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カミナリを探しに

いやあ、凄かったですね。
何がって先日のカミナリですよ。
雨ももちろん凄かったですが、
カミナリのあのゴロゴローっ!具合が半端なかったですね。
いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの家の近くも、
それは同じだったようで、雨カミナリが凄かった、
その日の夕方から迎えて翌日の朝散歩の時に、
こんなエピソードがあったのです。
「やーい!カミナリさん、やーい!」
と、すっかり雨も止んで、穏やかな朝早く、
きゅん君とママと散歩に行くべく、
家を出た途端、ぐーちゃんがこんなことを叫んだのです」
何を言ってんのかな?と思った、きゅん君、
横を歩いている、ぐーちゃんに聞きます。
「ぐー、誰か、探しているの?でもそんな犬、いぬうた市にいたっけ?カミナリだなんていう名前の犬?」
その、きゅんの問いに、ぐーちゃんが答えます。
「はあ?何のお話?そんなお犬は、いぬうた市にいないわよ」
と、ぐーちゃんも、
きゅん君は、一体、何を言ってるのかしら?
といったふうに言い返しました。
「だったら、誰を探しているのさ?」
きゅん君も聞き返します。
「だからカミナリさんに決まっているじゃない。そう言ってるわよ。ぐーは」
「だったらそれは猫の名前かな?」
「もう!訳が分からないわね!ぐーがお猫のお名前なんて、いちいち知るハズないじゃない!で、知らないお猫のお名前を何で、ぐーが呼ばないといけないのよ!」
と、ここまで全く話が噛み合わない、
きゅん君と、ぐーちゃんです。
「じゃあカミナリって何の話さ?」
でも、きゅん君、あきらめずに聞くと、
「だからカミナリさんはカミナリさんよ。だって言ったじゃない!きのう、きゅんが言ったのよ!これは絶対、いぬうた市に落ちたな。って。どこかにカミナリさんがゴロゴロが落ちたハズだって。落ちたなら今頃どこかにいるハズじゃない。そのカミナリさんを、ぐーは探しているの」
と、答えた、ぐーちゃんです。
なるほど。やっと話は分かりましたが、
でも落ちたカミナリって、どこかにいるもんなんですかね。
カミナリって、そうゆうもんじゃないと思うんですけど。
しかし、きゅん君は、ぐーちゃんの説明に納得したようで、
「言われてみれば確かにそうだ。落ちたんだから、どこかにいるハズだね。分かったよ!僕も探すよ!」
と、きゅん君と、ぐーちゃんは一致団結して、
落ちたカミナリを探すことにしました。
「やーい!カミナリさん、やーい!」
と、歩きながら、辺りを常に、キョロキョロして、
いるハズのカミナリを探します。
「でも、カミナリって、どんな形をしているのかな?」
ふと、きゅん君が疑問を口にすると、
「ぐー、テレビさんで見たことあるわ。確か黄色かったわね。黄色さんと黒色さんのシマシマだったような」
と、たぶんカミナリ様とかのことを言っているんでしょう。
でもちゃんと覚えていないらしく、
おぼろげな記憶を引き出す、ぐーちゃんでしたが、
その時、きゅん君がおもむろに声を上げました。
「いたー!いたよ!これじゃないの!うん。間違えないよ!これがカミナリだよ!」
「そうかもー!そうだったのねー!あなた、カミナリさんだったのねー!だって、あなた、高いところに落ちなさるし、カンカーン!だなんてお音も、そっくりだしー!」
と、きゅん君と、ぐーちゃんがカミナリ認定したものは、
なんと、踏切のバーでした。
まあ、バーが上がると長いからちょっと高いですし、
でも、ぐーちゃん、ゴロゴロー!と、
カンカーン!はだいぶ遠いと思いますけど。
強いて似てるというなら、どちらも、
ヒステリックな感じの音ということでしょうか。
でも、きゅん君も、ぐーちゃんも、踏切のバーが、
カミナリだったということを、もはや、疑う余地もなく、
前のバーが古くなったから、交代に来た。
ということで話もまとまり、
「新しいカミナリさーん!これからよろしくねー!」
と踏切のバーに挨拶する、
きゅん君と、ぐーちゃんなのでありました。

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