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ママがオヤツをくれるまで

「ぐー、今日はある実験さんをしたいと思うの。それはママがオヤツさんをくれるまで、ずっとママにピッタリくっついている。ていう実験さんよ。ママがいつオヤツさんをくれるか。ぐー、楽しみだわあ」
と、いぬうた市の、ぐーちゃんがある朝起きて、
こんな宣言をしたのでした。
今日はママ、1日、家にいるみたいですから、
その、ぐーちゃんの実験も可能のようですが、
果たして、ずっとママにくっついていても、
そうやすやすとオヤツをもらえるもんですかね。
まあ、ちょっと見守ると致しましょうか。
散歩も終え、ご飯も済んで一段落して、
ママは1階のダイニングルームでお茶など飲んで、
テレビなどを観ています。
ぐーちゃん、そんな椅子に座ったママの横に、
ピッタリくっついて、ニコニコ、ママを見上げています。
同じダイニングルームの傍らには、きゅん君が、
ソファに寝そべって、ぐーちゃんを訝しげに見ています。
ママは、ぐーちゃんが側にいるのに気付いたようで、
これまたニコニコ、ぐーちゃんを見返します。
この時、ぐーちゃん、心中でこう思いました。
「あっ!これはチャンスさんだあ。あともうひと推しね。ここで、ぐーが、満面の笑顔さんを決めれば、ママはきっとイチコロさんになってオヤツさんをくれるハズ」
そして、その通りにママを目をジッと見つめて、
これでもかという笑顔を繰り出したのです。
さて、この、ぐーちゃんの攻撃に対して、
ママは果たして落ちたでしょうか。
否、ママも、ぐーちゃんに負けず劣らずの笑顔を返して、
この勝負はドローと相なったのです。
ぐーちゃんはこの時、心でこう思いました。
「ちぃ。ママもなかなかやるものね。しかしさん、ぐー負けないから」と。
で、そのあとも、ぐーちゃんはママにくっつきまくります。
ママが移動したらそのあとをピッタリついて行き、
ママを追いかけ回す、ぐーちゃんでありました。
しかし、ついて行っても、ついて行っても、
オヤツをもらえるチャンスは訪れません。
ぐーちゃんは思います。
「ここまでママがしぶといとは。ぐー、考えが甘かったわ。でもここであきらめては、今日、ぐーの努力さんがお無駄になってしまうから、もうちょっと、ぐー、がんばるー」
とまだまだあきらめない、ぐーちゃんです。
で、そんなこんなで夕方になって、また散歩行って、
帰ってまたご飯食べて、夕飯後の、
しつけトレーニングを、ママときゅん君と行った時、
上手く出来たご褒美に、いともあっさり、
オヤツをたんまりもらえたのでした。
一緒にもらえた、きゅん君が言います。
「結局、昼間何にもしてない僕だってオヤツもらえたんだから、今日の、ぐーの努力は無駄だったんじゃない」
そう、ニヤニヤしている、きゅん君に、
ぐーちゃんが言い返しました。
「そんなことないわ。だって、今日1日さん、ぐー、ママとずっと一緒にいられたんだもん。ぐー、それがオヤツさんをもらえることより嬉しかったー」
と、本当に嬉しそうな満面の笑みな、ぐーちゃんなのでした。

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