけ?」
小学生B「スニーカーのおじさんが来てからいなくなったよね」

[4]
ラマ「(スニーカーの男?)」

[5]
ラマ「そのおじさんがどこにいたか教えてくれる?」

p.31 
[1]
小学生A「うーん、ポストの前」
小学生B「いっぱいポストがあるところ」

[2]
ラマ「(集合ポストの前か…)」

[3]
ラマ「ありがとう!」
小学生A「犬はもういいの?」

[4]
ラマ「あ、ああいいんだ。いなくなったなら」
小学生A「ふーん」

[5]
小学生AとB「ばいばーい!」

p.32

[1]
ラマ「集合ポストの前に来たけど…」

[2]
若い男が現れる。

[3]
ラマ「ん?」

[4]
若い男「こんにちは」(笑顔で)
ラマ「どうも」

[5]
ラマ「(気のせいか…)」

[6]
スニーカーに気づく。

p.33
[1]
ラマ「(気のせいじゃない!)」

[2]
後を付ける。

[3]
若い男が集合ポストを見ている。

[4]
ラマ「やっぱり…」
気づかれないように近付く。

[5]
若い男が振り向く。

p.34
[1]
ラマの心拍数が上がる。

[2]
再び後を付ける。

[3]
アパートの階段に向かっていく。

[4]
ポニーの部屋のドアが開く。

[5]
ポニーが若い男と目が合う。

p.35
[1]
ポニー「キャー!」
ポニーの悲鳴。

[2]
ラマ「やっぱりストーカーだったんだ!」

[3]
物陰から走るラマ。

Power Battleの画面が映っている。

[4]
若い男「やべぇ!」

[5]
ラマ「逃がすか!」

[6]
若い男にタックルする。

p.36
[1]
若い男を取り押さえる。

[2]
ポニー「あ…」

[3]
呆然として失神する。

[4]
ラマ「ポニーさん、大丈夫ですか!しっかりして!」

p.37
[1]
ラマ「気を失ってる…」

[2]
ラマ「警察まで連れて行こう」

[3]
―交番

[4]
警察官「まさか本当に犯人を捕まえるとは…」

p.38
[1]
警察官「お手柄だったね」

ラマ「あの男はどうなったんですか?」

[2]
警察官「本署で取り調べ中だよ」

[3]
警察官「お姉さんも、これから事情聴取を始めるから来てください」

[4]
ポニー「…ありがと」
ラマ「良かったです。何事もなくて」

[5]
ポニー「本当に…何てお礼を言えばいいか…」

p.39
[1]
(ポニーが泣き崩れる)

[2]
ポニー「そうだ、お礼に…」

[3]
ポニー「歩葉(あるぱ) かおり」
ラマ「え?」

[4]
かおり「私の名前。もうポニーって呼ばなくていいよ」

[5]
ラマ「歩葉さん?変わった苗字ですね」
かおり「君は?」

p.40
[1]
ラマ「俺はラマです。安手(あんで) ラマ」

[2]
かおり「ふふっ、君も変わった名前」

[3]
かおり「今度食事にでも行かない?ラマ君」
ラマ「えっ、いいんですか?」

[4]
かおり「喜んで。歩葉さん」

p.41
[1]
かおり「かおりでいいよ」

[2]
ラマ「はい。かおりさん!」
ツーショット。

True nameの情景と重なる。

スマホにSpotifyの「True name」の画面が映っている。

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