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お皿置く前に食べ終わる

来ました!来ました!待望のこの時間が!
1日2回のこの時間がやって来ましたよ!
いぬうた市の、きゅん君、ぐーちゃん、
ご準備はよろしいですか?
「よろしくない訳ないじゃないかー。僕ときたら、朝食が終わった時点から、この夕食を準備していたよ。だからよろしくないハズがないよー」
と、きゅん君、くんくん、せつなそうな声をもらしながら、
そう答えてくれました。
で、一方の、ぐーちゃんはこんな感じです。
「ぐーのお腹はぐーぐーぐー!ぐー!とぐーをお腹が呼ぶけど、今、ぐーはそれどころじゃないから、もう、ぐーを呼ばないでー!」
て、少々、お腹が空き過ぎて、混乱を生じているようです。
今、ママがおふたりのお皿にそれぞれ、
フードを盛り付けていますからね。
もうちょっとだけお待ち下さいね。
「たまらーん!そんなこと言われても待ち切れーん!ママー!早くしてー!もう僕、限界ー!」
と、きゅん君、いつもの食事場所のゲージの中から、
今にも飛び出さん勢いです。
ぐーちゃんは、ぐーちゃんで、
「フードさーん!早く、ぐーのお腹にカモーン!ママ、お皿さんをただちに、ぐーに持ってきてー!」
と、やみくもに吠えたてていますね。
毎日毎日毎食毎食この調子ですからね。
いい加減、落ち着くことはないのでしょうか?
「ないよ!ない!ない!フードを前にしたら、僕らに落ち着くなんて、あり得ないよ!」
威張って言うことではないと思いますけどね。
きゅん君。
「ぐーは落ち着いているわよ!これでも!それでもお限界はあるわー!今がその時ー!」
全然、落ち着いてないですよ。ぐーちゃん。
おっ、でもその待ち遠しい時間もいよいよ終わりです。
ママがフードの入った、ふたりのお皿を、今、
一歩一歩また一歩と運んで来ています。
「おーっ!待ってましたー!」
タイミングよく、同じ言葉を叫んだ、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
さあさあ、フードはもう、
おふたりの目の前に近づいて来ましたよ。
「おーっ!」
もはや、雄叫びしか出てきてないですね。
そして、ママがふたりの前にフードのお皿を差し出しました。
おっと、その時、きゅん君がフライングです。
まだママが床にお皿を置いていないのに、
自ら空中のお皿に飛び付いて、
顔面をお皿の中に突っ込みました。
何て行儀が悪いんでしょうか。
そんな、きゅん君をさえぎるように、
ママはお皿を床に置きました。
「ぎゃー!」
っと、ぐーちゃん、叫び声と同時に、
お皿のフードを食らいつきます。
まあ、何て幸せそうに食べているんでしょう。
ぐーちゃんたら。
と、一方の、きゅん君、あら、きょとんと、
さっきまでの興奮とは正反対にボーゼンとした、
表情をしてますね。
で、床に置かれた、きゅん君のお皿の中には、
何も入っていません。
あら、これはママが、きゅん君のお皿に、
フードを入れ忘れたんでしょうか?
ノンノン。
そんなことはありません。
何と、きゅん君、ママがお皿を床に置く前に、
全て空中で平らげてしまったのであります。
「えへへへへ」
我に返って、ちょっと恥ずかしそうな、
きゅん君の食後姿なのでありました。

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