見出し画像

私のライフスタイルは

「私ですか。そうですね。私のライフスタイルは一口で言うと、常に優雅に。が、モットーです。例えば、いぬうた市も夏は暑いし、冬は寒いですから、夏は別荘で涼しく暮らて、冬は本宅で暖かく過ごしたりしていますね。まるで、北半球、南半球を季節によって行ったり来たりするようにね」
なんて先程から、いぬうた市の、きゅん君たら、
自宅の1階のダイニングルームのソファに、
偉そうかつ、カッコつけて何かを語っていますね。
一体、どうゆうシチュエーションなんですか?
「何さ。せっかくインタビューごっこをしてるんだから、邪魔しないでほしいなあ」
インタビューごっこですか。なるほど。
それは、きゅん君が自身のライフスタイルについて、
聞かれている体で、きゅん君が答えているんですね。
「そうだよ。それが何かいけないの?」
いけなくはないですけど、きゅん君のライフスタイルって、
カッコいいこと言っていますけど、
要は夏と冬で寝る場所を変えているだけの話ですよね。
「そんな言い方したら、元も子もないよ。いいじゃないか、別に。どう言おうと僕の勝手だろ」
と、きゅん君がつっぱねていると、
そこに、ぐーちゃんがやって来て言いました。
「ぐーもずっと聞いていたけど、カッコいいこと何もしてないのに、よくそれだけカッコいい風の言い方出来るわよね。きゅんは。夏は別荘さんですって?それって単にお寝室のフローリングさんの上に直接寝ているだけじゃない。で、冬は本宅さんって、ただのおベッドの上でしょ。よくもまあ、それだけ持ち上げた例えが出来るもんだわ。ぐー、呆れちゃった」
と、ぐーちゃん、きゅん君の遊びを、
ほぼ全否定したので、きゅん君は大変おかんむりです。
「なんだい!なんだい!僕のささやかな遊びをよってたかって、いちゃもんつけやがって!面白くないから、2階で寝る!」
と、イジケモードでトコトコ2階に登って行きました。
「お2階のどこで寝るのかしらねえ?かっかきて、熱くなっているから、きっと別荘さんで寝るのかしら?」
と、どこまでも、きゅん君をからかう、ぐーちゃんです。
しかし、ぐーちゃんの言ったことが図星だったようで、
そうなると、今更、別荘こと寝室のフローリングの上に、
寝る訳にはいかず、さて寝室に来たものの、
いざ、どこで寝るか?思いあぐねる、きゅん君です。
「これで下手なとこで寝たら、また、ぐーに何を言われるか、分かったもんじゃないからな。絶対、ぐーは僕がどこで寝ているか、確認しに来るだろうし。さて、この場合、僕はどこで寝るのが正解なんだろう?」
寝室内を見渡し、きゅん君は考えます。
「フローリングの上ではもちろん寝れないし、かといって、ベッドの上だと裏をかいたと思われるだけだし、となると、それ以外の場所しかないが、そうなると、それはどこだろう?」
と、しばらく、キョロキョロすると、
やっと1箇所寝る場所見つけた、きゅん君です。
「仕方ない。今日はここで寝るとするか」
と言って、ゴロンとなって、
すぐに、スースー眠りについて、
すると案の定、ぐーちゃんが様子を見に、
寝室にやって来ました。
そして、きゅん君の寝ている場所を見つけて、
ぐーちゃん、大爆笑です。
「僕のライフスタイルですが、たまにイジケると、トイレで寝るんですよ。何と言うか、落ち着くというか、これが案外悪くないんですよ。皆さんもどうですか?たまにはトイレで寝てみてわ」
と、きゅん君のインタビューごっこのマネをしながら、
笑いが止まらない、ぐーちゃんです。
そうなんです。きゅん君が見つけた寝場所とは、
ペットシーツの上だったのです。
で、また、ぐーちゃんにバカにされた、きゅん君、
ぐーちゃんの高笑いで目が覚めたもの、
起きたと、ぐーちゃんに気付かれたら、
また何言われるか分からないと、
必死にタヌキ寝入りを決め込むのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?