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『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命』(国立西洋美術館)

『キュビズム展』は、キュビズムをテーマとした展示で、ピカソやブラックを始めとしたキュビズムの作家や、キュビズムに影響を受けた作家の展示でした。

キュビズムは近代から、現代アートへと変わっていく切っ掛けの1つとなった芸術運動です。
ちなみに、キュビズムに関する解説や見解は、あくまでも個人的な感想レベルのものです。
キュビズムに関しては、近代美術史の本を何冊か読んでいたくらいで薄い知識たっだりしますので…
ちなみに山田五郎氏の美術のYOUTUBEチャンネルでキュビズムについて解説されていて、結構理解が進んだので、詳しく知りたい方はそちらをお勧めします。
(的外れだと感じたら、すぐに読むのを辞めてくださいね…(

ここから、こうした作品と芸術運動に関して、かなり野暮な話をしたいと思います。
(わかっている人には当たり前すぎて得意げに語ってんじゃねえよって話かもしれませんし、もしかするとかなり的外れな話かもしれないので…)
キュビズムについての個人的な理解としては、当時のヨーロッパ社会にとって異世界のアフリカンなどの彫刻などの影響を受けて、ギリシアの美術的な文化の多大な影響を受けた西洋絵画的な絵画の理論を、理屈っぽく解釈し直した芸術運動といった感じです。
かなり砕けて感じで書いたつもりですが、文章にするとかなり固い文章になってしまいますね。
ふんわりとではありますがアカデミックな絵画的な手法を勉強したことがある身からすると、キュビズムのやってることって、、実は結構わかりやすいんじゃないかとも感じています。
キュビズムの名前に由来になっているキューブ状にものを捉える…
つまり、被写体を立方体(キューブ)で捉えるって、立体表現やそれに伴う陰影表現を行うための基本的な捉え方の基礎ですし…
キュビズム的な絵画を生み出すことのきっかけになった画家のセザンヌが描いた本なんかに出てくる有名な言葉で、作品のモチーフを立方体とか三角柱とかで捉えるって、アカデミックな手法で絵を描くための基本ですし…
モチーフを色んな角度からとらえ直して、再構成するということも、ある程度デッサンしていくと普通に行うことだったりもしますし…
キュビズム以前の新古典主義の時代の作家であるアングルも普通にやっていたりもしていて…
ただキュビズムの場合はその目的が宗教を広めるとかより美しくとかではなく…
より個人的なものになることによって変化したってことなのではないかと…
理由は近代の合理主義とか、社会構造の変化による絵画などの持つ意味が変化したといった要因だとか…
以前キュビズムに関して描かれたことを読むだりする度に、そんな語り方する文章とか見ることがなかったんで、モヤモヤしていたりしました。
もしかしたら、最近の出版物では、そうした書かれ方したりもしているかもしれませんが…

あっ…
筆が滑って、今回の展示とは直接関係ないことをつらつらと書いてしまいました…
展示自体は、改めてキュビズムという運動の興味深さとか、その後の芸術やデザインの展開を考えるために必要なピースであったということを感じました。
結局造形要素を分解し、再構成するということは、絵画表現を色面構成とかコラージュ的表現に還元していくことにつながるんだなあと…
プラスアルファートして、絵画自体の魅力としてのマチエール(色面の質感?)とかといった方向に意識が向くなあと…
色面構成的な考え方が突き進めれば、ミニマルアートやグラフィックデザインへと繋がっていくし…
コラージュ的な表現を突き進めて行けば、象徴主義やシュールレアリズム、グラフィックデザインへと繋がっていくし…
マチエール的な表現を進めていけば、アメリカ国旗を滅茶苦茶魅力的なマチエールで描いた現代アーティストのジャスパー・ジョーンズなどのファインアートに繋がっていく…

今までなんとなく感覚的には理解してつもりでしたが、今回の展示を観て、当時の人たちはキュビズムを観て、そこら辺のことに気付いてしまったんだろうなあと…
個人的に今回の展示はそこら辺のことが、実感ベースで理解出来た良い機会となりました。

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023cubisme.html

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