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『不適切にもほどがある!』(ドラマシリーズ)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
1986年、スパルタ体育教師の小川一郎は、38年後の2024年とタイムスリップし、未来の孫娘や息子たちに再開することとなる。過去と年代を行き来することで、小川は様々なことに気付き、成長していく。

脚本:宮藤官九郎
主演:阿部サダヲ


【感想】
1980年代の体育教師ということで、セクハラ、パワハラ、体罰ありの世界を描いていく、今のコンプライアンス的にはアウトなことのオンパレード。
宮藤官九郎の最新作だということで、配信サービスで見始めたものの、1話目途中まで観て、一旦は観るのをやめました…

自分の通ってた頃の昭和の学校は、教師が生徒を叩く蹴るは当たり前で、生徒の人格否定、体育や部活では水飲むことが禁止され、果ては学習指導要領ガン無視で好き勝手な授業をする教師まで…
近年の学校の先生たちの対応の丁寧で優しい、自分の子供の先生から比べると、親切で優しくて神様みたいなものだなあと…
自分の時代の小中学校は、もっと収容所のような感じだったなあと、記憶の扉が開いたら観ていられなくなったという感じでした。

とはいえ、観るのをやめるにしてもとりあえず1話くらいは観てからしようと、2日ほど放置した後、再度視聴し始めました。
1話をなんとか観終わったら、それなりに面白くなってきて、シリーズ最後まで観ることが出来ました。

ドラマ的には、昨今のコンプライアンスの行き過ぎだ感じへの問題提起と、かといって昭和の頃の無神経さもどうかと思うといった感じをドラマに落とし込んでいる感じでした。

それはそれとして、昔のテレビとかAMラジオ的なノリのドラマで、色々と引っ掛かるシーンやらもそれなりにあったりもしました。
テーマがテーマだけに悪ノリしてやってしまおうという感じが溢れていて、今のテレビの制作者サイドの人間として、こうしたドラマを通して表現出来る領域を広げて行きたいのだろうなあと思いました。

攻めた企画といえば攻めた企画で、脚本家だけでなく制作者サイドも批判とか苦情がくることを覚悟して作っていることは垣間見れました。
ドラマといえばTBSといった自負みたいなものあっての作品で、下手すると炎上してもおかしくないような危ういところをかいくぐった作品だったのだろうなあと…
ドラマのプロデューサーや関係者は、なんとか無事にドラマを終えて、ホッとしているのではないかと思ったりしました。

ある程度ドラマが進んでからの展開は、筆が乗って書いている感じで、コンプライアンス云々のこととかは、ほとんど気にならずに楽しくみれました。


所々挟み込まれるミュージカルシーンで、言いたい本音を、コミカルにぶち込むいう仕組みを作ることで、言いたいことをコメディとして処理することで、面白く見せているのは、ある種の発明だなあと感じました。
コメディ演劇とかでは見掛けたりする手法ですが、それをドラマでやるには、よく出来た脚本だけでなく、力のある俳優、理解のあるプロデューサーなど、総合力がないと難しいタイプのドラマだなあと…

あと、主演の安倍サダヲの娘役の女優の河合優実は、初めて知った役者さんでしたが、凄く演技力あって魅力あると感じました。

https://www.tbs.co.jp/futekisetsunimohodogaaru/

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