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イベントにオムツ

先日、いぬうた市のテナントビルの屋上でやっていた、
わんこイベントに行ってきた、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
イベントでは、出店がいっぱいあって、
わんこグッズや美味しい食べ物が売っていたり、
ノーズワークの体験会など、企画が盛りだくさんで、
とても楽しいお祭りでした。
きゅん君と、ぐーちゃんも、入場の際、
オヤツをもらってたりして、大興奮です。
そのイベントの中心企画は、
保護わんこたちの譲渡会でした。
きゅん君や、ぐーちゃんは、そのわんこたちとお話をして、
「あなた方によいおウチのが見つかるよう、ぐーは毎日お祈りします」
と、ぐーちゃんはお話の最後にそう言って、
手ならぬ、足と足を取り合って、
公園やドッグランなどでの再会を誓うのでした。
その、ぐーちゃんの最後の言葉に、
きゅん君も、うるっときています。
どうやら、ふたり共、
過去の自分たちと兼ね合わせているようで、
きゅん君も、ぐーちゃんも、元は、
どこかの地をさまよっていて、
保護された、わんこですから、
こちらの、保護わんこたちの気持ちが、
痛いほど分かるのでした。
そして、その時のさまよっていた、
自分を思い出したのでしょうか?
しばらく、しんみりとしていた、ふたりです。
しかし、そんな時間は長くは続かず、
ふと、お互いの姿を見たタイミングで、
たちまち消え去ってしまいました。
何故かというと、この会場では、わんこたちが、
おしっこなどをそこいら中に、してしまわぬように、
マナーウェア、すなわちオムツの着用をお願いされていて、
そのオムツを履いた、お互いの姿を見て、
吹き出してしまったからです。
ぷっ!と、吹いたあと、ぽつりとぐーちゃんが言いました。
「せっかく、ぐーがいいこと言っても、いくらあの保護わんこさんたちの幸せに思いを馳せても、この下半身の姿じゃ、どうにもカッコつかないわ」
その、ぐーちゃんの意見に、きゅん君も深くうなずきます。
「全くだよ。まだ、ぐーはいいとしても、僕はもう立派な成犬男性なんだから、オムツはいい加減勘弁してほしいな」
しかし、その、きゅん君の発言には、
ぐーちゃんは真っ向から、反対しました。
「ぐーは、いいって、どうゆうことよ?きゅん!きゅんは、どう思っているか知らないけど、そのオムツ超お似合いよ。いつまでも甘えん坊のきゅんにはぴったりじゃない!何の違和感もないわ!」
そう、ぐーちゃんは、きゅん君に言い放って、
きゅん君もそれに輪をかけて、言い返したりして、
しばらく、ふたりの口論が会場内に響き渡り、
みんな、くすくす笑っています。
先程、話をした、保護わんこたちも大笑いしています。
その視線に、はっ!と気付いた、
きゅん君と、ぐーちゃんは、ぽっ!と顔を赤くして、
ぐーちゃんは、急に声をひそめて、
「要は、ぐーが言いたかったのは、下半身だけオムツを履くなら、せめて上半身も、服も着させて欲しいっていうことよ。下半身だけオムツじゃ何ともバランスが悪いっていうこと。それを、ぐーは言いたかっただけ」
そう、ぐーちゃんが、言って、
きゅん君も、赤い顔のまま、「ホントその通り」
と、小声で、ささやき、 
イベント会場は笑いで包まれたまま、
イベントは無事、明るい雰囲気で、終わりを迎えました。

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