「ノマドランド」(実写映画)の感想

視聴環境:グランドシネマサンシャイン

凄く評判良いので、公開当時観に行てきた時の感想です。
その後、英国のアカデミー賞4冠、アメリカのアカデミー賞も幾つか取った作品です。
小さめの劇場ながら、評判良いせいか、八割型客席が埋まっていました。

ここから先、多少ネタバレします。

【内容】
工場閉鎖により、消滅しつつある街に住む夫を亡くした年老いた女性。
女性は街を捨て、車で移動、生活しながら季節労働をするという物語。

Amazonの配送センターなど、繁忙期にだけ行う季節労働をしながら、車による移動生活をする主人公女性。
実際にアメリカではこうした生活を送る高齢者がいるとのこと。


【感想】
淡々とした描写に、ドキュメンタリーを観ているような感覚になる映画でした。

ファクトベースで見ると現代版「怒りのぶどう」
といった面もありますが…
そこにあるのは怒りを通り越して、ある種の諦観が漂っている。
…諦観の葡萄とでもいうんですかね。
スタインベックの小説「怒りの葡萄」は、土地を追われカリフォルニアに移っていった貧困農民層との軋轢闘争を描いていました。
しかし、この映画が描いている先には、わかりやすい救済はなく、悲哀と諦観が漂うだけ…

とはいえ、この映画の主人公女性は、白人で、コミュニケーション能力が高く、凄くスタイル良くて、美人さんだったりして…
また、色んな人が定住を進めていたりするので
、あえてこの車上生活をしていると言う感じもあり、そこまで悲惨な感じにはなっていなかったです。
むしろ、この映画に出てきた有色人種だったり、身体の悪い人だったりといったケースの方が、救いはないなと、感じたりしました。
などと思って観ていたら、実は主人公の女性と恋人以外、ほぼ当事者にあたる素人を使っていたようで、後から知ってびっくりしたりした作品でした。
その後、この作品を撮ったクロエ・ジャオは、マーベル映画「エターナルズ」撮ったりして、一気にネームバリューのある監督になっていった感じでした。

https://www.google.co.jp/amp/s/eiga.com/amp/movie/93570/

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