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おもちの国のひとだもの

サトウの切り餅

岩手出身の私であるが
プクッーとふくらむお餅は漫画表現であると思って
信じていなかった。(結婚するまでは)
子供のころから食べていたお餅は、焼いても
ポコンと膨らむだけで外は煎餅のように
硬いものだった。
夫にそんな話をすると、ああそれはたがねもちだね
もち米が違うんだろうと言って夫の実家でついた
もちを食べさせてくれた。
一口食べて、空想の中のマンガ餅が私の中で
現実になった。レンジに入れた餅は天井に届くくらい
果てしなく膨らみ。一口噛むとのびーるのびる
餅が伸びる。こら確かにのどをつまらせてしまうわ。
もともと硬い餅も好きだったが、この柔らかい餅に
私は虜になってしまった。
これなら納豆も大根おろしも餅に抱かれるようにからむ。
からんだところへ口に運ぶ美味しさの恍惚感。
餅にエロスを感じたことがあっただろうか。
たがねもちが操を守るおぼこ(乙女)なら
こっちは妖艶な熟女なのだ。

…何を書いてんだ私。
そうそう、岩手は何かというとお餅を食べる。
食べると乳の出がよくなると妊産婦に食べさせ
ご祝儀にも法事にもお餅を食べる。
夏だってお餅を食べる。
春夏秋冬お餅を食べる。
棟上げがあれば紅白の餅をばらまく。
もちのレシピは100を超えると聞いて
餅の奥の深さに驚いたものだった。

餅レシピ(一関市)

一関市のみなさん、ありがとう。
もし餅の処遇に困ったらどうでしょう。

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