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桜の花びら落ちている

いぬうた市の本日といえば、実に実に春うららなお天気で、
絶好の散歩日和と言えますね。
で、きゅん君と、ぐーちゃんといえば、
まさしくママと絶好調に散歩中で、
さんさんと降り注ぐ日差しの中、
軽やかに歩くふたりであります。
自然と鼻歌が出たりして、これはこれは、
今日の散歩は大変楽しいものとなりそうですね。
「間違いないよ。桜はだいぶ散ってしまったとはいえ、地面には桜の花びらが一面敷き詰められていて、これがとっても明るい気分にさせてくれるね。これが楽しくない訳ないよ」
と、その言葉通り、ウキウキと答えてくれた、
きゅん君です。
ぐーちゃんも、お見受けするとこ、非常に楽しそうなので、
きゅん君と同じ意見なんでしょうね。
ねえ、ぐーちゃん。ぐーちゃんたら。
「あっ、もしかして、ぐーに話かけていた?ごめんなさいね。ぐー、今、桜の花びらさんがお1枚、風さんに舞って、踊ってるのに見惚れていたのよ」
あら、そうだったんですね。
それは何とも風流ですね。
で、その花びらはどこにいきました?
「それがね。今は、ぐーのお鼻先にいらっしゃるの」
何と。桜の花びらが、ぐーちゃんの鼻先に、
くっついたのですか?
「そうなのよ。ぐー、嬉しいわ。せっかくなので、このままいらっしゃって、一緒に、ぐーのおウチに帰りましょう」
と、ぐーちゃん、花びらを鼻先にくっつけたまま、
散歩を続行致します。
たまに花びらが落ちないように舌で押さえたり、
つばで濡らしたりしながら、散歩も後半を迎え、
もうすぐ自宅に着きそうです。
って、あら、ぐーちゃん、鼻先についてた花びら、
なくなっているではありませんか。
結局、どこかで落ちちゃったんですかね。
すると、ぐーちゃん、恥ずかしそうに答えます。
「ごめんなさい。花びらさん。ぐー、お鼻を舐めたついでに間違って食べちゃった。本当、ごめんなさいね。でも、これからは、ずっと、ぐーと一緒よ。だって、ぐーのお腹の中にいつもいてくださるんですものね。最後に一言、花びらさん、とても美味しかったわ」
とのことでした。
何だ、ぐーちゃん、桜の花びら食べちゃったんですか。
でも思いのほか、花びらが美味しかったとみえて、
散歩も終わりを迎え、家の前に無事着いた時、
そこにも桜の花びらが1枚だけ落ちていて、
それを発見した、ぐーちゃん、すかさず、
ペロリと食べたのでした。
ぐーちゃん、また花びら食べたんですか?
と、その答えは、
「だって、花びらさん、ぐーのお腹の中で、おひとりで寂しいでしょ」
ですって。

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