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そんなに、吠えるな!って吠える

いぬうた市の、きゅん君には、苦手なわんこが、
近所にちらほらいたりします。
特に、きゅん君が苦手なのは、
自分より大きいわんこだったり、
自分より若いわんこだったりして、
そんなわんこと散歩中、ふと出会ったり、
すれ違ったりすると、きゅん君は、
その思いの丈を口にするのです。
さて、きゅん君、具体的に何て言うんですか?
そんな時。
今は自宅でくつろいでいる、きゅん君に聞いてみましょう。
「それはだね。大抵は、吠えるな!だね。先にちょっと言っておくと、僕が苦手な犬は確かに僕より大きいか、僕より若い犬だけど、そうゆう犬が何故、僕が苦手かというと、そうゆう犬は僕を見かけると向こうの方から先に吠えてくるからなんだ。だから僕は先制して僕の方から、吠えるな!って吠える訳」
んーっと。
その、きゅん君の理屈は本当に正しいんですかね?
「えっ、どうゆう意味?」
ですから、それだと結局いつも、
きゅん君の方から先に吠えてないですか?
「まあ、結果的にはそうなるかな」
結果的にそうだったら、そうですよ。
「だって、でも僕が先に吠えずに黙っていたら、必ずそうゆう犬は僕に向かって吠えてくるんだよ。だからその前に吠えるな!って吠えるしかないじゃん」
そうなんですかねえ。
では相手のわんこは、きゅん君が黙っていたら、
何と言って吠えてくるんですか?
「それはだな。大方はこう吠えてくるね。おい、吠えるな!だね」
えーと、話を整理しましょうか。
要は、きゅん君にしろ、相手のわんこにしろ、
何で吠えるか?というと、お互いに吠えられるのが、
イヤだから、先に吠える。ということですね。
「まあ、そうかな」
それって最初からどちらも吠えなかったら、
全然問題ないのでは?
それってただただ牽制し合っているだけなのでは?
どちらも吠えなかったら、それで丸くすむのでは?
「んーむ。そうなのかなあ。僕にはもう分からないなあ。だってどちらも吠えない世界なんて、もうありえないから」
と、これ以上考えるのを止めてしまった、きゅん君です。
まあ、なんと無駄というか、無益というか、
それで街中がいっとき、うるさくなるのは、
何だか解せないですが、
でも1番うるさいを、上をいく方は、他にもいました。
それは、ぐーちゃんです。
「きゅん!そうやってやみくもさんに吠えるんじゃないわよ!本当うるさーい!」
と、それこそやみくもに吠えまくって、
そして、その声がまためちゃくちゃにデカいときていて、
結果、ぐーちゃんが1番うるさいのでした。

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